あなたは、自分の表現テーマについて考えたことがあるだろうか?
絵画でも漫画でも小説でも、あなたが何を作っているかは問題ではない。
何を生み出す人であれ、自分だけの表現テーマは、持っておく必要がある。
自分の表現テーマを知ることで、どんな作品を今後生み出していけばよいかが分かるのだ。
表現テーマという根幹があると、創作する時に迷いがなくなる。
そして、表現テーマを掘り下げることで、表現の幅が広がる。
もしあなたに表現テーマがないとすれば、どうやって見つけたらいいのか?
その答えは、あなたの身近なところに存在している。
あなたが創作を行うために必要な表現テーマの見つけ方を、筆者の体験を通して、解説していこうと思う。
Contents
表現テーマを見つけるには好きなものを明確にする
自分の表現テーマを見つけたい人はまず好きなもの、興味のあるものは何かに思いを向けよう。
あなたを好きにさせる、興味を持たせる対象は、それだけパワーがある存在だ。
表現テーマを見つけるときのヒントは、好きなものの中にある。
好きなものに対してなら、やる気が湧く。
好きなものを明確にして、そこから表現テーマを探っていくのだ!
僕にも、明確な表現テーマがある。
「幻想と自然」や「ナンセンス」。
これは筆者が漫画アートを作るときの、表現テーマである。
好きなことだから、そこに興味がわく。
好きなものだから、それを強烈に表現したくなる。
表現テーマの根幹には、あなたの「好き」が必要なのだ!
なぜ「幻想と自然」を表現テーマにしたのか?
ここではなぜ筆者が「幻想と自然」という表現テーマを定めたのか?その理由を解説してみよう。
表現テーマを決める時の例として、参考にしてほしい。
粕川にとって、「幻想」という概念は創造意欲を強く刺激する。
そこに自然が交わったとき、何らかの漫画アートとなる。
「幻想」という言葉を聞いて、あなたはどんなものをイメージするだろうか?
人それぞれ幻想のイメージも違うと思う。
以下より僕が見ている幻想世界を、絵でご紹介させていただこう。
表現テーマは夢のように淡く不思議でナンセンスな世界
これは筆者が20代中ごろに、アクリル絵の具を使って描いた絵。
ルイス・キャロル原作「不思議の国のアリス(Alice's Adventures in Wonderland)」で使われた挿絵「アリスの食事会」の場面をもとに描いた絵である。
筆者が考える「幻想」というのは、「不思議の国のアリス」のような世界観だ。
幻想ときくと「ファイナルファンタジー」や今はやりのファンタスティックなアニメなどを連想される人がいるかもしれない。
でも、そういう作品ではないのだ。
ムーミンやピーターラビット、世界の童話のような世界観。
これこそ、ぼくが感じる幻想なのだ!
僕は英語が好きなので「不思議の国のアリス」は、原文で何度も読んだ。
「不思議の国のアリス」はナンセンスと幻想が合体した小説だ。
ときには腹を抱えて笑える、面白い場面もある。
ディズニーの映画でも「ふしぎの国のアリス」がある。
ぼくはウォルト・ディズニーのアニメが好きだ。
しかしルイス・キャロルの書いた原作の世界観にこそ、真の幻想があると感じている。
筆者は不思議の国のアリスのように、「子供」っぽい世界観が好きなのだ!
表現テーマを見つけるときは、好きなものを取り入れるのが大前提。
筆者は子供のような感性を持っており、子供らしい純粋無垢な表現に憧れる。
子供のように純粋な創作をしたいし、そのような心を生涯持ちたいと思っている。
だから自身の漫画アートでも、子供っぽい要素を取り入れるのだ。
絵柄やキャラクター、物語などのなかに、好きな表現テーマを取り込んでいくのだ。
あなたが作るべき世界観は、好きなことの中にヒントが隠れている。
好きな作品をみつけたら、それのどこが好きなのかと考えてみよう。
好きな作品のなかにある、好きな要素を分解して、自作に取り入れていくのだ。
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好きな作品をリストアップすると表現テーマが見えてくる
あなたが好きな作品をリストアップしよう。
好きなものをリストアップすることで、自分が好きなものの性質が分かってくるだろう。
好きなものには、何らかの共通点がある。
好きなものに共通するものを見極めて、吸収するのだ!
筆者はくまのプーさんの世界観がとても好きなので、それを元にして描いたイラストがある。
上のイラストはパソコンのお絵かきソフトで描いたもの。
以下は、上に描いたイラストの下描きバージョンである。
筆者はこのように好きな作品の模写をすることで、自分のなかに好きな作品が持つ要素を吸収するようにしていた。
好きな作品をパクッて、自作で使おうというのではない。
好きな作品が持つ雰囲気というか、空気感を吸収するのだ。
こうすることで自分の表現テーマが見つかるだけでなく、創作の進化にもつながるだろう。
あなたが好きなものは何なのか?
これが表現テーマの答えを握っているのだ!
あなたの根源的な表現テーマを探すために「好きな作品」をリストアップしよう。
好きな作品をランダムに書き出した後で、その中から共通する項目を見つけてみる。
たくさんあるものから抽出された共通項は、あなたの表現テーマである可能性が高い。
作品を好きになるときのフックが分かれば、それがあなたの表現テーマにつながる。
好きな作品を深く探求することで、あなたのカラーが明確になる。
例えば僕の人生で最も素晴らしい作品に位置づけられるものを挙げてみよう。
●ピーターラビット
●不思議の国のアリス
●ムーミン
●クマのプーさん
●大草原の小さな家
●アボンリーへの道
●グリム童話
●アンデルセン童話
●イソップ物語
●日本昔話
●仮面ライダーやウルトラマンシリーズ
本当ならまだまだいっぱいあるが、ここまでにしておこう。
上にあげた好きな作品に共通するものはというと~
●不思議な幻想性がある
●子供を対象にしている
●動物や樹木などがキャラクター化されている
●自然を舞台としたものが多い
●シンプルな内容だが、その中に深いメッセージ性、哲学を含んでいる
これらはまさに僕が目指す表現テーマであり、いつ触れても心から感動するもの。
このような素晴らしい作品を生み出したい。
だから創作を行うのだ!
これら要素を自作で生かしたいと思ったから、「幻想と自然」という表現テーマを定めたのだ。
あなたが好きだ!と思える事を創作のテーマにすると、やる気が湧いてくるに違いない。
好きなものの諸要素を吸収すれば、自作に好感をもてるだろう。
作品を作るのが楽しくなるだろう。
だからまずは好きな作品をリストアップして、その共通項を探ってみよう!
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あなたの心を揺さぶるものは何か?
あなたの心を強烈にフックする、好きな作品はあるだろうか?
もしあるなら、それを徹底的に研究しよう。
●なぜ、それが好きなのか?
●作品の時代背景や作者が表現したかったことは何か?
●どこに面白さのポイントがあるのか?
ドラマや映画が好きなら、何回も観て研究しよう。
構図、セリフ、背景、キャラクターなど、胸を打つ点を探ってメモしておくといい。
好きな作品の「何が素晴らしいか?」を研究し、抽出する。
好きな作品の根源的な要素を、自作に取り入れるのだ。
例えば筆者なら、子供っぽい幻想世界が表現テーマだった。
だから筆者は漫画アートで描くキャラクターを子供っぽく描いたり、幻想的なエピソードを多めに描いたりということをしてきた。
上のイラストのように、どことなくメルヘンっぽい(筆者はそう思っている)世界観の漫画アートを描くようにしてきた。
好きを突き詰めることで、好きを構成する要素をあぶりだす。
好きな要素を自分の世界観に混ぜ合わせたとき、創作の化学反応が起こるのだ!
混ぜ合わせる好きな作品が多くなるほど、激しい化学反応が起こるだろう。
そこに、あなたのオリジナリティをたらしてみる。
こうすることで、自分だけの表現テーマは見つかるのだ!
表現テーマは、あなたが表現を行う際の羅針盤となる。
何を描けばよいか迷った時、表現テーマがあなたを導く灯となる。
大好きなものに一歩でも近づきたいと思うから、前進する力が生まれる。
好きは、あなたにとって最強の武器なのだ!
好きを徹底解明して、あなたの表現テーマとするのだ!
以下の記事では、漫画におけるテーマの決め方を解説しているので、興味のある人はぜひ読んでみてほしい♪