筆者は2010年ころ、芥川龍之介の小説「羅生門」を漫画で描きました。
漫画「羅生門」の主人公として登場するのが、バカオです。
小説「羅生門」の主人公といえば、職を失い飢えに苦しむ下人。
そんな下人役をバカオが担当して、漫画「羅生門」を描いたのです。
ではなぜ粕川は、羅生門を漫画で描いたのか?
そこには下人の心情に共感する、筆者の思いがありました!
ここでは漫画アート芸術家粕川が2010年ころに、漫画「羅生門」を描いた理由と、当時の人生遍歴に迫ります!
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羅生門とは?
「羅生門」は芥川龍之介が「今昔物語集」を素材に書いた短編小説で、1915年に「帝国大学」という雑誌に掲載されました。
羅生門というと学校の教科書にのっていたり、黒澤明監督が映画化したことでも有名ですね。
朱雀大路(すざくおおじ)という場所にある、平安京の正門のことを羅城門と呼びます。
この羅城門が、小説「羅生門」の題名の元ネタとなっています。
「羅生門」は無名時代の芥川龍之介が23歳のときに、発表した小説です。
羅生門を発表した当時、芥川龍之介は東京帝国大学英文科の2年生でした。
1950年には黒澤明監督が「羅生門」を映画化しており、ヴェネツィア国際映画賞金獅子賞やアカデミー賞名誉賞(今のゴールデングラブ賞外国語映画賞)を獲得しています。
黒澤明監督の映画「羅生門」は、芥川龍之介の「藪の中」や「羅生門」を素材にして作られました。
羅生門のあらすじ概要
羅生門の舞台は平安時代の京都。
雨が降るなか、羅生門の下に一人の下人がいます。
このころの京都は、すさんだ状況でした。
火事が起きたり、飢饉や地震のために、人々は不安に駆られていたのです。
人々は生きていくために手段を選びませんでした。
例えばヘビの死骸を魚の干し物とウソをついて、販売する女がいます。
また仏像や仏具を破壊して、金箔などを売ってお金にする者まで現れます。
そんな状況のなかで羅生門は、人間の死体置き場になっていきました。
羅生門はカラスが人間の死体を食い散らかす、不気味な場所となっていたのです。
羅生門の下で雨が止むのを待つ下人は、盗人になるかどうかで迷っていました。
下人には、盗みを働く勇気がなかったのです。
あまりの寒さのため、羅生門の楼に上がる下人。
そこには、人の死体から髪の毛を抜く老婆がいました…
なぜ羅生門を漫画で描いたのか?
筆者が「羅生門」を漫画で描いた理由は、この作品が好きだからです。
筆者は18歳で本を読み始めてから、古今東西の文学を読みだすようになりました。
なかでも芥川龍之介は好きな作家で、「河童」には特に感銘を受けました!
羅生門は、とても短い小説です。
内容は緊迫感に満ち、下人の心境の変化が劇的に描かれます。
登場人物は、下人と老婆。
職を失った下人が盗人になるかどうかで葛藤し、最終的に盗みを犯す物語です。
初め下人は盗みをする勇気がないのですが、老婆の行動を見て、考えが変わります。
下人の心の葛藤と気持ちの変化が最大の見どころであり、深いメッセージ性があります。
そんな羅生門が、昔から好きでした。
同時に、筆者は羅生門の下人に共感していたのです。
羅生門で下人は職を失っており、危機的な経済状況にあります。
2010年ころの筆者は、下人と同じような状況にありました。
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なぜ下人に共感したのか?
筆者は漫画「羅生門」を描いたころ、経済的なピンチを体験していました。
筆者の20代は、いつでも金銭的にあやうい状態だったのです。
なぜなら就職をせず、あまりアルバイトへも行かず、本を読んだり創作に没頭していたから。
働くくらいなら、絵を描いていたい。
そういう人間でした。
だから日常的に金欠状態。
そんな状況だから、羅生門に登場する下人に共感したのです。
筆者は、羅生門の下人を通して自分を描きたいと思いました。
そのときに、思いついたのです。
「羅生門」を漫画で描こう!と。
バカオが下人役の漫画「羅生門」
漫画「羅生門」では、バカオが下人役を担当します。
筆者はキャラクターを役者と捉えています。
役者が役を演じるように、キャラクターも作品ごとに異なる役柄を演じるのです。
バカオは本来ナンセンスユーモア漫画の主人公なので、シリアス路線の漫画「羅生門」では意外な役柄を演じました。
筆者は「羅生門」に空想を加えて、漫画を描きました。
さて、筆者の空想は漫画「羅生門」のどこら辺で使われているのか?
バカオ「下人に共感して、下人を通して自分自身を描きたかったから、漫画で羅生門を描いたんだな!」
そうなのです!
筆者は下人に自分を投影させて、漫画「羅生門」を描いたのです!
漫画「羅生門」は、下人を通しての自己表現だったのです!
職がなく、経済的にもきびしく、先行きが不安という下人の心境は、当時の筆者そのものでした。
そんな下人に自分を重ねて描いた漫画「羅生門」。
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