今回は漫画家などの表現者にとって、実は苦悩や葛藤が大切だった理由を書いてみます。
僕は不足は存在しないと、このブログで再三書いてきました。
しかしたとえ幻だとしても、不足のおかげで得たメリットもあるのです。
表現者としてボクが思うことは、こういうことなのです。!
苦悩などの不足感が漫画家や表現者におよぼす影響とは?
苦悩や葛藤などの不足感こそが、表現者の表現欲求を刺激し、創作を行わせるのです!
僕はよく「不足は存在しない」とか「いつも良い気分で過ごす」と書いているので、悩みのなさそうな人に見えるでしょう。
でもそのようになったのは、最近のこと。
昔はもうエゴのかたまりでした。
人と自分を比べて悩み、些細なことに気を使い、気疲れして弱ってしまうタイプの人間だったのです。
僕は学生時代もその後も、コンプレックスにまみれていたのです!
成人してからはろくに働かず、絵や漫画を描いたり、本を読み、アニメや映画を観ることを最優先しました。
僕はバイトや正社員として働くくらいなら、好きなことに時間を使っていたい人間なのです。
好きなことをやり続けてきた体験が今の仕事や活動に、良い影響を与えています。
僕は創作が出来れば満足だし、趣味もお金のかからないものばかりだったので、最高に幸せだったのです。
しかし同時に僕は「習慣的にお金がない」という経済的苦悩のなかにありました。
ろくに仕事をしないので、収入自体が少なかったのです。
僕の価値観では好きでもない仕事でお金を稼ぐよりも、絵を描き、本を読み、芸術に触れる方が、はるかに価値のある生き方だったのです!
でも好きなことを仕事にしたら、僕は無我夢中で仕事に取り組みます。
「好きなことで仕事をする」というのは、もはや仕事というより「生きがい」だからです。
でも興味のないことには1ミリほどの関心も動かない人間だったのです。
そのおかげか、僕は稀にみるくらい金のない男でした。
しかし人生は工夫しだいでどうにでもなります。
お金がないという苦悩はほかのやり方で代用し、人生を幸せに生きてきたのです。
僕は人生で数々の苦悩を味わうなかで、このように思いました。
「自分がしてきた全ての体験を芸術(マンガアート)に昇華し、不滅の遺産を生涯作り続けてやろう!」と。
そうです。
苦悩がボクに、燃え盛る創作意欲を与えていたのです!
苦悩まみれの人生だったからこそ、それをふきとばそうとして情熱に火がつき、創作にのめりこんだのです!
不足は幻です。
しかしたとえ幻だとしても、不足の体験がボクの創作パワーを後押ししました!
苦悩や葛藤は、そのまま創作内容にまで影響するものです。
例えば僕は以下の漫画で自分の最大の苦悩を象徴的に表現しました。
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歴史上の表現者も苦悩から影響を受けていた!?
僕が心底愛するドイツの詩人、フリードリヒ・ヘルダーリンは30代で統合失調症を患っています。
これは一見すると苦悩の出来事ですね。
しかし精神疾患からくる発想の飛躍によって、歴史に残る詩作を残しました。
フランスロマン派の作曲家ベルリオーズは痛い失恋を経験した後に、代表作「幻想交響曲」を作曲しました。
これも苦悩がきっかけになって作品が生まれていますよね。
ベートーベンは30代で耳が聞こえなくなった時、あまりの絶望で自殺しかけたそうです。
しかし「芸術」が死をひきとめました。
「わたしはまだ死ねない。まだ作るべき音楽があるから、死ぬわけにはいかない!」みたいな文章をハイリゲンシュタットの遺書として残しているのです。
その後ベートーベンはより作曲に集中し、交響曲「運命」や「田園」、「第九」など人類史上に残る不滅の音楽群を残しました。
モーツァルトは晩年、演奏会の人気が落ち目になり、金遣いもあらかったため、金欠でいろんな人に借金の催促をしたそうです。
せっかく生まれた子供を続けざまに失くす経験もしています。
そんな苦悩続きの中で、モーツァルトの音楽は透明さを増していき「アイネクライネナハトムジーク」やオペラ「魔的」、最後の3大交響曲などを作曲しました。
太宰治は自分自身のコンプレックスを正面から見つめ、小説の中で表現することで、「人間失格」などの作品群を残しています。
画家のムンクは統合失調症であり、幻聴幻覚をみることがあったようです。
そんな苦悩や不安のありさまを絵で表現することによって、「叫び」などの傑作群を描いていたのです。
ヴァン・ゴッホは弟にお金を送ってもらいながら画家活動をつづけました。
ゴッホは絵が売れなかったので、弟に経済を全面的に頼るしかなかったのです。
金がないゴッホは貧しい生活をしながらも、その葛藤をバネにして絵を描きました。
ゴッホは統合失調症や癲癇のような精神疾患にかかっていたといわれています。
ゴッホは精神が錯乱して自分の耳を切り落とし、娼婦に渡すという驚きの行動をしたこともあります。
しかしゴッホは自らの精神的な狂気を絵に反映させることで、あの感動的な作品群を生み出したのです!
僕はジョンレノンの作る曲のほうが、ポールマッカートニーの曲よりもあきらかに好きです。
なぜならジョンレノンの作る曲には、独特な哀愁感や幻想があるからです。
僕はジョンレノンの不思議な哀愁感は、子供の頃に母親を事故で亡くした苦悩体験にあるのではないかと思っています。
ジョンレノンは幼い頃に母を亡くし、父とも生き別れて、さみしい子供時代を体験をしていたのです。
そんなジョンレノンだからこそポールマッカートニーにはない、独特な哀愁のある曲が書けたのだと思います。
このように表現者にとって苦悩やコンプレックスなどの不足感は、創作と結びついています。
苦悩や葛藤が引き金となって、創作のやる気が燃えて、不足体験を作品に象徴させるのです!
だから苦悩や不足は、必ずしもマイナスではないのです。
不足や苦悩は人生という一大絵巻を彩るために必要な、色合いでもあるのです。
最後に
僕もマンガアート芸術家として生きてくる中で、苦悩や葛藤が創作の引き金をひいていたと実感しています。
もちろん苦悩以外のところからも創作意欲はわきますけどね。
苦悩や不足を好んで体験する必要はありません。
人生楽しんで生きた方が絶対良いからです。
しかしこれまでの人生で体験してきた苦悩は、決して無駄ではないのです。
その苦悩や葛藤こそが、表現者の個性とまじりあって、創作に繋がるのだから。
そんな体験からボクは最後に、もう一度こう言わせていただきましょう。
「漫画家や表現者にとって、創作は苦悩から生まれるのだ!!」と。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
前後のエッセイ漫画は以下リンクに♪
以下記事には僕が仕事もせず図書館で本を読みまくっていた時代の話が書いてあります。