どうも、漫画アート芸術家の粕川です@artkasukawa!
漫画の原稿用紙の使い方やサイズって分かりづらいよ~
こんな方のために、この記事では「漫画原稿用紙の使い方」について解説していきます。
僕は漫画専用原稿用紙を初めて見た時、紙に印刷されている水色の線が何を表わしているのか分かりませんでした。
なんちゃら線とか覚えづらい名前がついていて、漫画原稿用紙の使い方を理解するのにだいぶかかりました。
漫画を投稿したり賞に出す時などに、漫画原稿用紙の使い方を知っておく必要があります。
原稿用紙の使い方が分かれば、漫画を描く時に役立つでしょう。
長年アナログで漫画制作を経験してきた筆者が、漫画原稿用紙の使い方や各部の名称、サイズについて解説していきますので、どうぞ最後までご覧ください。
Contents
漫画の原稿用紙について
漫画専用原稿用紙には、漫画を描くために必要な線や幅などが印刷されています。
漫画は専用原稿用紙でなく、ケント紙や画用紙でも描けます。
しかし漫画専用原稿用紙だとタチキリ線や内枠などが分かるので、コマ割りなどがしやすいです。
また漫画専用原稿用紙は表面がさらさらしてるので、スムーズに絵が描けます。
とくにつけペンで絵を描く人は、ペンの滑りが良くなるので、描き心地が良いですね。
漫画を印刷/裁断するときも、漫画原稿用紙なら裁断する箇所が印刷されているので、印刷所の人が分かりやすくなっています。
ケント紙でも漫画は描けますが、タチキリ線などの位置を自分ではからねばならないため、専用の原稿用紙を買った方が効率的です。
漫画原稿用のサイズ
漫画原稿用紙には、以下2種類のサイズがあります。
●投稿用漫画原稿用紙のサイズ(プロが使用するサイズ)=B4⇒仕上がり線310㎜×220㎜/内枠270㎜×180㎜
●同人誌用漫画原稿用紙のサイズ=B5⇒仕上がり線257㎜×182㎜/内枠220㎜×150㎜
同人誌用の漫画原稿用紙は、プロが使う原稿用紙より小さくなっています。
漫画原稿用紙には、二つの厚さがあります。
●135Kg⇒厚みのある漫画原稿用紙。筆圧が強い人に向いた頑丈な紙
●110Kg⇒薄めな漫画原稿用紙。筆圧が弱かったり、トレース台を使う人はこちらがおすすめ
Kgとは原稿用紙を1000枚重ねた時に、その重さになることを表わします。
135Kgの原稿用紙を1000枚重ねると、135Kgの重さになるということです。
110Kgの漫画原稿用紙は厚さが薄いので、トレースをするときは下に置いた画像がより見えやすくなります。
漫画の原稿用紙にはデリータやアイシーなどのメーカーがあり、筆者は色々なメーカーの原稿用紙を使ったことがあります。
筆者の感覚では、アイシーの原稿用紙が使いやすいなと思いました。
漫画原稿用紙の各部の説明
それではここから漫画原稿用紙の各部の名称を解説していきます。
1.内枠(基本枠)
上図の赤枠で囲ってある部分を、漫画原稿用紙の内枠といいます。
漫画原稿用紙では、基本的に内枠の中に絵やコマをおさめて描きます。
内枠におさめて絵を描けば、印刷する時に絵が切れたりなどのトラブルを避けられるのです。
漫画は基本的に内枠に描きますが、内枠を越えて絵を描くことで迫力を出すことができます。
漫画原稿用紙の使い方として、セリフは内枠のなかに入るように書きましょう。
内枠のなかにセリフをおさめれば、裁断する際にセリフが切られることはありません。
漫画原稿用紙の内枠は、確実に印刷される場所です。
重要な絵やコマ、セリフなどは、漫画原稿用紙の内枠のなかにおさめるようにしましょう。
ノド側に大切な絵やセリフを描かない
ノドは、ホッチキスなどで本が閉じられる内側部分のことを指します。
本を開く側を、小口といいます。
ノドの部分は本が閉じられる場所なので、絵やセリフが見づらくなります。
漫画を描くとき内枠からはみ出しても大丈夫ですが、ノド側の内枠からははみ出さないようにした方が良いです。
なぜなら、ノド側付近は絵やセリフがみづらくなってしまうから。
内枠をこえて描く時は、小口側や上下の内枠からはみ出すようにしましょう。
漫画原稿用紙に絵を描く時は、ノド側がどちらか分かるように目印を入れておくと良いでしょう。
2.仕上がり線(タチキリ)
漫画原稿用紙の仕上がり線(タチキリ)は、内枠の外側にある線のことです。
漫画を裁断する時、仕上がり線のところでカットされます。
仕上がり線までに描いた絵は印刷されるのですが、仕上がり線よりはみ出した部分は裁断されて見えなくなります。
仕上がり線は、印刷されるギリギリの境界といえます。
仕上がり線の部分を裁断する時、切られる位置が多少ずれることがあります。
そのため原稿用紙の仕上がり線付近は、切られる可能性もあると覚えておきましょう。
仕上がり線付近に重要な絵やセリフを置かないということですね。
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3.裁ち落とし幅(塗り足し線)
仕上がり線の外側にある線を、裁ち落とし幅(たちおとしはば)と呼びます。
裁ち落とし幅は、塗り足し線とも呼ばれます。
仕上がり線まで絵を描く場合は、裁ち落とし幅まで絵を描いておきましょう。
裁ち落とし幅まで絵を描かないと、裁断する部分がずれた時に、絵に空白ができてしまうからです。
裁断されるのは仕上がり線ですが、切られる場所が多少ずれる事があります。
例えばベタを仕上がり線までしか塗っていない場合、裁断する場所がズレると、印刷された漫画には不自然な余白が生じます。
裁ち落とし幅まで絵が描かれていれば、裁断する場所が多少ずれても、絵に余白は生じません。
なので仕上がり線まで絵を見せるときは、裁ち落とし幅まで絵を描くようにしましょう。
4:トンボについて
トンボは原稿用紙の四隅にある線のことで、印刷所で裁断する時の目印になります。
トンボは、ベタやホワイトで塗りつぶさないようにしましょう。
スクリーントーンをトンボの上にかぶせるのも、見えづらくなるので避けましょう。
トンボは漫画を裁断する時の目印なので、見えるようにしておくと印刷する人が助かります。
トンボの位置に鉛筆などで印をつけておくと、あやまって描きつぶしてしまうことを避けられます。
5:センタートンボ
センタートンボは、印刷する時に原稿の中心位置を確認する目印となる線です。
漫画を印刷所に出した時、印刷所の人が確認する線なので、見えるようにしておきたい場所です。
センタートンボをベタ塗りやホワイトでつぶさないようにします。
またスクリーントーンをセンタートンボの上に張るのも避けましょう。
センタートンボを交差させることで、漫画原稿用紙の真ん中がどこかが分かります。
漫画を描いていて中心が分からなくなった時は、センタートンボが目印になるのです。
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6:ノンブル
ノンブルは、漫画のページ数が書かれる場所です。
ノンブルは、その漫画原稿用紙が何ページ目に当たるかを示す場所となります。
漫画のページ数を、ノンブルに入れなければいけないわけではありません。
ノンブルが絵などで隠れてしまう場合、仕上がり線の内部なら、位置を多少ずらしても大丈夫です。
表紙が1ページ目になる場合は、表紙にノンブル番号を入れる必要はありません。
本編の漫画が始まるページからノンブルを入れます。
漫画原稿用紙の使い方のネタで描いた1ページ漫画を紹介!
以上、漫画原稿用紙の使い方や、各部の名称について解説してきました。
最後に漫画の原稿用紙の使い方をネタに描いた1ページ漫画があるので、公開してみます。
俺が断ち切られてる~!
漫画原稿用紙の使い方のまとめ
漫画の原稿用紙について解説してきましたので、あらためて用語をまとめてみます。
●内枠⇒漫画のコマは基本的に内枠のなかにおさめる
●仕上がり線(タチキリ)⇒裁断される場所。印刷されるのは仕上がり線まで
●断ち切り幅(塗り足し線)⇒裁断する場所がズレた時の予備として、断ち切り幅まで描いておく線
●トンボ⇒印刷された漫画原稿を裁断するときの目印になる線
●センタートンボ⇒印刷された漫画原稿を裁断する時の目印になる、中央の線。
●ノンブル⇒ページ数が示される場所
漫画を描かない人には、耳慣れない用語が出てくる漫画の原稿用紙。
しかし描いた漫画を印刷するときなどに必要な線が記されています。
漫画原稿用紙の各部の名称や使い方を知って、漫画制作に励みましょう!