どうも、漫画アート芸術家の粕川(@artkasukawa)です!
本日は「漫画のベタ塗りのコツ」について解説していきます。
漫画を描こうとしている人は、ベタ塗りという言葉を聞いたことがあると思います。
ベタとは以下の画像の黒く塗られた部分のことをいいます。
ベタ塗りをするときは、ベタがコマや絵にはみ出さにように塗るコツがあります。
手描きの漫画制作で使うことになるベタ塗りや、ベタ塗り方のコツについて解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
ベタ塗りとは?
ベタ塗りとは、漫画制作の時に指定された場所を黒く塗りつぶすことです。
雑誌に掲載されるような漫画は主に白、黒、グレーで描かれますので、ベタを入れると影や心理効果などが表現できます。
漫画制作中、ベタ塗りをしていない原稿はスカスカな印象を受けます。
しかしベタ塗りをすることで画面が引き締まり、原稿を引き立たせてくれます。
ベタの名前の由来って何なの?
指定された箇所を黒くベタっと塗りつぶす所から、手塚治虫氏の担当編集者さんが「ベタ」と命名したそうです。
どんな道具でベタ塗をする?
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漫画の原稿用紙に黒く塗れるのであれば筆、サインペン、筆ペン、コピックライナー、つけペンなど、何を使っても大丈夫。
ただしボールペンでベタ塗りをするのはやめましょう。
ボールペンは、印刷したときに黒の発色が出づらいのです。
またホワイトとの組み合わせを考えて、ベタ塗りするときは水性顔料の黒が良いかもしれません。
漫画のベタ塗りの種類
漫画のベタ塗りにも、いくつか種類があります。
以下より漫画のベタ塗りの種類をみていきましょう。
漫画のベタ塗りの種類1:ベタフラッシュ
ベタフラッシュは光がパッと広がるような効果を、集中線とベタ塗りを使って表現する方法。
輝くような印象が描ける、ベタ塗りです。
漫画のベタ塗りの種類2:つやベタ
つやベタとは髪の毛のツヤが出て光っている部分や、黒い物体のテカリなどを描くベタ塗りのことです。
つやベタは、線とベタ塗りを併用して描きます。
漫画のベタ塗りの種類3:全面ベタ塗り
全面ベタ塗りは、指定された部分を全てベタで塗りつぶすこと。
全面ベタ塗りをすることで、以下のような効果も得られます。
●時間が止まったような感覚
●周りの存在と隔絶された心理状態
また単に黒く塗りつぶしたい場所で使えるのが、全面ベタ塗りです。
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漫画のベタ塗りのコツ
ペン入れが終了し、下描きの線を消した後にベタ塗りを行います。
ぼくは漫画製作工程でペン入れをしている時、一緒にベタ塗りをすることがあります。
ベタ塗りで塗った黒は、消しゴムをかけると薄くなることがあるので、できれば消しゴムかけが終了してから塗った方が良いでしょう。
どのタイミングでベタ塗りをするかは、実際に制作をする中で最適な場所を判断しましょう。
アシスタントのいる漫画家の場合、漫画家がペン入れを行い、アシスタントがベタを塗る分業体制になることがあります。
ベタ塗りは例えると「塗り絵」のようなもので、指定された箇所を正確に塗れれば誰が描いても分かりません。
現在では漫画制作ソフトを使用する人も多いので、クリック一つでベタ塗りが出来てしまいます。
ここではアナログ(手描き)による漫画のベタ塗りのコツを解説します。
漫画のベタ塗りをするコツ1:印をいれる
まずは漫画のなかで、ベタ塗りをする部分に印を入れておきます。
ベタ塗りをする部分には、上の画像のように×印を入れます。
どこにベタ塗りをするかが分かれば、どんな印でも大丈夫です。
漫画のベタ塗りをするコツ2:必要な道具
漫画のベタ塗りは、以下の道具があれば塗れます。
●筆ペン
●つけペン
●筆
●墨か黒インク
漫画の広い範囲をベタ塗りするときは、筆を使うとはやく塗れます。
狭い範囲をベタ塗りするときは、つけペンや筆ペンが良いですね。
細かい所をベタ塗りするために、先の太くなったGペンを用意しておくと便利です。
先の太くなったGペンは、細かい部分をベタ塗りするときに重宝します。
Gペンは、先が広がるとけっこう太い範囲を塗れるのです。
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漫画のベタ塗りをするコツ3:予備の線でなぞる
漫画のベタ塗りをするときは、絵からベタがはみ出さないように気を付けましょう。
特にコマの枠線やキャラの主線付近をベタ塗りするときは、ちょっとした油断ではみ出てしまうことがあります。
慣れないうちは、ベタ塗りをする前に予備の線でコマ枠をなぞりましょう。
こうすることで、ベタ塗りがしやすくなります。
予備の線でコマ枠をなぞれば、コマ枠からベタがはみ出すのをふせげるのです。
角の部分がはみ出しやすいので、角部分を軽く塗ることで、ベタ塗りがしやすくなります。
髪の毛の先端やまつ毛などの細い部分は、つけペンやミリペンを使うとベタ塗りがしやすいです。
女性のまつげをベタ塗りするときは、丸ペンなどを使うとベタ塗りがしやすくなります。
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漫画のベタ塗りをするコツ4:キャラの主線付近をベタ塗りする
キャラクターと接する部分をベタ塗りするときも、ベタがキャラにかぶらないように気をつけましょう。
コツはキャラとベタ塗りの間に少しだけ感覚をあけて、塗ることです。
キャラとベタの間に少し間隔をあけることで、ベタの黒からキャラクターが浮き立って見えるようになります。
髪の毛が黒の場合、ベタを塗りをすると髪の毛と混ざり、境界線が分からなくなります。
髪の毛の黒とベタの黒を区別するためにも、キャラとベタの間に少し間をあけて塗りましょう。
また漫画のベタ塗りのコツで、コマの四隅とコマ線付近を予備の線でなぞっておきましょう。
こうすることで、あとは予備で引いた線の内側を塗るだけになります。
最後に一気にベタで塗りつぶします。
漫画のベタ塗りをするコツ5:ベタ塗りのムラができたら
漫画のベタ塗りをしていると、同じ黒でもムラが出ることがあります。
これは墨の量が少なくて、ベタ塗りするときにかすれることで起こります。
ベタ塗りのムラができたら、もう一度十分な量の墨でベタ塗りをしてください。
漫画のベタ塗りのコツの最後に
漫画のベタ塗りは手描きで漫画制作をするとき、必ずといっていいほど登場します。
ベタ塗りは指定された部分をベタで塗りつぶす行為ですが、はみ出さないように気を付ける必要があります。
コツは細かい部分やキワの部分をていねいにベタ塗りすることで、きれいに作業が進みます。
ベタ塗りをした後に消しゴムをかけると、せっかく塗った黒が薄くなってしまうことがあります。
そのためベタ塗りは、下描きの線を消しゴムで消した後にかけるようにしましょう。
漫画のベタ塗りのコツは、塗り絵をするような感覚があります。
作業を重ねることで上達するので、今記事を参考にどんどんベタ塗りの練習をしてみましょう!
それでは!