テレビドラマ大草原の小さな家はアメリカ西部開拓時代の話なので、インディアンが登場することがあります。
この記事では大草原の小さな家の数ある名作エピソードの中から、インディアンが登場する物語3つの紹介と、これを無料視聴する方法を解説します!
さらにインディアンと関連して、大草原の小さな家の作者が差別表現が原因で文学賞から名前を外された事件についても解説します!
小さな家シリーズは傑作ですが、時代背景を感じさせる問題もかかえていたのです。
大草原の小さな家のインディアンが登場する3エピソードや、これら3話を無料で視聴できるサービスの解説とともに、作者の名前が文学賞から外された経緯にも迫ります!
Contents
大草原の小さな家でインディアンが登場する名作を3つ紹介!
大草原の小さな家には幾多の名作エピソードがありますが、なかにはインディアンが深く関わる物語が3つあります。
以下よりインディアンが登場する物語をネタバレにならない程度にあらすじ概要を解説しますので、ぜひご覧ください!
シーズン1 22話 「吹雪の中」
制作年:1975年/90分
大草原の小さな家シーズン1の第22話「吹雪の中」は、インディアンが登場する名エピソードです!
ぼくは今回紹介する3つのインディアンの話のなかで、一番好きなのがこの話ですね!
季節は春。
インガルス一家はマンケイトからの帰り道に、季節外れの強烈な吹雪に遭遇します。
仕方なくインガルス一家は近くにあった廃家に避難しますが、食料が少ない状況です。
このまま大雪が積もれば家族が食べるものがなくなってしまいます。
父さんはまだ雪が少ないうちに食料を狩りに外出しました。
しかし吹雪は強くなり行く手を阻まれて、父さんは意識不明におちいります。
父さんが外出中、アンダーソンというインディアンを毛嫌いする保安官が、ローラたちのいる廃家に避難してきました。
保安官はネイティ部のアメリカンインディアン、レーム・ホースを捕まえようとしていました。
一方、あまりの吹雪で意識を失った父さんが目を開けるとそこにはインディアンが…
視聴した感想
この話は白人のインディアンに対する偏見が全面にでた作品で、物語のラストの展開がとても感動的でした!
大草原の小さな家はキャラクター同士を対立させて、強烈な葛藤を描きます。
そしてラストで心あたたまるオチを見せてくれるのです!
●吹雪でピンチに陥るインガルス一家
●インディアンと白人との対立
この要素が、最後にうまくまとまる話の流れが、本当にうまいと思いました!
「吹雪の中」は大草原の小さな家シーズン1のなかでも、指折りの傑作エピソードです!
「吹雪の中」が収録されたシーズン1はこちら♪
シーズン3 15話「誇りと勇気」
1976年~1977年制作/49分
一人で暮らすストーク老人の家に、ある日アメリアがインディアンの少年を連れて帰ってきました。
アメリアは、以前スー族のインディアンにさらわれたことがある娘です。
しかしアメリアがさらわれたのは、父親が作った嘘の話だったことが判明します。
アメリアはインディアンの男性と結婚しており、一緒にいる少年が自分の息子だと明かしました。
「誇りと勇気」が収録されたシーズン3はこちら♪
シーズン4 13話 「自由への旅」
制作1977年~1978年/49分
ウォールナットグローブの町に、ある日インディアンの群れがやってきます。
インディアンたちを見て町の人々は驚きました。
インディアンたちは町の人々に危害を加えたいわけではなく、医者を探していました。
インディアンの族長が重病にかかっており、早急に白人の医者を必要としていたのです。
父さんとベイカー医師はインディアンの居住地へ行って手当をしますが、どうにもなりません。
仕方なく父さんはインガルス家にインディアンの族長を連れてきて、家族で看病をすることになります。
「自由への旅」が収録されたシーズン4はこちら♪
大草原の小さな家のインディアン登場エピソードの感想
ここでは大草原の小さな家でインディアンが登場するエピソードの感想について見ていきます。
「吹雪の中」の感想で、インディアンのレームホースさんが良い人だったという感想がありました。
確かに「吹雪の中」では、レームホースという米先住民がとても良いキャラをしています。
一方16年のあいだ、インディアンを憎み続けてきた保安官。
その保安官がラストで馬に乗って去っていく姿が涙ものだったという意見がでています。
大草原の小さな家では生死をかけた危険なエピソードがありますが、「吹雪の中」はまさにそんな命がけの物語となっているのです。
先住民が主役の3-16「誇りと勇気」が妙に心に残り、録画して、再度観てしまった。白人女性が先住民男性と恋愛して、一粒種の息子がいるという設定「大草原の小さな家」。居留地に追いやられた先住民が、食糧を得るために外に出てくると、銃をもって追いかけまわし、殺す、そういう場面がある。
— gertrude (@gertrude913) 2017年2月14日
「誇りと勇気」が妙に心に残ったという感想もありました。
白人女性がインディアンの男性と結婚するこの話。
白人と米先住民の間にある葛藤が描かれているので、印象深く残るのかもしれません。
インディアンと白人女性との間にできた子供がキーポイントとなる物語ですね。
スポンサードリンク
差別表現で大草原の小さな家の作者の名前が文学賞から外された?
原作者ローラ・インガルス・ワイルダーが書いた大草原の小さな家が、インディアンや黒人などに対する差別的表現があるとして、児童文学賞から名前を外されるという事件がありました。
米国図書館協会児童サービス部会(ALSC)は2018年6月25日、理事会にて「ローラ・インガルス・ワイルダー賞」を「児童文学遺産賞」に変えると全会一致で決めています。
ローラ・インガルス・ワイルダー賞とは?
ローラ・インガルス・ワイルダー賞とは、アメリカ図書館協会が女性作家のローラを記念して創立した児童文学賞です。
ローラ・インガルス・ワイルダー賞の第1回受賞者がローラで、ほかにもE・B・ホワイト(作家)やドクター・スース(絵本作家)なども加わります。
ローラの作品はインディアンや黒人への偏見が感じられる表現があると、以前から指摘されていました。
黒人やインディアンに対する差別表現が強いことから、ALSCが創立した賞にふさわしくないと判断されてしまったのです。
ローラがインディアンや黒人に対して差別的表現を使った裏には、時代的な背景がありました。
差別意識が残っていた大草原の小さな家の時代
大草原の小さな家で扱われる舞台は19世紀末ころなので、まだ人種差別が強く残っていました。
アメリカの黒人公民権運動が盛んになりだしたのは以下20世紀になってからです。
●1955年 ローザ・パークスのバス・ボイコット事件
●1963年 キング牧師がアフリカ系アメリカ人の公民権運動で演説をする
●1965年 マルコムXの暗殺事件
●アメリカ先住民インディアンの権利回復運動はさらに後
20世紀中ころになって人種差別問題が注目されるようになりました。
ローラ・インガルス・ワイルダーが書いた小さな家シリーズは、1932年~1943年にかけて発表されています。
大草原の小さな家のテレビドラマが放送されていた時期は1974年~1983年です。
19世紀末が描かれる大草原の小さな家の時代は、インディアンや黒人に対する差別が当たり前の時代だったのです。
そのためローラがインディアンたちに差別表現をしたのは、仕方ない部分がありました。
問題とされた差別表現
問題とされた差別表現として、原作「大草原の小さな家」の冒頭部で以下の記述があります。
「人間は誰もいない。インディアンしか住んでいない」
「死んでいるインディアンだけが、良いインディアンだ」
引用:大草原の小さな家
まるでインディアンが人間以外の生命体のような扱いです。
ほかにも作品内で黒人を「黒んぼ」と表現しているところがあります。
「人間は誰もいない。インディアンしか住んでいない」については、1953年に出版社のハーパースが「人間」の部分を「開拓者」に変えたと、米誌ワシントン・ポストで発表されました。
大草原の小さな家が発端でおきたこんな事件
小さな家シリーズはアメリカ開拓者の生活を詳細に書いているので、学校で教材として使われていたことがあったようです。
ミネソタにある小学校で3年生に大草原の小さな家を授業で教えたところ、インディアンの児童が泣いて家に帰るという事件が起こりました。
本編にある「インディアンなんて死んだインディアンだけ」という言葉に、子供がショックを受けたのです。
このためインディアンの母親は、学校側に大草原の小さな家を授業で使わないようにと依頼をしました。
子供にとって学校は楽しく過ごせる場であってほしいと、母親たちは考えたのです。
この事件があって以後、大草原の小さな家を学校で使用することについて検討するようになったそうです。
大草原の小さな家の愛読者たちの意見
ローラの作品を愛する人たちの意見としては
●こんな時代もあったのだと子供たちへの教育として使える
などがあります。
ALSC理事会はローラ作品が児童文学史上の傑作であり、いまだに愛読されていると理解したうえで、たくさんの読者を傷つけたことも認識しているという発表をしています。
インディアンとは?
インディアン(Indian)とはアメリカ先住民のことで、ネイティブ・アメリカンといわれることもあります。
スペイン語やポルトガル語ではインディオ( indio)とよびます。
日本語ではメキシコより北にある部族をインディアン、メキシコ以南のラテンアメリカにいる部族をインディオと分けてよぶことがあります。
白人移民者に領土を奪われていたインディアン
1492年にコロンブスがアメリカ諸島を発見して白人が移民してくるまで、アメリカ大陸には先住民族であるインディアンが住んでいました。
しかし移民者がアメリカの土地を開拓していくにつれ、インディアンたちの住む場所がなくなっていきます。
やがてインディアン側とアメリカ政府側で、土地をめぐる争いを起こすようになりました。
原作の大草原の小さな家では争いのシーンに触れていません。
しかし原作でインディアンたちが住みかを奪われて、べつの場所へ引っ越しさせられる場面が書かれたことはありました。
ローラの父さんは移民者とインディアンの争いが起きそうと感じると、たとえ開拓した土地でも家族を連れて他の場所へ移ったそうです。
大草原の小さな家では描かれていませんが、実際にはインディアンとアメリカ人の間で、土地をめぐる戦いがあったのです。
そんな時代のインガルス一家とインディアンの物語が、今回ご紹介した3エピソードで描かれます。
まとめ
大草原の小さな家は19世紀アメリカの西部開拓時代のお話です。
当時の時代背景をあらわすようにインディアンや黒人に対する差別的描写が、原作にはありました。
そのためにローラ・インガルス・ワイルダー賞は、名前が児童文学遺産賞に変更になっています。
大草原の小さな家の時代は、インディアンと開拓民との間で争いが起こることもありました。
ローラたちからすればインディアンは、ちょっと怖い存在に見えたかもしれません。
テレビドラマ大草原の小さな家では、黒人やインディアンの差別問題が扱われた重いエピソードもあります。
今回ご紹介したインディアンが登場する3つのエピソードも、そんなアメリカ先住民と開拓民との葛藤を感じさせる内容になっています。
以下の記事には、大草原の小さな家を無料視聴する方法について書いてあります♪
大草原の小さな家みたいな傑作は、DVDを購入して鑑賞したい方もいるでしょう。
そんな時は以下記事に大草原の小さな家のDVDを購入した人の口コミがありますので、あわせてご覧ください♪
以下の記事では大草原の小さな家の魅力を7つ紹介しています、興味のある方はあわせてどうぞ♪