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創作活動

いかにして自分の絵のスタイルを築くか?僕はこう考えて連作を始めた

投稿日:2016年12月5日 更新日:

img_2014

 

「大地より生えたる者」

2016年11月制作

油彩


僕は今新しい連作シリーズを作り出している。

その名も「大地より生えたる者」。

 

以前から僕は連作という形で絵やマンガを制作するということを書いてきた。

連作とはあるテーマを決めたら、それに沿って何点も作品を作っていく手法。

 

僕はまたこれを始めている。

そして自分の根源的テーマである「幻想と自然」が今回のテーマである。

 

「大地より生えたる者」シリーズを始めたので、その創作意図やいかにしてテーマを絵にしていくかについて語っていこう。

 

 

「大地より生えたる者」シリーズ第一作目


img_2015

 

なぜこのタイミングで「大地より生えたる者」シリーズを始めたのかというと分けがある。

 

これはまさしく自分様式だ!という作品スタイルを明確にしたかったから。

やっぱり絵を描く表現者である以上、誰が見てもあの人だ!と分かるスタイルを築いておきたい。

 

例えばムンクやピカソなどは、一目見てすぐに誰の作品かが分かる。

それは絵の描き方だったり、絵肌だったり、色の特徴に

描く人の個性が現れるから。

 

このスタイルを築くことが絵で自己表現する人にとって重要になる。

 

僕も今まで色々なタッチで絵を描いてきたけど、そろそろ分かりやすい自分タッチの絵を固めていきたいと感じた。

 

それならば根源的テーマである「幻想と自然」を描きたい。

しかも何か分かりやすい目印となる図像が欲しい。

それならばと思いこの奇妙な生命体を描きいれた。

 

img_2014

 

この生物は何かというと「大地から生えた」生命体である。

 

大いなる大地を母とし、そこからにょきにょき生えてきた

嘘偽りない生物。

彼はいつも前を向いている。

 

眼が青く輝いているのは未来を見ているから。

これはどんな時でも自分の運命を切り開いていこうとする意思を表している。

 

 

テーマを絵にする時、こう考えた!


img_2015

 

彼はいつも自然の中にいる。

都会などアスファルトのある場所では大地から生えだせないから。

だから彼の後ろには樹木や山や海といった自然が存在している。

 

そして生命体や後ろの自然は淡くぼかされている。

 

形は明確に描かない。

空も大地も樹木も生命体も一つに溶けそうなほどぼかされる。

これは最終的に全ては一つであるという僕の思念の表れでもある。

 

と同時に、淡く霧がかった形態は僕にとっての幻想性も表している。

 

・大地より生えたる生命体

・自然が舞台

・全てが淡くぼかされる

 

この三点により「幻想と自然」を表わした。

 

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僕は対象を細かいところまで描き込まない。

なぜなら対象の立体感を描いているわけではないから。

 

僕は自分の感じた「幻想」を描いている。

 

それは霧がかった幻想的イメージとして現れる。

 

そこに描かれる木や山は幻想を構成する要素。

この幻想イメージをすくい取ることが目的。

 

木を描いてはいるが、それは木ではない。

仮に山が描いてあったとして、それが海に見えてもかまわない。

実際の所 海でも山でもどちらでもいい。

大切なのは幻想としてのヴィジョン。

 

そう、僕は幻想を描いている。

対象物(木や山や海など)は絵を描く際のキッカケでしかない。

キッカケを得たら、そこから広がっていくものを描く。

 

それも限りなくシンプルなやり方で。

複雑な要素は必要ない。

 

無駄を省き、本当に必要なものだけで構成する。

僕にとって一枚の絵は、自分が見た幻想のヴィジョンである。

 

そこには完成も未完成もない。

 

その時、その瞬間、そこに置かれた色や形態で完結する。

 

どこまでが完成でどこまでが完成じゃないかという区分けが存在していないのである。

人間に完全な人がいないように、絵もその時に描かれた状態が全て。

 

絵は絵を描く人の人生の一部であり、その瞬間の表現を切り取ったものである。

 

img_2015

 

この絵は18cm×14cmと小さいキャンバスボードに描いている。

画材は油絵の具。

 

僕は色調を統一したい傾向があるので、空の青にもいくぶん緑を含ませている。

緑に対する補色として赤系統の肌色と木肌。

 

赤と緑という組み合わせはお互いを引き立てあう補色の関係。

これを描いている時、まだつかみ切れていないけど紛れもなく僕のスタイルになると直感した。

 

大地に生える生命体をアイコンとして自然と共に描かれる幻想ヴィジョン。

 

さて、では大地より生える生命体の形をいかにして決めたのかについて書いていこう。

 

 

ドローイングをもとにして制作する


img_1984

 

実は今回の絵を描くきっかけになったドローイングがこれ。

 

絵を描くとき別紙に完成図のラフ画を描くことが多い。

その中から良さそうなのを選び、油彩などで描いていく。

 

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僕は常にスケッチブックを携帯しており、暇さえあるとこういうドローイングを描く。

 

これらは一番簡単で率直な自己表現である。

その時の感覚を、生命体のアイコンを使って描きとめておくのだ。

 

悲しければ悲しいタッチで、喜ばしい時は喜び一杯の生命体を描く。

スケッチブックを携帯しておき、その時々の感覚を絵で描きとめる習慣は自己表現力を鍛える練習になる。

 

その中から気に入った一枚を見つけて制作に入る。

 

img_1986

 

油絵というのはテレピンやぺトロールという揮発性(液体が気体化する)のある油で絵の具を薄く溶いて下塗りをする。

これをすることで上に置く絵具の吸着度が増す。

 

ここから徐々に乾性油という油を混ぜていき絵の具を置いて行く。

 

 

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乾性油とは絵具をそのまま凝固させる働きのある油。

空気中で酸化して徐々に固まってゆく。

 

油絵は乾くのに時間がかかるので何度も絵の具を塗り重ねていく。

 

僕は一つの絵にあまり時間をかけすぎないようにしている。

それよりはたくさん描く中で、テーマや表現法を探り、より良い描き方を見つけていく。

今回の絵もとっかかりの一枚であり、これから様々な形に展開していきたいと思っている。

 

 

まとめ


 

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絵を描く人にとって大切な自分のスタイルを築きこと。

 

僕は以下のような方法でスタイルを絞り込んでいった。

 

・根源的テーマである「幻想と自然」を描いた

・対象を出来る限りシンプルに表現した

・ドローイングで描いている生命体をアイコンとして使い、分かりやすいモチーフとした

・対象をぼかし、奇妙な生命体を描き、舞台を自然とすることでテーマを表現した。

 

ただスタイルを持つというと漠然とし過ぎてしまう。

 

そこで自分が絵を描くときのこだわりは何なのかと考えて見る。

自分の持ついくつかの要素を掛け合わせていくと自分らしいものが出来るのだ。

 

一度スタイルを築いたら、何度も何度もその手法で描こう。

あれもこれもと手を広げるより、一つ絶対的にあなたらしい作風を見つてそれを描き続ける。

 

これがあなたというブランドを作る第一歩である。

 

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