漫画アート芸術家

漫画とアートを組み合わせて創作を行う漫画アート芸術家が、漫画の描き方や芸術、創作活動について書いているブログです。

特撮ヒーロー

イナズマンFとは?最終回、重い物語、イナズマンとの違いを徹底考察

投稿日:2018年2月24日 更新日:

イナズマントップ

イナズマンFって何?

普通のイナズマンとどう違うの?

変身特撮ヒーロー「イナズマンF」に対してこう感じる人がいるのではないか?

僕は先日dvdでイナズマンもイナズマンfも全エピソード観たので、この違いが分かる。

僕はイナズマンもイナズマンfも両方好きだけど、どちらかと言われたらイナズマンfの方が面白かったと言うだろう。

そう、イナズマンとイナズマンfは作風が全然違うのだ。

実際にイナズマンfを観た僕が、イナズマンfについて、イナズマンとイナズマンfの違い、イナズマンfのopのカッコよさ、イナズマンfの最終回について書いていこう!

 

スポンサードリンク

イナズマンF(フラッシュ)とは


イナズマンF(フラッシュ)とは石森章太郎原作、NET/東映が制作した特撮テレビドラマのこと。

1974年4月9日~1974年24日にかけて、毎週火曜日19時30分~20時にイナズマンfは放送されていた。

イナズマンfはイナズマンの第3~4クール目に当たり、シナリオナンバーもイナズマンの続きで通し番号になっている。
なのでイナズマンfの第一話はイナズマンの最終回の続きとして始まる。

イナズマンFと特撮ヒーロー番組の斜陽化

イナズマンf斜陽化

1974年、特撮ヒーロー番組は落ち目に傾いていた。

1973年末に起こった第一次石油ショックの影響で番組制作費が上がり、特撮番組の大手スポンサー「万創」がつぶれたことにより、巨大ヒーローを初めとした特撮ヒーローブームに影が差していた。

1973年に特撮ヒーロー番組が黄金期を迎えて作品が量産されたのを頂点に、特撮ヒーロー番組は勢いをなくしていく。

そんな頃に発表されたのがイナズマンだったが、思うように視聴率は取れない。

制作側は苦肉の打開策として、作品の方向性を大きく変えるイナズマンfへと舵をきることになる。

このためイナズマンfはイナズマンとは大きく方向転換した作風になる。

イナズマンとイナズマンFの違い

ここからイナズマンとイナズマンFがどう違うか、について見ていこう。

 

1.イナズマンFはタイトルが違う

タイトルを見ても分かるように、イナズマンとイナズマンfではタイトルが違う。
タイトルは違うけど、物語はイナズマンの続きだ。

例えるとドラゴンボールがドラゴンボールZに変わったような感じだろうか。

僕がイナズマンの全エピソードを観て明らかに感じたのは作品の雰囲気が変わったということ。

何か別の作品を見ているような気になるほど、イナズマンとイナズマンfの世界は変わっていた。

2.イナズマンFは敵組織がデスパーに変わる

イナズマンの最終回で敵組織ファントム軍団をやっつけたイナズマン。

しかしイナズマンfの敵組織となる、より強力なデスパー軍団が登場する。

 

デスパー軍団のボスはナチスドイツのヒットラーを思わせる、顔が白塗りのガイゼル総統。

ガイゼル総統は人造人間キカイダーでプロフェッサー・ギルを演じていた安藤光男氏が演じている!

ガイゼル総統はギルに劣らず怖さと迫力を持ったキャラクターだ。

 

デスパー軍団はイナズマンの最終回でファントム軍団を壊滅させるための作戦に取りくむ。

ファントム軍団の帝王バンバがイナズマンにやられると、デスパー軍団は本格的に始動!

デスパー軍団はファントム軍団をはるかに超える力を持ち、超能力者を改造したデスパー怪人を送り込んでくる。

 

デスパー軍団はイナズマンのような超能力を持つ正義の戦士が現れないよう、超能力を持つミュータントを全滅しようとしているのだ。

日本の地底には太陽が輝く地底都市・デスパーシティが存在する。

強制収容所を思わせるデスパーシティは人間を5万人も幽閉し、サイボーグに改造するという独裁体制がとられている。

地球の地下深くに太陽が存在し、地底世界があるなんて、なんとロマンあふれる設定だろうか!

3.デスパー軍団の幹部怪人がイナズマンFに登場する


イナズマンfはエピソードごとに登場する怪人の他に幹部的怪人が登場するのも、イナズマンと違う点だ。

イナズマンfは初めウデスパー、後半部をサデスパーという幹部怪人が担当する。

 

ウデスパーはイナズマンとの戦いで敗れると、再改造されてウデスパーαとβに別れたりする。
二体一緒にイナズマンに立ち向かうのはいいけどウデスパー自身が仲間割れして、結果やられてしまうという面白い展開もあった。

 

4.イナズマンFは登場キャラクターが変わる

キャラクター

イナズマンでは少年同盟という組織があり、ヒロインや主人公の弟的存在の少年、丸目豪作という三枚目のキャラクターが登場していた。

イナズマンfではこれらサブキャラクター達が皆登場しなくなる。

上に挙げたキャラクターはイナズマンに明るい、清涼な雰囲気をもたらしていた。

 

特に丸目豪作という「ハゲ、ひげ、学ラン」三点セットの面白いキャラは、イナズマンにおける「笑いやほほえましさ」を担当していた。

仮面ライダーで言うと滝和也のように、ヒーローと一緒に敵とも戦える頼もしい奴が丸目豪作だ。

明るいイナズマンの作風を受け持っていたキャラクターが、イナズマンfではごっそりカットされたということである。

5.イナズマンFに登場するキャラクター・荒井誠

イナズマンfでは主人公のサポートキャラクターとしてインタ―ポールの秘密捜査官・荒井誠が登場する。

荒井誠は敵軍団デスパーに妻と娘をさらわれた過去を持つ、イカツイ顔のおじさんだ。

荒井誠はアメリカ帰りだけあって西部劇風の衣装を着たり、ショットガンで戦ったりする。

イナズマンのヒロイン・大木サトコやレギュラーの子供キャラもいない状態で、渡五郎と荒井誠を中心に展開する物語は、男臭すぎた。

そんなことからイナズマンfでは中和のために、エピソードごとにゲストの女性キャラクターを登場させるという処置をとる。

イナズマンfはゲスト女性キャラクターを物語に絡ませて、重厚な物語を生み出していく。

 

ちなみにイナズマンfに入ってから渡五郎は大学の寮を出て、荒井誠とともに地底50メートル下に作られた基地で生活している。

6.イナズマンFは物語が重い

 

イナズマン物語

イナズマンの物語が明るくコミカルだったのに対し、イナズマンfは重厚な、深い、ときにはむごすぎる物語が展開される。

イナズマンfはウルトラセブンや帰ってきたウルトラマン、ウルトラマンエースでも脚本を担当した上原正三氏がメインライターに選ばれた。

僕はウルトラマンの脚本を担当した人がイナズマンfを書いていたことを知り、どうしてイナズマンfがイナズマン以上に胸を打つ作品かの納得がいった。

 

イナズマンfは、地底都市で人間を奴隷にするデスパー軍団に対して、デスパーシティの人々を助けデスパーを倒すことを目的とした渡五郎と荒井誠の物語だと言える。

 

悪の政府を転覆するためにたった2人で戦うという社会派的なストーリーだ。

 

イナズマンfで制作側は「自分たちが作りたい、演じたいドラマ」を作る自由があったようで、このことがイナズマンfの作風の変化に繋がっているよう。

イナズマンfはゲスト女性キャラが殺される回が多くなるなど、内容はシリアスで暗い話が多い。

例えば

・渡五郎が15年ぶりに生き別れた母と再会するも、母はデスパー怪人に改造されており、最終的に母は帝王バンバに処刑される

・強制収容施設の地底都市デスパーシティにて、自分の弟を銃殺することになる姉が、最終的に爆死する

などの話がある。

僕的には重厚でテーマ性のある物語は好きなので、イナズマンfの作風は大歓迎なのだが。

イナズマンfは子供向け番組にしては重々しい題材を扱った物語が多く、カルト的人気がある理由はここにあるのかもしれない。

7.イナズマンFはサナギマンやライジンゴーの登場が減る

ショウさん(@sho8914523)がシェアした投稿

イナズマンfはドラマ性を重視した内容のためイナズマンで活躍したマシン・ライジンゴーやサナギマンは出番が少なくなる。
またドラマパートが多いことからアクションシーンが減ったため、エンディングと次回予告編の間に「イナズマンFアクション・タイム」という映像が挿入された。

イナズマンで活躍していた謎の少年同盟という組織も見なくなり、ed曲の合間に少しだけ少年同盟の映像が流されるだけとなる。

少年同盟の方々はオレンジの制服を着た見た目が愉快だった!何かウルトラマンの世界観を感じた!

8.イナズマンFのゼイバーは強すぎ!

イナズマンfゼイバー

イナズマンfの必殺技にゼーバーがある。

ゼーバーとはイナズマン最終回で帝王バンバとの戦いの時に登場する、超能力増幅器のこと。

イナズマンのゼーバーを空に掲げると、稲妻が走り敵に命中する。

 

このゼーバーが異常に強いのだ!

イナズマンfは素晴らしい作品だと思うけど、ただ一つ欠点をあげると「イナズマンが強すぎる」ということ。

僕の印象ではイナズマンfは、けっこうアッサリ敵を倒す。

苦戦してもちょっとだけで、あまり押されてる感じがしない。

 

何よりゼーバーと言う強力な武器があるので、どんな時でもこれさえ使えば簡単に倒せてしまう。
現にイナズマンのラスボス・ファントムの帝王バンバはどれほど強いのかと思いきや、ゼーバーでアッサリやられてしまった。
帝王バンバは、他のファントム怪人とそう強さが変わらないのでは…

例えばバロム1ならもっと戦いの時にピンチに陥って、ハラハラさせながら勝利したものだ。

イナズマンfが持つゼーバー、あの必殺技は反則的に強い…

9.イナズマンFのopはカッコいい!

イナズマンfはイナズマンとop、edも違う。

イナズマンのopも良かったけど、イナズマンfのopもとてもカッコいい!

イナズマンfのopは冒頭で「イナズマンフラーッシュ!」の絶叫から始まり、テンポの良い曲調で進んでいく。

 

イナズマンfのopで、ガイゼルの顔が大映しになるところで曲調が変化するんだけど、この部分が特にカッコいいと思う!

イナズマンもイナズマンFのopも、映像と一緒に観ることでカッコよさは増すのだ!

イナズマンfのop「フラッシュ!イナズマン」

作詞:八手三郎

歌:ヒデタ樹

作曲&編曲:渡辺宙明

引用:wikipediaより

イナズマンF最終回の初期稿

イナズマン初期稿

ここからイナズマンfの最終回について解説していこう。

 

イナズマンf第23話最終回「さらばイナズマン ガイゼル最期の日」にはテレビ版と初期稿版の2テイクが存在し、両者のラストは全然違う。

初期稿版の段階で作られた最終回は、イナズマンこと渡五郎はガイゼルを倒すことと引き換えに超能力をなくしてしまう。

イナズマンf最終回初期稿では、守るべき仲間も敵組織新人類とともに滅亡する。

最終回で超能力を失った渡五郎は「東映まんが祭り」の看板を見かけるも無感動に通りすぎ、人ごみの街中に歩き去っていくというラスト。

最終回初期稿はいかにも暗い内容で、子供番組でこんな思い切った展開があるなら観たいくらいである。

しかしイナズマンfのプロデューサー・平山亨氏のハッピーエンドを大切にするポリシーにより、初期稿は大幅に改変された。

そうして出来上がったのがテレビ版イナズマンfの最終回である。

イナズマンFの最終回(ネタバレ)

ここでは簡単にイナズマンf最終回の物語の概要を書いていこう(ネタバレあり)。

 

渡五郎と荒井誠はイナズマンfの最終回で、異次元を通ってデスパー・シティに潜入する。

人口太陽で照らされる地底世界の中にはデスパーによってとらえられた人々がいた。

 

ここでガイゼルの実の娘・カレン(鳥居恵子)が登場する。

カレンはデスパーの親衛隊に護衛されており近づくと殺されるので、市民は恐れている。

 

このカレンに対して鎌を投げたのが、最終回でゲスト出演した若き日の水木一郎氏!

水木一郎氏といえばイナズマンfでもedを歌っているアニソン/特撮歌手の帝王。

 

人間を傷つけるデスパーを見たカレンは父のガイゼルに訴える。

ガイゼルはカレンを人間に近づけさせないために、人間は恐ろしいものだと教え込んでいたのだ。

人間の優しさに触れ、人間の側に立とうとするカレンを頬打ちするガイゼル。

ガイゼルは人口太陽の爆破を命じて、デスパーシティを木っ端みじんにしようとする。

 

一方、渡五郎と荒井誠は牢獄に収容されていた女子供と遭遇する。
なんと生き別れになったはずの荒井誠の妻子がここにいた!

イナズマンfの最終回にて荒井夫婦と子供は再開したのだ。

渡五郎と荒井は共にガイゼルと最後の戦いへ向かう。

 

父ガイゼルの人口太陽爆発作戦を止めようとした娘のカレン。

 

ガイゼルは実の娘カレンを殺してしまう!

なんという非道、しかしだからこそイナズマンfのラスボスとしてふさわしい!

そしてイナズマンfとガイゼルの最後の死闘が始まる。

 

イナズマンf最終回のラストは、のぼってくる朝日を見つめる荒井夫婦と娘のシーン。

そして荒井誠の娘を抱き上げるイナズマンfとともに終了する。

イナズマンFのまとめ

イナズマンfは物語が重厚で深く、悲しいエピソードも多かった。
明るくコミカルな「イナズマン」とは好対照をなしている。

イナズマンは作品全体を通して非常に強いキャラだという印象が強く(特にゼーバーは反則的な強さ!)、敵をアッサリ倒し過ぎるので拍子抜けした感はある。

 

しかしイナズマンfには重いテーマを含んだ物語の魅力がある!
子供向け番組にしては濃すぎる内容に挑戦した制作人の情熱に感動した!

イナズマンfは万人受けする内容ではないかもしれない。

しかし重厚な物語を受け止められる心のある人なら、きっとイナズマンfは素晴らしい作品になるだろう!

スポンサードリンク

-特撮ヒーロー

執筆者:

関連記事

アンドロメダ

ウルトラマンエース最大の魅力は北斗星司と南夕子の…

生まれて初めて借りてもらったビデオが人生を変えた。 当時僕は5~6歳、母に近くのレンタルビデオショップに初めて連れて行ってもらった時、その作品と出会った。   「ウルトラマンエース」! (c …

ズバット

カルト的特撮テレビ番組・怪傑ズバットはマカロニウエスタンだった?

日本の特撮ヒーロー番組史上最大のカルト的作品は何か? それは恐らくこの作品なのではないかと思っている。   「怪傑ズバット」!   出典 http://pds.exblog.jp …

子供の頃に観たウルトラマン 粕川

子供の頃観たウルトラマンや仮面ライダーの歴代ランキング3

子供の頃観たウルトラマンや仮面ライダーがその後の人生を変えた! こんな話、信じられますか? このブログを運営する漫画アート芸術家の人生は、子供の頃観たウルトラマンや仮面ライダーによって変わったのです! …

芸術家の視点から見た特撮テレビ番組人造人間キカイダーの魅力

こんにちは、漫画と絵画を組み合わせて創作活動を行う芸術家の粕川です。 僕は絵画や漫画の制作をした後よくアニメや特撮、映画を観る事があります。 今回感銘を受けた特撮ヒーロー作品があるのでそれをご紹介しま …

バカオ バロム1

【特撮テレビ番組】超人バロム・1の面白さや魅力を徹底解明!

  超人!バロム1! 知る人ぞ知る特撮テレビ番組の傑作! バロム1と言えば二人の子供が手をクロスして合体変身するヒーローだ。   そしてバロム1に出てくる魔人のグロテスクさは仮面ラ …

サイト内検索

プロフィール

プロフィール

プロフィール
粕川裕康/漫画アート芸術家。漫画描きと油絵描きをしており、二つ合わせて漫画アート芸術家!/漫画とアートを組み合わせた創作活動をしています。

RSS Feed RSS - 投稿

粕川も大きな影響を受けた心温まる名作海外ドラマ!
関連記事はこちら!
関連記事はこちら!
4コマ漫画ランキングに登録しています!毎度ご声援感謝いたします!