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マカロニウエスタンの西部劇「荒野の一ドル銀貨」を観て絵や漫画の創作意欲アップ

投稿日:2017年5月31日 更新日:

 

漫画や絵画を作る際の創作意欲を飛躍的に高める方法がある。

 

それは素晴らしい映画を観て感動する事。
僕は7歳の頃から漫画を描き18歳の頃から絵画を作ってきた。

 

絵画や漫画の創作意欲を維持するのに最高に役立つのが感動する事。

 

感動するとその思いを何らかの方法で表したくなる。
そのために漫画や絵画の制作が進むという好循環が起こるのだ。

 

僕はつい最近またも素晴らしい映画を観て感動した。

 

それは1965年に発表されたマカロニウエスタンの映画「荒野の一ドル銀貨」。

 

この映画を観るのはもう3回目になるけど何度見ても素晴らしいと思う。

本日はマカロニウエスタンや「荒野の一ドル銀貨」についてと感動した映画を漫画の創作に繋げることについて書いていこう。

 

 

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マカロニウエスタンとは?

 

マカロニウエスタンとは何かというと1960年代から1970年代前半にかけて作られたイタリア製西部劇。

西部劇にも二つあってアメリカで作られた正統派西部劇とイタリア製のマカロニウエスタンとがある。

 

西部劇と言えば19世紀後半のアメリカを舞台にした映画。
当時は西部開拓時代と呼ばれ、まだ未開の地だったアメリカ本土をヨーロッパから移民してきた白人が西へ西へと領土を広げていた。

もちろん車もパソコンも携帯電話も存在しない。

現代から見ると原始的なこの時代。
しかし西部劇にはどことない懐かしさを感じる。
それは心の奥底に潜む郷愁の念、未開地を切り開いていく人たちの夢がそう思わせるのかもしれない。

まだ法が整備されきっていない街を荒らす悪者ガンマンを、正義の見方の保安官がやっつけるという勧善懲悪型の話がアメリカ版西部劇には多かった。

 

僕は西部劇が好きで傑作と呼ばれるものはほとんど目を通している。

 

アメリカ版西部劇の傑作と言えば「駅馬車」「荒野の決闘」「OK牧場の決闘」などがある。
これらの作品を見返す度に比類ない感動を受ける!

 

 

アンチアメリカ西部劇

 

アメリカを舞台に正義の味方が悪者をやっつけるという勧善懲悪のストーリーも段々飽きられてきた頃にイタリア製西部劇のマカロニウエスタンが流行り出した。

 

マカロニウエスタンのコンセプトは「アンチ・アメリカ西部劇」。

 

それまで西部劇の主人公と言ったら高潔で、まじめないかにも正義のヒーローと言った描かれ方をしていた。

内容的にも良心的で、良い子が見れる健全な物語と言える。

それに対してマカロニウエスタンではアメリカ西部劇的な「理想のヒーロー像」を真っ二つに切りさばく。

 

どういうことかと言うと
見ていて気分を害するような、良心のかけらもない悪党を主人公にしたのである。

主人公の周りにいるキャラクターも輪をかけて悪党ぞろいで、たまに高潔な人間が出てくるとたいてい殺される。

マカロニウエスタンはアメリカ版西部劇とは真反対のポジショ二ングで演出された西部劇なのである。

 

マカロニウエスタンという西部劇のジャンルを決定付けたのがセルジオ・レオーネであり、1964年に発表された「荒野の用心棒」で一躍世界に旋風を巻き起こした!

「荒野の用心棒」は黒澤明監督の「用心棒」のストーリー展開を盗作したとして後に訴えられているが、そんなことをわきに置いても忘れられない傑作だ。

僕もこのセルジオ・レオーネの映画が大好きで「続・荒野のガンマン」は自分の中で史上最高の映画ベスト3に必ず入る。

 

 

西部劇は物語だけでなく音楽も素晴らしい!

 

アメリカ版西部劇、マカロニウエスタン共に共通する魅力として「濃厚な人間ドラマ」の他に「魅力的な音楽」がある。

どういうわけか西部劇の名作には素晴らしい名曲が多い!

 

「シェーン」「リオブラボー」「明日に向かって撃て」などは有名な西部劇のテーマ曲。

僕は漫画や絵画を作る時だけでなく、朝起きるとすぐに流すのが西部劇のテーマ曲集。

 

これら西部劇のテーマ曲には、ものすごく懐かしい感じがして聴いていると創作意欲に満ちてくる。

 

西部劇が好きな人は映画のテーマ曲を注意深く聴いてほしい。
良い映画にはだいたい良いテーマ曲がついている。

 

映画は音楽も含めた体験だから、良いテーマ曲があるだけでものすごく感動する!

 

映画を音で描くセルジオレオーネ

 

マカロニウエスタンという西部劇のジャンルを決定付けたセルジオ・レオーネは音楽の点でも革新的な事をやり遂げた。

 

「荒野の用心棒」で映画と音楽を融合させたのだ。

 

それまでの映画音楽と言えばバックで流れるオーケストラという感じだった。

 

しかしセルジオ・レオーネは「音で絵(映像)を描く。セリフの代わりに音楽でストーリーを語らせる」という発明をした。

 

音で映画の内容を語るだけあってセルジオ・レオーネの映画ではセリフが少ない。
シーンの緊張感をしゃべらせるのではなく、役者の演技、カメラワーク、そしてバックに流れる音楽で表現している。

そして音楽で映画を語るだけあって、曲が最高に素晴らしい!

 

男のロマン、胸に眠る懐かしい情景、一匹狼なガンマンの心の叫び…みたいな胸を打つ音楽。

「夕日のガンマン」「続・夕日のガンマン」「荒野の用心棒」などの曲を聴いてほしい。

 

僕はこれを聞くだけで月にまでジャンプできそうなほど感動する!

そして絵画や漫画に対する恐るべき創造意欲が満ちてくる。

素晴らしい曲を聴くというのは絵画や漫画を作らせる力となるのだ。

 

そして今日ご紹介する「荒野の一ドル銀貨」も映画の内容のみでなく、音楽も最高に、最高に……良いのだ!

 

「荒野の一ドル銀貨」のテーマ曲を知ってる人は今頭の中で流してほしい。
あの切ない、むせび泣くような男の名曲を感じてほしい。

分かるだろうか、この感動が…

僕ならこの曲を聴いた感動だけで100枚の絵画と漫画が描ける!

 

 

荒野の一ドル銀貨とは

 

「荒野の一ドル銀貨」は1965年にイタリア、フランス合同で制作されたマカロニウエスタン。

1964年にセルジオ・レオーネが「荒野の用心棒」で大ヒットを飛ばして以来次々にマカロニウエスタンが作られていった。

 

その中の一本が「荒野の一ドル銀貨」で、まさにマカロニウエスタンの黄金時代に生まれた名作だ。

主人公の兄はジュリアーノ・ジェンマという有名なイタリアの俳優が演じる。

 

「荒野の一ドル銀貨」のストーリーを大まかに書いておこう。

 

「荒野の一ドル銀貨」では南北戦争に従軍していたが、戦争が終結して兵隊から解放される兄弟の話が描かれる。

弟から一ドル銀貨をもらいお守りとして胸のポケットに入れておく主人公。

弟は西部へ向かい、主人公は妻の故郷へと戻っていく。その後主人公は職を探すために弟が行った西部へと戻っていく。

拳銃さばきを見込まれて街の顔役マッコリー一味の用心棒となった主人公は敵対する勢力のブラッキーと言う男を殺せと命じられる。

さあ、主人公がブラッキーのもとへ行ってみるとなんと弟だった!
弟は相手が兄だと分かった瞬間、街の顔役の手下たちに射殺されてしまう。

兄も直前弟に撃たれたけど、胸のポケットに忍ばせていた一ドル銀貨に助けられて一命をとりとめる。

主人公はマッコリー一味に復讐を誓うのだった…

 

上のようなストーリーとなる。

 

職を探しに弟のいる西部へ行ったら用心棒として雇われて戦う相手が弟だったというプロットはとても面白い!

主人公が屋われたマッコリー一味は街で悪さをする敵役だ。

弟はそんな悪者マッコリーを倒そうとする側にいて、対立する勢力を通して兄弟が対峙するという形になる。

 

優れた映画を観ているとよくこういう名シーンに出会う。

あなたが漫画を描こうと考えているなら、こういう名シーンや傑出した物語のプロットはよ~く研究しておこう。

映画がどのようにして名シーンや物語の面白さに繋いでいるのかを研究する事で、要素として分解し、いつか自分の作品の中で生かせる日が来るからだ。

 

内容をパクるというのではない。

映画の面白い部分を要素にまで分解し、これを自作に応用するという事。

 

例えば「荒野の一ドル銀貨」で「対立勢力を通して兄弟が殺し合いの場で対峙する」というプロットは「長年反目しあっていた宿目のライバル同士」や、「昔恋人同士だった男女」という設定にも出来る。

また対立する勢力同士を「街で売り上げ競争をするケーキ屋さん」とか「学校対抗の運動会」のように自由に内容を入れ替えることが出来る。

ある作品のストーリーが面白いと思ったら、それを要素にまで分解して自作に取り込むことで、漫画を作る際に大きな武器になる。

だから名作映画は観る必要があるのだ。

 

 

 

弟からもらった一ドル銀貨に命を助けられるという心憎い演出!

 

僕は「荒野の一ドル銀貨」で最も感動的な場面は、弟からもらった一ドル銀貨をお守りとして胸に忍ばせておき、それによって命を救われるという部分にあると思う。

 

酒場で兄と弟は対峙するのだが、弟は振り向きざまに銃を発砲した瞬間マッコリー一味に殺されてしまう。

弟が撃った弾は主人公に命中するが弟からもらっていた一ドル銀貨で一命をとりとめるという心憎いこの演出!

主人公は一時気を失っているが墓場で目覚めるとこのことに気づく。

 

そして弟を殺したマッコリー一味に復讐を決意するそのシーンで、あの名曲が流れるのだ!

「荒野の一ドル銀貨」の胸を打つあの名曲が!!!

 

 

僕はこのシーンに心底感動した!

 

吹きすさぶ風の中、周りは墓場と樹木。
バックで流れるテーマ曲に、弟を失った悲しみと一ドル銀貨…
何という名シーンだろう?

 

僕は名作映画を観るたびに人生を揺るがすほどの感動を受ける。

 

 

それは単に映画を観るなんて行為じゃない。
芸術の神髄に迫り、宝石をくみ取ってきているのだ。

 

映画を見る時にただ観るのではなく、人生を激変させる体験として見るのでは得るものが全然違う。

 

人生を変える程の感動を映画から得るためには純粋無垢な気持ちで作品世界に入り込み、ストーリーや音楽を含め創作に生かす気全開で見ること。

 

「荒野の一ドル銀貨」は音楽も内容も含め僕の中で不滅の作品だ。
そして西部劇が好きな人、僕と感覚の似た人ならきっと共感できる内容の作品となっている。

もしご興味のある方はご覧になってほしい名作である。

 

 

映画を絵画や漫画で描く漫画アート芸術家

 

僕はこれまでたくさんの映画を観てきたけど、それは映画が好きであるのと同時に絵画や漫画の創作に生かすためでもある。

名作映画を観ることは漫画や絵画の創作に転化出来るのだ。

ストーリーの面白い要素や印象深いキャラクターからインスピレーションを受けて、自分なりの創作を生み出している。

 

セルジオ・レオーネが「音楽で映画を語る」と言った発想にヒントを得て漫画にアートの要素を絡めてみたりというアイデアも出てくる。

 

映画を観た感動を一枚の絵で表現するという方法もある。
僕は西部劇の「SHANE」という作品が心から好きでこの感動を絵で表したいと思い描いた作品がある。

 

 

アクリル絵具は普通に使うとマットな画面に仕上げられるけど、メディウムなどの添付剤を使うことで絵具を画面から盛り上がるように塗ることが出来る。
アクリル絵具はメディウム類を使うことで油絵のような仕上がりもなるという事。

 

絵や漫画を描く喜びは自分が持つ内的な感動を形に出来る所にある。

「SHANE」についてと映画を用いて絵を描く方法についてはコチラの記事で書いている→シェーンの感動を一枚の絵に?大好きな映画を絵で表現する方法!

 

僕はこれからも漫画や絵画を作り続けてゆく。
そして漫画とアートをリンクさせた新しい表現を生み出してゆく。

 

 

西部劇を漫画で描く

は西部劇映画の感動から、是非漫画を描きたいと思い20代前半頃西部劇漫画のキャラクターを生み出した。
その名も「西部のガンマン」。

 

 

彼は放浪のガンマンであり世界各地を転々としながら旅をしている。
西部のガンマンは僕の漫画の中でも常連キャラクターで、今後も彼を使って西部劇漫画を描く予定だ。

西部劇を観た感動から西部のガンマンが生まれた経緯を描いた記事はこちら

 

僕は漫画や絵画を作る時、感動した何かを作品と言う形で表現している。

感動するものは人によって違って映画だったり、人付き合いだったり、音楽だったり色々ある。

 

しかしあなたの胸にこみあげる崇高な何か…感動に対するアンテナを鋭く張っておくことで漫画や絵画の創作の動力源となる。

これからは映画を見る時、その映画の面白かった所、感動した点、キャラクターや物語の構成をよ~く見ておこう。

そこから学んだことを自作に取り入れ、自分のアイデアと組み合わせたり、ヒントを得て創作力を磨いていける。

 

あなたの感動を絵や漫画を通して表現する事が出来るのだ。

 

 

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粕川裕康/漫画アート芸術家。漫画描きと油絵描きをしており、二つ合わせて漫画アート芸術家!/漫画とアートを組み合わせた創作活動をしています。

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