「使いずらいな~、漫画のつけペンって!」
ふだん使っているボールペンや鉛筆に比べて、漫画のつけペンは慣れるのに時間がかかります。
「よし、漫画のつけペンの線を引く練習するぞ!」って思われた方!
僕も漫画のつけペンを使いだした当時、線の引きにくさにだいぶ苦労しました。
しかしある練習法を行うことで、今ではつけペンを使って漫画が描けるようになりました。
この記事では漫画とアートを組み合わせて創作を行う筆者が、漫画のつけペンの練習法、つけペンを練習するための紙などについて徹底解説していきますので、どうぞ最後までご覧になっていって下さい!
2021年10月23日追記
漫画のつけペン練習法に関する4コマ漫画を描きましたので、まずはそちらをどうぞ♪
前後のブログ連載漫画「もっとがんばれ!バカオくん」は以下リンクに載ってます♪
Contents
漫画のつけペンはどんな時に使う?
漫画をアナログで描くとき、下描きをした原稿の上にペン入れをしていきます。
漫画のペン入れをするときに使う道具が「つけペン」です。
ペン入れをする際、ピグメントライナーなどで描く人もいるけど、プロの漫画家の多くはつけペンで描く方が多いです。
漫画のつけペンは初めのうちは使いづらいでしょう。
しかし慣れてくるとつけペンは筆致の強弱で線に抑揚がつけられるので、表現力のある絵が描けるようになります。
漫画描きにとってつけペンは侍における刀と言えます。
使いこなすのが難しいけど、自分のものにできたら創作における強力な武器となるのです!
つけペンの構造
これは僕が使っているGペンですが、ペンの中央に割れ目が入っているのが分かるかと思います。
漫画のつけペンの特徴は、ペン先の真ん中に割れ目があることです。
つけペンはペン先の割れ目にインクがしみ込み、これによって絵が描ける仕組みになっています。
僕たちがこれまで使ってきたボールペン、シャーペン、鉛筆との違いはここにあります。
ボールペンのようにインクツボが中に入っているのではなく、その都度 インク(または墨)につけて描くのが漫画のつけペンなんですね。
【漫画のつけペン練習法】~線の引き方
つけペンは真ん中に割れ目が入っていることから、線を引く角度が重要になります。
つけペンにとって線の引きにくい角度から描くと、ペン先が紙に引っかかってうまく描けません。
例えば
漫画のつけペンは垂直にまっすぐにはキレイに線が引けます。
しかし真横に線を引こうとすると紙にペンが引っかかってしまうのです。
漫画の絵は線から成り立っているので、一本一本の線のクオリティが大事になってきます。
ひっかかったガタガタな線じゃいけないわけです。
つけペンでキレイな線を引くときは、描きやすい線だけを引くようにしましょう。
角度的に引きにくい線は、原稿の方を動かして線を引くのです。
描く線の方向とペン軸の向きが平行に描かれるとき、キレイな線が引けます。
つけペンに慣れてくると、手首をひねる事でペン軸と描く線の方向を合わせてキレイに線が引けるようになります。
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しかし初めのうちは紙の方を回転させて、つけペンの線がキレイに引ける角度から描くようにしましょう。
【漫画のつけペン練習法】入りと抜きを意識する
漫画の線には「入り」と「抜き」があります。。
「入り」というのはペンで描きだす位置。
「抜き」に行くにしたがい力を抜き、徐々に細い線になるように線を引きます。
このような入りと抜きを意識することで線の見栄えが良くなるのです。
コツとしては
入りの部分で強めにペンを置いたあと、徐々に力を抜きながらペン先を紙から離す感じ。
また線は途中で蛇行したりくねらせないこと。
スゥッと一直線に引けるよう練習するのです。
必ずしも入り(描き始め)の部分が太くなくても大丈夫。
中間あたりで力を入れ始め太い線となり、ラストで細くするという描き方もありですね。
入りと抜きはペン入れをするとき重要な部分になるので使いこなせるようにしておきましょう。
僕もまだまだ入りと抜きを練習していきます!
【漫画のつけペン練習法】ペン軸をやや寝かせる
僕も漫画を描いていて思うのですが、ペン軸をまっすぐ立てた状態だと線が引きづらいです。
つけペンで線を引くときはややペン軸を寝かせるようにすると上手く線が引けます。
試しにペン軸をまっすぐ立てて線を引くとギギギ…という音がして非常に線が引きづらい。
このギギギッという音が鳴るときは上手く線が引けてない音です。
つけペンをやや寝かせて短い線を引いてみて下さい。
シャッシャッという音とともに心地良い線が引けるでしょう。
良い感じに線が引けているとき、シャッシャッという音がします。
つけペンで線を引くときは、シャッシャッを目印として、ギギギ…が来たら角度を変えるかペン軸を寝かせるかして調整しましょう。
初心者の方はつけペンの使いにくさに愕然とするかもしれません。
つけペンで絵を描ときのコツはペンを入れる時の角度です。
つけペンで線が引きづらくなったら、こまめに紙の角度を変える。
つけペンの線が引きやすい、勢いのある線を引ける角度から線を入れていく事が大切です。
漫画のペン入れをピグメンライナーなどで行うほうが簡単かもしれません。
しかし僕はつけペンの表現力は他の画材とは比べ物にならないものがあると感じています。
漫画のつけペンは弾力があるので、ペンを入れる時の力の強弱で線味を変えることが出来る。
これは線に人間が描く生命感を込められるということ。
ピグメントライナーでも線の強弱はつけられるでしょう。
しかしつけペンの表現力は、その上をいきます。
だから、本格的にアナログで漫画を描きたいのなら、つけペンで描くことを僕は推奨しているのです。
つけペンの線に魂をこめて描くことで線に情熱が伝わり、漫画に伝わるのです。
【漫画のつけペン練習法】ひたすら線を引く練習をせよ!
つけペン初心者の人は絵を描く練習と、線を引く練習は分けて行うと良いでしょう。
まだつけペンで線を引くことに慣れていないのであれば、キレイな線を引く練習がまず必要なのです。
デッサンなどの画力上達の練習はしつつ、漫画のつけペンで線を引く練習も並行して行っていきましょう。
絵が器用にかけても、それがつけペンに反映できなければ意味がありません。
また漫画のつけペンは常日頃から、線を引く練習をする事で上手くなっていきます。
プロの漫画家でも数日ペンを握っていないと、ペンで描く力が鈍ると言われています。
つけペンの練習は、野球選手におけるバットの素振りの様に基礎訓練として必要なのです。
つけペンで線をキレイに引けるようになったら、つけペンでどんどん絵を描きていきましょう!
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つけペンで線を引く練習をする紙は?
つけペンで線を引く練習をする時、どんな紙を使ったらいいんでしょうか?
僕はつけペンの練習をする時は、安価なコピー用紙を使用していました。
コピー用紙は表面がツルツルしているので原稿用紙に近い感じでつけペンの練習ができます。
ただコピー用紙は紙が薄く、インクがにじみやすいのであくまで練習のみにとどめておきましょう。
原稿用紙での描き味を覚えておきたいならば、漫画専用原稿用紙でのつけペン練習もしてみましょう。
漫画専用原稿用紙は種類によって描き味が違うので、つけペンの練習をしながら描きやすい原稿用紙を探してみるのも良いでしょう。
画用紙は表面がケバだつ紙もありペンがひっかかりやすいので、コピー用紙の方が練習には向いています。
つけペンの練習は基本的にどんな紙でも出来るので、どんどん描いてみましょう!
漫画のつけペンで線を引く練習
漫画のつけペンで線を引く練習をするときは、入りと抜きを意識して線を引くようにしましょう。
まずはつけペンで短い線をタテ、ヨコ、ナナメとあらゆる角度から引きましょう。
紙一面が線で埋まるくらい線を引くのです。
色々な角度から線を引き、どの角度からだと自分は線が描きやすいのかを知ることが大切です。
漫画のつけペンで絵や線をうまく引けるようになるにはひたすら練習あるのみなので、体が覚え込むくらいたくさん描きこみましょう!
【漫画のつけペン練習法.1】あらゆる角度から線を引く
漫画を描く人にとってペンは侍における刀です。
どこから切り込まれても返せるようにあらゆる角度から線が描ける練習もしておきましょう(誰に切り込まれるんだ!)。
描きづらい線は、原稿を回転させて描きやすい位置から線を引くのは一緒。
斜めからの線を引く事に慣れてくると、原稿を回さなくても手首を使って斜め線が引けるようになってきます。
【漫画のつけペン練習法.2】丸や図形を描く
漫画のつけペンの練習として、フリーハンドで円や図形を描いてみましょう。
丸を正確にフリーハンドで描くのは難しいです。
円をつけペンで描くときはゆっくり、紙を回転させながら線を引きます。
大きい円も小さい円もたくさん描きましょう。
コンパスで正確な円を描き、その上をペンでなぞるというのも練習になります。
丸いものを描く機会はけっこう多いので練習して慣れておくと後で役に立ちます。
また四角、三角など色々な図形をフリーハンドで描きましょう。
ペンになれるためには、ペンであらゆるものを描くのが一番!
つけペン初心者のうちはシンプルな図形や線を日課として描ようにすると良いです。
【漫画のつけペン練習法.3】長い線を引く
漫画のつけペンで長い線を引く練習もしましょう。
フリーハンドで長い線を引いてみる。
ぐにゃぐにゃした線を引いてみる。
くるくるした線を引いてみる。
・どのくらいインクをつけるとどの辺まで線が引けるのか?
・長い線を引く時につけペンへの力の入れ具合で、どのように線味が変わるのか?
長い線を引く中でも色々発見はあります。
定規を使ってまっすぐな線を引き、その上をペンでなぞるというのも練習になります。
フリーハンドで直線に近い線を引く練習になるのです。
あらゆる線が引けるようになることでつけペンで絵を描くときに役に立ちます。
【漫画のつけペン練習法.4】所定の位置で線を止める練習
a、bと上下に線を引き、その間をフリーハンドで線を引くつけペンの練習もあります。
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[/wc_column][/wc_row]
<ポイントはabの線上でピッタリ線を止めること。
<ワンストロークで描くようにすると良いでしょう。
この練習をすると、カケアミを描くときに役に立ちます。
カケアミとは単線をかけ合わせることで効果を出す漫画表現のこと。
カケアミは決められた位置で線を止め、これを掛け合わせていく技法。
所定の位置で線を止めるつけペンの練習は、カケアミを描くときに生きるのです。
カケアミについては以下の記事でも解説しているので、どうぞ!
【漫画のつけペン練習法.5】日常生活の中につけペンを持ち込む
もう一つおすすめのつけペン練習法が、「日常の中にペンを持ち込む」こと。
つまり何か書き物をするときは何でもペンとインクで行うのです。
普段シャーペンやボールペンを使っている所をペンにするだけでも大きな練習になります。
何かを習得しようとする時、それを習慣にまで落とし込むことが重要になります。
僕は日記や書き物をするときも常にGペンを使うようにしました。
これをしただけでもすごくGペンが使いやすくなったのを覚えています。
例えば学校や職場で書き物をするときにつけペンを使う(許可は取りましょう)とか。
日常生活の中で書き物をするとき、つけペンを使えば自然と上達してきます。
ただしつけペンを使うときは、インクをこぼさないようにしましょう!
漫画のつけペン練習法のまとめ
漫画のペンを使って絵が描けるようになりたい時は、まずつけペンで線を引く練習をすることが大切です。
漫画の絵は線の集合体なので、一本一本の線をキレイに引くことが第一歩なのです。
漫画のつけペンで線を引く練習には以下がありました。
1.あらゆる角度から線を引く
2.丸や図形を描く
3.長い線を引く
4.所定の位置で線を止める練習
5.日常生活の中につけペンを持ち込む
線を引く練習は日課として毎日行うようにしましょう。
僕もつけペンで線を引く練習を今後も行い精進していこうと思います。
つけペンで絵や線を引く練習をする紙は基本的になんでも構いません。
コピー用紙や漫画専用原稿用紙は表面が滑らかなので、つけペンの練習に適しています。
まずはつけペンで線を引く事になれるのが先決です。
紙が真っ黒くなるくらい線を引いていくのです。
漫画の線は奥が深く、一本の線にも作家の人柄が現れます。
漫画の絵を構成するものは線。
一本一本の線に魂を込めることで全体としての漫画が引き立ってくるのです。
ひゃー、俺も漫画のつけペンで線を引いてみるか!