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漫画キャラクターの作り方

短編漫画のキャラクターを作る為の6つのキャラクターパターン

投稿日:2017年9月19日 更新日:

短編漫画のキャラクターを作る為の6つのキャラクターパターン

 

「漫画のキャラクターはどうやって作ったらいいんだろう?」
「漫画のキャラクターを作るためのマニュアルみたいなものはないかな~…」

とお考えのあなたに本日は短編漫画のキャラクター6つのパターンについて解説していきます!

 

僕はこれまで漫画の描き方系の本を沢山読んできました。

その中でも特に役に立ったなと思う本があって、それがこの本!

漫画 参考書

 

この本は漫画のキャラクターの作り方についても書いてあり、キャラクターは6つのパターンに分けて考えると作りやすいという事が書かれています。

 

僕は漫画のキャラクターをパターン化するという事が好きではないけど、キャラクターのパターンを知っている事でキャラを生み出しやすくなるのは確か。

 

なので本日は「キャラクターを動かす!マンガストーリー講座」(著・田中裕久/SESHOEISHA)を参考に漫画のキャラクター6つのパターンについて解説していくので「漫画のキャラクター作りたいぜー!」って方はどうぞご覧になっていって下さい。

 

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漫画のキャラクターの8割はパターンで作れる

漫画 参考書

漫画の歴史上大ヒットした作品にはオリジナリティに満ちた魅力的なキャラクターが存在しているという共通点があります。

 

この本では漫画のキャラクターは「8割のパターンと2割のオリジナリティ(作者独自の感性)で出来ている」と書かれています。

 

個性に溢れた魅力的なキャラクターは結果的にそうなっているのであり、どんな漫画でもパターンの組み合わせによって作られている部分がかなり存在するようです。

8割のキャラクターのパターンの上に、2割の作者独自な個性を載せる事によって魅力的なキャラクターは作られているといいます。

 

では以下にキャラクターのパターン6種類について挙げていきます。

 

1.少年漫画の王道キャラクター
2.コミュニケーション能力の高い普通なキャラクター
3.コミュニケーション能力の低い普通なキャラクター
4.変人キャラクター
5.天才キャラクター
6.繊細なキャラクター

以上6パターンの内1~3が主人公に適したタイプ。
4~6がサブキャラクターに適したタイプです。

 

漫画を描こうとする初心者の方はまず初めに上記6パターンのキャラクターを理解し、完全にコピーする事が大切だと書かれています。

作者独自の個性を盛り込むのは、6パターンのコピーが出来てからという流れですね。

 

ちなみに僕は漫画のキャラクターを作る時、パターンというのは全く考えていません。

その作品の中で必要とされるキャラクターを一人ずつ考えていき、必要な場所に配置していきます。

ただキャラクターをパターン化して、その上に個性を盛り込むというのは漫画を描く初心者の方にとって作りやすい方法だと思うので、ここで解説していきたいと思います。

 

漫画のキャラクターを作る時にまず初めに大切な事

派手な少女

 

漫画のキャラクターを作る時に大切な事は「感情移入」出来るキャラクターを作る事だと言われています。

 

読者がキャラクターの生き様、言動に共感し自分を重ね合わせる事でそのキャラクターに親密な感情を抱き、その漫画が好きになっていくからです。

どんなに作者が頑張って漫画を作っても読者が主人公に対して感情移入できなければ、その作品を面白いとは感じてもらえないでしょう。

 

読者がキャラクターに感情移入するというのは以下のような時です。

・キャラクターに自分との共通点を感じた
・キャラクターに自分の願望を感じた

 

漫画のキャラクターではないですが僕はファン・ゴッホと多くの共通点があり、この芸術家に対して非常に感情移入できるので、その点でもゴッホという存在は特別です。

⇒ファン・ゴッホの魅力、素晴らしさを情熱的に書いた記事はこちら!

 

このように同じ共通点があったり、感情移入を出来る対象というのは特別な感情が生まれ、好きになるものなのです。

 

漫画ではキャラクターのバックエピソードを描く事により感情移入してもらう事が出来ます。

具体的にはそのキャラクターの個性が作られるに至った過去の出来事、人間関係、人生などをエピソードとして描くという事。

 

漫画のキャラクター6パターンを知る大前提としてキャラクターには「感情移入のできる要素が必要」だという事です!

 

漫画のキャラクター6パターン!


それではここから具体的に漫画のキャラクター6パターンについて一つずつ解説していきたいと思います。

まずは主人公キャラに適している3つのキャラクターパターンについて書いていきます。

なおここで紹介するキャラクターのパターンは短編漫画を描く時に役に立つパターンである事をご承知ください。

長編漫画ではキャラクターを描くページ数の幅が広がるので、キャラクターの見せ方も変わってくるからです。

 

1.少年漫画の王道キャラクター

バカオ

少年漫画の王道キャラクターとは現実的ではないけど華がある、カッコいい、ついていきたくなる、強いetc…そんな主人公の事。

例えばドラゴンボールの悟空やONE PIECEのルフィ、北斗の拳のケンシロウのようなキャラクター。

普通の人には出来ないことが出来たり、強い信念を持っていたり、強力な必殺技を持っていたりします。

 

キャラクターにはギャップを取り入れる事で魅力を増す事が出来ると言われています。

 

特に短編漫画の場合限られたページ数の中で主人公に感情移入してもらう必要があるので、ギャップを作る事で読者を引き付けやすくなります。

 

例えばコミカルで面白い時と真面目な時とのギャップ、普段はおとなしいのにある事をけなされると怒るというギャップなど色々な組み合わせがあります。

ギャップを取り入れる事でキャラクターに意外性が生まれ、そこに共感した読者はキャラクターに惹かれていくのでしょう。

 

僕はジョジョの奇妙な冒険第4部の東方仗助が普段は善良な青年なのに髪型の事をけなされるとプッツンして怒り狂うという設定が非常に面白いと思います。

 

キャラクターのギャップはセリフで説明するのではなく、エピソードとして描いて読者に伝えて下さい。

漫画では設定や説明すべき事はセリフではなく、絵やエピソードとして見せていくのが定石です。

特殊な少年漫画

周りに流される

本では少年漫画というのは他のジャンルの漫画に比べて特殊だと書かれています。

少年漫画はキャラクターの感情の流れが、現実をベースとした因果律とは違う法則で成り立っているのです。

 

僕は本の中で少年漫画について以下の様に描かれている所が面白いと感じました。

 

「少年漫画は作者の圧倒的な熱量を主人公に込めて、それを物語を通して読者と共有するジャンル」

 

「少年漫画の主人公に圧倒的な熱量を込めるには作者が自分の人生の中で感じた喜怒哀楽の感情をデフォルメして読者に伝えることが大切」

 

主人公に自分の生きてきた信念を込めて物語を通して表現するとは、まさに漫画における自己表現であると僕は感じています。

 

2.コミュニケーション能力の高い普通なキャラクター

四コマ漫画,ネタ,営業マン

・特殊能力がない
・どこにでもいる普通な人間
・コミュニケーション能力は高い

この三点が特徴の主人公です。

 

自分の周りにも必ず一人はいそうなお調子者やフットワークの軽い感じの人ですね。

このタイプは普通の人間なので読者と価値観が近く感情移入しやすいキャラクターです。

 

またコミュニケーション能力が高いので色々なキャラクターと絡ませて喜怒哀楽を描く事が可能です。
物語上動かしやすいキャラクターとも言えます。

 

このタイプのキャラクターを作る時に大切な事はコミュニケーション能力を作者が把握しておき、作品を通して一定の基準に保つ事です。

能力の基準を掴んでいないとキャラクターのブレに繋がり、それが漫画全体のブレに繋がってしまうからです。

 

コミュニケーション能力の高さというのは「友達が多い」のような見せ方のみでなく、言葉を使わずにコミュニケーションを図るなど色々な表現方法があるでしょう。

例えば背中を流し合ったりとか喧嘩をする事でお互いの気持ちを確認し合うような。

人間の感情は複雑なので気持ちの伝え方というのはキャラクターによって変わってきます。

 

SNSの躍進を見ても分かる様に現代を生きる人々が関心のある事柄に人間同士のコミュニケーション能力というものがあります。

 

多くの読者はコミュニケーション能力に不満を持っているので、そういう読者にとってコミュニケーション能力の高いキャラクターというのは憧れに似た感覚を持つと本には書かれています。

 

3.コミュニケーション能力の低い普通なキャラクター

・不器用
・引っ込み思案
・人付き合いが苦手

などの特徴を持つ主人公です。

 

このタイプのキャラクターは読者が最も感情移入をしやすい主人公です。

なぜなら不器用さというのは世の多くの人がどこかしら持つ要素なので、これが共通点となり感情移入がしやすいからです。

 

自らを重ね合わせた不器用な主人公が努力し、苦労の末に目的を達成すると読者は自分の事にように嬉しく感じるのではないでしょうか。

 

このタイプのキャラクターを作る時注意すべきは「キャラクターのレベルを低くし過ぎない」という事が書かれています。

自分よりレベルの低い主人公の成長物語には読者はそこまで共感しないようです。

 

例えば「友達が一人もいない主人公が頑張って友達を一人作る」というような物語。

友達が一人もいない状況というのは多くの人にとって当てはまらないので、その主人公に対してリアリティを感じられず共感が生まれません。

 

「自然に読者が自分を投影できるキャラクター」

これを意識する事がこのタイプの主人公を作る時のポイントです。

 

サブキャラクターに適した3パターン

ネコ キャラ
ここからサブキャラクターに適したキャラクターパターンを解説して行きます。

短編漫画ではサブキャラクターに感情移入してもらう必要はないですが、変人&天才キャラクターというのは短いエピソードでキャラを立たせ、読者の興味を引く事が出来るので短編を描く時に便利なキャラクターです。

 

「漫画の冒頭から中盤にかけて変人&天才キャラクターに暴れてもらい、読者を楽しませている内に普通型の主人公キャラクターに感情移入してもらう」
というのが短編漫画の見せ方としてオーソドックスな手法だと本では解説されています。

4.変人キャラクター

世の中の多くの人とは価値観や発想がズレたキャラクターの事です。

一般的に大切だと考えられている価値観とは違った考え方をするので、周りからは変人だと見られてしまうキャラクターですね。

 

変人キャラクターにとっての常識は周りから見ると非常識ですが、本人は自分が変わっているとは考えていない事が多いですね。

 

変人キャラクターは奇妙な言動を行えるので物語の展開を進ませる起爆剤的な役割を担うのに向いています。

特に短編漫画の場合、物語前半で突拍子もない変人キャラクターのエピソードを入れる事でキャラが立ち、読者の興味を引く事が出来ます。

 

このような変人キャラクターを作る際は、なぜ変わった性質を持つに至ったのか?という背景となるエピソードを描く事でキャラクターの説得力を増すことが出来ます。

 

5.天才キャラクター

変人キャラクターに似ていますが、ある特定の能力がずば抜けて高いキャラクターを指します。

 

天才型キャラクターも一般的な価値感とは全く違う事が多く、常人では考えられないような発想をしたり、偉大な何かを生み出したりします。

天才型キャラクターは読者の憧れの対象になりやすいキャラクターと言えます。

 

天才キャラクターを作る時は、普通型のキャラクターと絡ませて不自然な所を突っ込ませたりするとキャラを立たせやすくなります。

 

本当の天才はデコボコが激しいもの

自分とキャラ

 

天才型キャラクターと聞くと、何か壮大なものをやすやすと作ってしまう凄い人の様に感じるかと思います。

 

しかし僕が天才と呼ばれる人々の本を沢山読んできた中で明確に分かった事は、本当の天才とは思い切りデコボコの激しい人達です。

つまりある一つの能力にとことん秀でるというのは、別のどこかの部分が激しくへこんでいるものなのです。

 

全体の能力がバランスの良い天才がいないわけではないですが、歴史に残るような突出した天才達は「ある部分が過剰」な為にデコボコの激しい性質を備えている事が多いです。

例えば素晴らしい名曲を次々に生み出したモーツァルトが実はものすごく子供っぽい人だったり、絵画の世界でバロックという新しい様式を生み出したカラヴァッジョが殺人を犯していたり、千円札にものった夏目漱石が神経衰弱で弱っていたり、自分が漫画の世界で一番である事にこだわり続けた手塚治虫氏だったり、ファン・ゴッホという画家が耳を切って知り合いの娼婦に切り取った耳を渡したというのは有名なエピソードですね。

 

このように能力がズバ抜けて突出しているという事は、別のどこかにゆがみが生じており、これが「過剰さ」という事なのです。

ほどほどな、普通な人であればそこまでの過剰さは持たないでしょう。

 

この過剰さが原動力となって「その世界を革新するような仕事」に繋がっているのです。

 

この天才に共通する過剰さ、デコボコを描いていない表面的な天才キャラクターというのは読んでいて全然リアリティがなく、面白くなく、しらけますね。

 

なので天才型キャラクターを作る時は、突出した能力の裏には必ず影がある、ヘコミがあるという事を説得力を持って描く事が大切だと思います。

 

6.繊細なキャラクター

センチメンタル

線が細く、センチメンタルで、触れれば壊れるくらい繊細なキャラクターです。

 

このタイプのキャラクターを作るには作者の詩的感性が要求される点で、少女漫画や女性漫画に向いています。

しかし繊細なキャラクターは青年誌系の題材にも相性が良いと本に書かれています。

 

時に人はセンチメンタルな気持ちになる事があるでしょう。
日常の生活で何かに反応し、詩や歌を作りたくなる事もあるかもしれない。

 

そんな読者の感覚をキャラクターに投影させて描く事で共感されるキャラクターになっていきます。

 

例えばヤンキー漫画やバイオレンス漫画を描く時に残虐なキャラクターの別側面として、ものすごく繊細だったりするとギャップでキャラクターが立ちます。

キャラクターの残虐性が強いほど、繊細さが際立ち、ナイーブであればある程残虐な行動を取らざるを得ないシーンが際立つ、という見せ方もあるのです。

 

このように繊細さを対比させる事で生きる要素というものがあるので、繊細さは青年漫画やバイオレンス漫画でも大いに使う事が出来ます。

 

キャラクターの繊細さは主にモノローグを使って表現するので、モノローグでキャラの繊細さを生み出す練習をしておくと良いという事が本に書かれています。

 

最後に

漫画 参考書

以上「キャラクターを動かす!マンガストーリー講座」(著・田中裕久/SESHOEISHA)を参考にキャラクターの6パターンについて書いてみました。

 

・漫画のキャラクターは大きく6種類に分けられる
・主人公キャラクターには特に感情移入が必要
・サブキャラクターは物語を展開させる為の起爆剤になる

まとめると以上のようになります。

 

キャラクターの6パターンを参考に自分で考えたキャラクターを当てはめて作ってみましょう。
またそれが難しければ、自分が好きな漫画のキャラクターがどのパターンに属するのかを考えて見るのも面白いかもしれません。

 

「キャラクターを動かす!マンガストーリー講座」(著・田中裕久/SESHOEISHA)はキャラクターの作り方のみでなく、漫画を作るために必要な事がバランスよく書かれており、漫画をこれから描いていきたい人にとってとても勉強になるので、ご一読をおすすめします!

 

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粕川裕康/漫画アート芸術家。漫画描きと油絵描きをしており、二つ合わせて漫画アート芸術家!/漫画とアートを組み合わせた創作活動をしています。

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