イナズマンという作品がある。
仮面ライダーや人造人間キカイダーを生み出した、石ノ森章太郎氏原作の子供向け特撮テレビ番組だ。
僕はイナズマンのDVDをすべて観る機会があり、見事にハマってしまった!
イナズマンはもう数十年前に放映された作品なのに、少年の心を熱くさせる爆発的魅力があると感想を述べよう!
僕の心は、永遠の少年である。
少年だからこそ、尽きることのない夢を、イナズマンに感じたのだ!
ぼくはイナズマンを観て、少年の夢に火がついた!
あまりにもかっこいいイナズマンの姿に、感銘を受けてしまったのである!
大人になると多くの人は頭が固くなり、想像力を羽ばたかせるのが難しくなる。
漫画を描くのに必要なのは、頭の柔らかさだ。
頭の柔らかさは、少年のような無邪気な心に立ち返ることで生まれる。
だから僕は子供のときめきを思い出すために、今でも特撮ヒーローやアニメを観ているのだ!
この記事ではイナズマンの面白さ、魅力について、筆者の正直な感想を書こう。
イナズマンという大傑作が、どうしていまいち人気が出なかったのかも考察している。
イナズマンが大好きな人、興味がある人は是非読んでいって欲しい!
Contents
イナズマンとは?
イナズマンとは、石ノ森章太郎原作の特撮ヒーローテレビ番組。
イナズマンは1973年10月2日から1974年3月26日にかけて、火曜日の夜7:30~8:00にかけて放送されていた。
1973年は、仮面ライダーV3が大ヒットを飛ばしていたころだ。
イナズマンが放送されていた時期、ウルトラシリーズではウルトラマンタロウが放送されていた。
1973年頃はオカルトブームがあったので、イナズマンも流れに乗って超能力の設定が取り入れられた。
主人公の渡五郎(わたりごろう)が超能力者で、主人公の仲間の少年同盟は超能力を持つミュータントの少年少女で構成されている。
これは1973年当時の、オカルトブームが原因でついた設定だったのだ。
イナズマンが放送されていた時代背景をみると、なぜこの作品にエスパーの要素が入っているかが分かる。
イナズマンの新機軸
イナズマンを観ていると、制作側の新しい挑戦がうかがえる。
例えば主人公の渡五郎は「チョウリキショウライ!(超力招来)」と変身の掛け声をかけると、まずは「サナギマン」に変身する。
いきなり、イナズマンになるのではない。
まずはサナギマンという、ちょっと気持ち悪いデザインの昆虫のようなヒーローに変身する。
少し戦闘員のようなザコ敵と戦った後、二段目の変身でイナズマンになるのだ。
これは、特撮変身ヒーロー作品において新しい要素だった。
なぜならキカイダーも仮面ライダーも、1回の変身しかしなかったから。
イナズマンの二段変身の由来は、サナギから蝶々へ孵化するイメージがきっかけとしてあったという。
イナズマンはスカイブルーにレモンイエローの派手な色合いで、やや仮面ライダーストロンガーに似た頭のデザインになっている。
このイナズマンのデザインが、どこから来たかというと…
蝶々だった!
蝶々が、イナズマンのデザインに関係していたようだ。
当時大ブームだった超能力と蝶を掛け合わせた言葉遊びから、イナズマンのアイデアが生まれたと言われている。
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イナズマンの魅力!
ここからイナズマンの面白さや感想、魅力について書いていこう。
イナズマンには、かっこいい魅力がたくさんあるのだ!
1:主人公の渡五郎が実は…
僕はイナズマンの第1話を始めて観た時、どうも主人公の顔に見覚えがあるなと思った。
イナズマンの主人公の渡五郎は、人造人間キカイダーで主役を務めていた伴大介氏だったのだ!
伴大介氏がイナズマンの主役を演じていたことが分かり、ぼくはとてもうれしかったと感想を書こう。
なぜならぼくは、人造人間キカイダーがめちゃめちゃ好きだからだ!
人造人間キカイダーでは伴大介氏演じるジローが、ギターを弾きながら登場する。
そしてジローはギターを抱えながら大ジャンプをして敵の前にあらわれる。
なんとかっこいい登場の仕方だろうか?
伴大介氏は髪の毛がもさもさして、眉毛が太くて、男らしい顔をしたカッコいい渡五郎を演じている。
イナズマンでは、仮面ライダー1号で少年仮面ライダー隊にいたミツル少年(山田芳一氏)が、カツミという少年役で登場する。
僕はカツミ少年の顔を見るたびに、本郷猛の声で「ミツル、大丈夫か!」という声が聞こえてくるのだ!(笑)
とにかくぼくはキカイダーのジローを演じた伴大介氏が、イナズマンの渡五郎を演じていたことが、うれしかった!
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2:坊主頭のひげ面学生?
イナズマンの面白い魅力の一つに、丸目豪作(まるめごうさく)というキャラクターがいる。
丸目豪作はつるつるのハゲ頭で、あごひげを生やし、学ランを着て学校に通っている。
丸目豪作の、この外見をみたただけで面白い!
しかしよく顔を見ると、丸目豪作の役者はイケメンだという感想をぼくは感じた。
石ノ森章太郎原作の特撮ヒーロー作品には、よく三枚目キャラクターが登場する。
三枚目キャラクターとは、面白い役柄を演じるギャグキャラクターのこと。
人造人間キカイダーでも、眼鏡をかけた探偵の面白いキャラクターがいた。
しかしイナズマンの三枚目は、見た目の迫力が違う!
ハゲ!ひげ!学ラン!学校通ってる!
この四点セットは、面白さの極みである!
そのキャラクターこそ、丸目豪作なのだ!
丸目豪作はことあるごとに出てきては、笑いを取るおバカな行動をする。
僕は丸目豪作をみて、漫画には必ず一人はボケをかますキャラクターが必要なんだと感想を持った。
ちなみに丸目豪作は金に縁がないらしく、引越しの手伝いや港で肉体労働をして稼いでいる。
ぼくはこの丸目豪作の貧しい境遇に、なぜか妙な共感を感じていた。
あなたもイナズマンを観る機会があったら、丸目豪作は要チェックだぞ!
少年同盟の面白さ!
イナズマンには少年同盟という、子供の仲間たちが存在する。
ウルトラマンでいう「科学特捜隊」、仮面ライダーでいう「少年仮面ライダー隊」に当たるものだ。
少年同盟とは、イナズマンと一緒に敵と戦う同志的な子供たちの集団。
イナズマンで新機軸だったのは、共に戦う同志の仲間が「子供」だったことにある!
仮面ライダーの少年仮面ライダー隊は子供だが、実際にショッカーと戦うのは滝和也や立花のおやっさんだった。
しかしイナズマンでは、子供たちが少年同盟と称して、悪の組織と戦う!
この設定は、特撮ヒーローものでは新しい挑戦だった。
僕は初めてイナズマンを観た時、子供が基地にいて真面目に日本の平和を議論している姿が、とても面白く感じた。
「なぜ凶悪な組織と戦う集団が子供なの?」というツッコミを入れたかったけど、我慢した。
少年同盟では、敵と戦って命を失うかもしれない危険な任務に、子供がついているのだ。
イナズマンはターゲット視聴者が子供だから仕方ないとはいえ、とても面白い映像に見えた。
そして愉快なのが、少年同盟の衣装デザインだ!
まるで初代ウルトラマンの科学特捜隊員を思わせるような明るいオレンジのスーツで、頭にかぶる丸いヘルメットが、僕からすると最高に面白かった!
挙句の果てには主人公の渡五郎も少年同盟の一員となり、奇妙な黒いスーツとヘルメットをかぶり出す!
このヘルメットのデザインが、異様に子供っぽくて、笑いのツボにはまるのだ!
僕はイナズマンのデザインのわざとらしい子供っぽさが、とても気に入ったと感想で書こう!
下手に大人っぽくカッコつけるより、笑えるくらい無邪気な子供っぽさに感銘を受けたのだ!
もし少年同盟のような子供がいま外にいたら、目立ちまくりだろう!
しかしぼくは、少年同盟のコスチュームを着て、ヘルメットをかぶりたいとまじめに思った!
イナズマンの世界観があまりにすばらしかったから、少年同盟になりきりたいという感想をもったのだ!
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イナズマンのopがメチャカッコいい!
石ノ森章太郎原作の特撮ヒーローもののopは、どれもカッコいい!
仮面ライダー、人造人間キカイダー、ゴレンジャー…中でもイナズマンのopは、テンション全開で子供のハートを熱くさせる!
イナズマンのopを歌うのは、仮面ライダーのopでもおなじみの子門真人氏。
イナズマンのopでは子門氏のおたけびのようなシャウトから入り、曲の合間に「イェー!」「レッツゴー!」「イナズマン!」の声が、最高にカッコ良くて感動する!
opの冒頭で立っているイナズマンの目から、ビームが出てタイトルを作る映像にも、しびれた!
僕はイナズマンのopを聴いていると、ムクムク創作意欲が湧いてくる。
イナズマンのopで面白いシーンとは?
イナズマンのopでとても面白い部分がある。
巨大なビルにヒビが入り倒れそうになるのだが、イナズマンの出したマフラーが長く伸びてビルに巻きつき、綱引きの様に引っ張るとビルが元に戻る。
僕の感覚からすると、このシーンはギャグであり、とても面白いという感想をもった(笑)
投げたマフラーで、倒れそうになるビルを元に戻すなんて!
ファンタスティック!
僕はアニメや特撮のopを聴きながら、自分の漫画だったらどのようにop映像を入れるかな?なんてことを考える。
これは漫画を描くために必要なイマジネーションを鍛えてくれるので、おすすめである。
とにかく、イナズマンのopはカッコいい!
ぼくはイナズマンのOPを聴くだけで、感動が体中を流れ、強烈な創作意欲に満たされるのだ!
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イナズマンが攻撃する時の掛け声は?
イナズマンが敵を攻撃する時の掛け声がある。
仮面ライダーなら「とう!」。
ウルトラマンなら「シュワッ」。
では、イナズマンは?…
「チェス!」というのだ!
チェス?どういう意味?
と僕は思った。
「チェス、チェス、チェス」というイナズマンの声をよく聴くと、語尾に「トッ」が聞こえる。
つまりイナズマンは、攻撃する時に「チェスト!」と言っているのだ。
チェストとは何かな~と考えてたら、思い当たる節があった。
それは「チェスットー!」という武道家が使うかけ声だ。
格闘ゲーム「餓狼伝説」のテコンドー使いキム・カッファンが、「チェストー」と言いながらかかと落としをする。
イナズマンの「チェスト」は、武道家が使うかけ声のことを指しているのでは?と思った。
「チェスト―」というかけ声は、特撮ヒーローにしては意外性があると思う。
それまで「とう!」が一般的だったのに、「チェスト」という言葉を攻撃時に使うのだから。
イナズマンで実験的なことをしようとしていた、制作側の気持ちがうかがわれるかけ声である。
イナズマンの評価は?
イナズマンが放送されていた当時、仮面ライダーV3が流行っていたことは上で書いた。
しかし初代仮面ライダーで火が付いた変身ブームは1973年頃には、だいぶ落ち目に来ていた。
どうやら同時期に放送されていた巨大ロボットアニメのマジンガーZなどの方に、子供の関心が移ってしまったらしい。
だからイナズマンは仮面ライダーV3ほど人気はなかったし、視聴率はだんだん低迷する。
そんな状況の中で1974年にはオイルショックの影響で物価が高騰し、イナズマンの製作会社も経済的な打撃を受ける。
これが原因でイナズマンは第26話から、番組がリニューアルすることになる。
タイトルから敵、出演キャストを全て変えて「イナズマンF」という新番組が始まることになったのだ!
なのでイナズマンは、第25話という短さで終了することになった。
物語は、イナズマンFに引き継がれて…
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イナズマンが人気が出なかった理由を考察
イナズマンには数々の新機軸があった。
新しいことに挑戦したイナズマンは、素晴らしい思う。
例えば子供が敵と戦う組織の少年同盟や、サナギマンからイナズマンへの二段変身、「チェスト」のかけ声などの点で、イナズマンは新しかった!
しかし視聴率はそれほど伸びず、わずか25話で終わりを迎えた。
視聴者に、制作側の新機軸の打ち出しが響かなかったのだろう。
僕はイナズマンが今一つ人気が出なかった要因に、二段変身の中途半端さがあるように感じた。
初めに変身するサナギマンの魅力がイマイチつかみづらく、デザイン的に気持ち悪いという弱点がある。
サナギマンは戦闘員のザコ敵と戦い、本怪人に対してはイナズマンになることが多かった。
サナギマンの存在意義をもっと押し出すか、サナギマンはやめていきなりイナズマンに変身した方が、子供に分かりやすかったのでは?という感想がぼくにはある。
また後年石ノ森章太郎氏は、イナズマンの制作は「早すぎた」とコメントしている。
石ノ森氏は、1973年当時の特撮技術では「超能力」を表現するにはまだ未熟だったということを語っている。
僕もイナズマンを観ていて、「超能力でも改造人間の怪力でもどっちでも良くね?」という思いを感じた。
超能力の特徴を活かしきれなかった点は、イナズマンに人気の爆発が起こらなかった原因の一つだろう。
イナズマンの素晴らしい魅力と感想の最後に
僕はここまでイナズマンの魅力や感想について、いろいろ書いてきた。
ときにはイナズマンを卑下するようなことも書いたが、はっきり言おう。
ぼくは、イナズマンが大好きだ!
「イナズマンの世界観にある無邪気な子供っぽさ」が、とにかくすばらしいのだ!
イナズマンの子供っぽさの象徴は、少年同盟がかぶるあのヘルメットにある!(笑)
僕は少年同盟のヘルメットをみた瞬間、「この作品好きだ!」と感想をもらした。
そして案の定、イナズマンは最高に面白い作品だった!
僕はこれら仮面ライダーやウルトラマン、イナズマンのような作品に大きな影響を受け、その感動を漫画アートで描いているのだ。
僕の作品の裏には、イナズマンや仮面ライダーの、ぬぐいがたい影響がある!
イナズマンは、少年の心を持った大人を魅了する作品だ。
どれだけ時がたっても、変わらないものがある。
それは、少年の純真な心だ!
大人になっても子供の心を忘れない人にだけ、僕はイナズマンをおススメする。
きっとイナズマンを観ることで、懐かしい少年の日の思い出がよみがえるだろう。
イナズマンを見る時は、子供になった気持ちで観てほしい。
何の汚れもない純粋無垢な少年の心でイナズマンを見る時、イナズマンは偉大な作品に変化するのだ!