ペン入れまでしたアナログ漫画をデジタル漫画に加工するのは手間がかかります。
ぼくは長いこと漫画のペン入れまでを手描きで描く、アナログ漫画制作スタイルをとっていました。
アナログ漫画の良さを残しつつ、デジタル漫画に加工して制作していたのです。
しかしこのやり方だと非常に手間がかかることが判明しました。
いまや漫画の世界はプロの現場でもデジタルの制作が取り入れられているほどです。
それもそのはず、デジタル漫画制作のほうが明らかに作業効率が良いからです。
例えば漫画制作にはトーンを貼る作業が存在します。
トーンとは原稿のなかでグレーに塗られた部分のこと。
昔のアナログ漫画描きは、貼る絵柄に合わせてトーンを切り抜いて手で貼っていました。
一方デジタルであればトーンを塗る部分を指定して、ボタン一つでトーンが貼れます。
何という作業効率の違いでしょうか!
この一件だけでなくデジタルを使った漫画制作の便利さはたくさんあります。
この記事では効率的にweb漫画制作をするなら、初めからデジタル漫画制作でいくのが良いことについて書いていきます!
アナログ漫画をデジタル漫画に変換する作業に苦心惨憺(くしんさんたん)した筆者の正直な気持ちを、まずは漫画でご覧ください!
今回掲載した漫画「もっとがんばれ!バカオ君」の前後エピソードは以下のリンクに載ってます♪
なぜアナログ漫画をデジタル漫画化する非効率性に気がついたのか?
ペン入れまでをアナログ漫画として描きそれ以降をデジタル漫画制作する非効率性に気がついたのは、なぜか?
それはある仕事を通してでした。
ぼくは最近お仕事で、とあるユーチューブ漫画動画の制作をしていたのです。
ユーチューブ漫画動画はユーチューブ上で発表する漫画なので、色がついていることは大前提です。
モノクロで良いなら、まだアナログ漫画をデジタル漫画化するという手もありでした。
しかしデジタルで色付けする前提でweb漫画を作るとき、ぼくが今回とった手法はあきらかに非効率でした。
このような状況でぼくはペン入れまでをアナログ漫画制作をしてしまったのです。
ここにペン入れまでアナログ漫画制作する場合のデジタル漫画作業を順番に書いてみます。
1.ネームを描く
2.下描きを描く
3.ペン入れをする
4.下描き線に消しゴムをかける
5.すべてのペン入れ原稿をスキャンする
~ここからデジタルでの作業
6.スキャンした手描き原稿を既定のサイズに合わせる
7.手描き原稿の明るさや濃度の調整をする
8.手描き原稿をスキャンした時に入った小さなごみを削除する
9.手描き線の修正をする
10.手描き原稿をデジタルで色塗りする
これらの作業をページの枚数分行うので、非常に手間のかかる作業です。
もしこれをはじめからデジタル漫画で制作していたらどうなるでしょうか?
初めからデジタル漫画制作したときの作業~
1.ネームを描く
2.デジタルで下描きする
3.デジタルでペン入れする
4.デジタルで色塗りをする
これをページ枚数分終わらしたら終了です!
なんという違いでしょうか!
ぼくは自分のあまりの非効率的作業に愕然としました!
そしてデジタル漫画の制作に完全移行することにしたのです!
アナログ漫画をデジタル漫画化するのは手間がかかる
ぼくはこれまでアナログ漫画の良さを残しつつデジタル漫画制作を取り入れようとしてきました。
ペン入れまでは手描きして、それ以降の仕上げをデジタル漫画として制作するという手法です。
しかし実感として感じたのは、パソコン上で見る漫画はデジタル制作したほうが見栄えが良いということです。
パソコン上で見る画像や色合いはあえて手描きをはさまなくても、デジタル特化させたほうが生きるなと感じたのです。
いまや手描きの雰囲気をデジタルで再現することだってパソコンを使えば可能です。
このような中で、手描きの漫画をデジタル化する必要性がぼくには感じられなくなりました。
インターネット上で漫画を見せるのが主な場合は、初めからデジタル漫画として制作した方が、見栄えも作業効率も良いと判断したのです。
たとえば透明水彩で描いた絵をスキャンしてパソコンで見せるなら、アナログの温かい特徴を生かせます。
アート作品をパソコン上で見せたいならこのような方法でいくとよいでしょう。
しかしぼくがやろうとしているのはweb上で漫画を見せるということ。
webで漫画を見せるということは、色付けやその他いろいろな加工は必須になってきます。
雑誌でモノクロ漫画として見せるならともかく、web媒体で漫画を掲載する以上本格的デジタル漫画制作環境を用意する必要があります。
デジタル漫画制作に特化するために不要なアナログ漫画工程
漫画をwebで見せることにフォーカスするなら、無駄な工程を排除していく必要があります。
その代表が手描きのペン入れ作業でした。
手描きのペン入れ原稿はスキャンして、パソコン上で規定のサイズに合わせなければいけません。
さらにペン入れした画像は、パソコン上で色みや明るさを調整する必要があります。
手描きした線はデジタル漫画として色付けする際の、範囲選択指定にも手間がかかると感じました。
web漫画にフォーカスするなら、明らかにはじめからデジタル漫画として制作した方が早いのです。
個人のクリエーターがweb漫画を効率的に大量生産しようとしたら、無駄な工程を省き必要な要素に絞って制作する必要があります。
この結果出た答えが、デジタル漫画制作に完全移行するという決断でした。
趣味で漫画制作をしている方なら手間や効率性なんて考えず、自由に描けばよいと思います。
しかしデジタル漫画制作はアナログ漫画制作を遥かにしのぐ、制作パフォーマンスの向上があります。
この時代の恩恵を十分生かすためにも、デジタル漫画制作に特化していきたいと思います。
最後までお読みくださりありがとうございます♪