漫画を描くというのは、プロの漫画家でもなければ自己表現のために描くもんだといっていい。
プロの漫画家は、ビジネスで描いている。
プロの漫画家でも自己表現として描いている人がいるかもしれないけど。
でもプロの漫画家でもない人は、漫画を自己表現として描けばよいのだ。
世の中には自己表現が出来ないという人がいる。
あなたはどうだろうか?
仮にあなたが現実世界で自己表現をすることができない人だとしよう。
そんなことは問題ない。
なぜならあなたは漫画を描くことが出来るからだ。
もしくは漫画を描きたいと思っているから。
「私は絵が描けないので漫画が描けません」と言うかもしれない。
しかし漫画を描くのに絵が上手くなくちゃいけないということはない。
漫画家ではないのだから、あなたさえ分かれば棒人間だってOKなのだ。
その点で、漫画は絵が描けない人でも作ることができる。
漫画を描くというのを、プロのように描かなくてはいけないと考えているとしたら、それは間違っている。
プロの漫画家は仕事でやっている人たちだ。
でも自己表現として漫画を描く人は、自分自身を強烈に表現するために漫画を描くのだ。
あなたが仮に現実世界で自己表現することが苦手な人だとしても、あなたには表現するための手段がある。
漫画を描いて自己表現ができるのだ。
僕はこれまで絵や漫画を通した自己表現をしてきた。
だから漫画を描いて自己表現するのはたやすいと感じている。
自分自身を漫画にこめて創作をするにはどうすればよいのだろうか?
この記事では、漫画を描いて自己表現したい人に向けて僕がやってきた5つの方法を紹介しよう。
Contents
漫画における自己表現とは何か?
漫画を描いて自己表現するとは、自分自身のあらゆる要素を漫画のネタとして使うということ。
自分自身が持つ性質を漫画のなかで使い、描いていく創作法だ。
では自己表現とは何か?
自己表現とは「私が私であることを示す」ことにある。
今の世のなか、自己表現したい人というのは多いのかもしれない。
日本人は昔から農耕民族で和をもって尊しとする価値観があった。
だから欧米人のように自分を主張するよりも、周りに合わせ、協調してやっていくことを得意とする。
そういう背景があるから日常生活のなかで無理に自分を表明しようとする必要も感じない人が多い。
もしくは自分らしくありたいけど、一人だけ目立つのは嫌なのでとりあえず周りに合わせておこうという心理が働く。
僕は自己主張をせよと言っているわけではない。
自己表現をする必要がない人は、無理に自己表現をする必要はない。
ただ、何かしら自分を表現したいんだけど、なかなか周りの目が気になってできないという方のために、別な方法があることをお伝えしたいのだ。
これを読んでいる人は漫画を描く人。
それなら漫画を描いて自己表現しよう。
漫画は自己表現をするにはうってつけだ。
ぼくは小学校1年生の頃から漫画で自己表現をしていた。
何ら難しいことはない。
いまあなたが描ける絵で、いま作れる物語を漫画にすればいい。
自分自身を漫画で自己表現するというのは最高に楽しい行為である。
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漫画による自己表現1:主人公に自分を投影する
さあ、あなたはこれから漫画で自己表現をすることになった。
ではどうやったら漫画を描いて自己表現ができるのか?
「主人公に自分を投影する」
これが一つ目の方法。
漫画の主人公を自分にとても近い人物にしてみるのだ。
あなた、もしくはあなたにかなり近い要素を持った主人公を設定する。
漫画で自己表現するのだから、思いっきり自分らしい要素を主人公に与えてみよう。
漫画家が描くキャラクターには少なからずその作家らしさが宿ってくるものだ。
漫画の主人公というのは、どことなく作者に雰囲気がにていたり、性格が似ていたりする。
もしあなたがすごく自信家であれば、主人公も自信にあふれた人にしてみよう。
だから自分自身と向きあってみて、どんな性質の人なのかを把握することが大切。
性格や趣味、歩んできた人生…それらの要素を主人公に与えていくと、漫画による自己表現が始まる。
あなた自分自身を漫画の主人公に反映させると、創作が面白くなってくる。
ぼくもこれまでずっと漫画で自己表現をしてきた。
そのときに、まず主人公に自分の性質をあたえてきたのだ。
自分が持つ特徴的な性格、長所や短所、体験してきたことなどを漫画のネタとして使っていた。
自分の要素を主人公に与えると、とても親近感がわいてくる。
まるで自分の分身のように、主人公が感じられてくるのだ。
そして自分自身を投影した主人公で漫画を描くとき、その漫画には深い愛着を感じる。
その漫画を描くことがとても面白くなる。
自分を投影した主人公が、いろんなキャラクターと絡んでいくことを想像するだけで楽しくなってくる。
漫画のメインキャラクターに自分自身を投影させて、自己表現をおこなうのだ。
漫画による自己表現2:思いをテーマに込める
漫画で自己表現したいなら「あなたの思いを漫画のテーマに反映」させることだ。
漫画のテーマにあなたが一番表現したいことを入れることで、自己表現になる。
漫画のテーマとはその作品のなかで一番伝えたいこと、訴えたいことといえる。
テーマを漫画にいれることで、読者はその漫画を読んだときに、何かを感じてくれるだろう。
作者が漫画にこめたメッセージを読者が感じてくれたとき、あなたの自己表現は誰かにに届いたことになる。
例えば、「人間は思いやりが大切なんだ」と自己表現したいと思ったとしよう。
そしたら、16ページの読み切り漫画で最終的に読者が「人間は思いやりが大切なんだ」と感じるような展開に作っていけばいい。
ただし長編漫画でもないかぎり、一つの読み切り漫画には一つのテーマに絞っておいた方がいいだろう。
あまりたくさんテーマがあると、読者は何が伝えたいのかが分からなくなってしまう。
漫画は物語やキャラクター、セリフなどを通してどんなふうにでも思いを伝えることができる。
是非とも漫画であなた自身を強烈に自己表現していこう!
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漫画による自己表現3:主人公に問題を与える
漫画の物語を作るときは、まず主人公の「問題」を考えよう。
問題とは悩みであり、何としても乗り越えなければならない壁といえる。
例えば
●何としても今年中に結婚しないと主人公は死ぬことになる
●愛するペットが病気にかかり、直したいけど獣医がこの世から消えてしまった
など、何かしら緊急に解決すべき問題を設定するのだ。
物語では問題があって、試行錯誤のすえに問題が解決する過程を描くもの。
問題をかかえている対象が、その漫画の主人公だったりする。
物語によっては主人公の問題が解決せず、読者に問題定義をなげかけて終わるという展開もありえるだろう。
ともかく主人公になんらかの問題があり、それを解決するために物語は動き出す。
漫画を通して自己表現するというのは、この「問題」の部分にあなたが持つ最大の悩みを当てるのだ。
例えば昔からどもりで人前で上手く話せないなら、主人公の問題に「どもり」を当てはめればいい。
●何度かラブレターを下駄箱に忍び込ませたけど、すべて撃沈!
●でもあきらめきれず挑戦していく主人公の男子は…
のような流れの物語が思いつく。
主人公の問題に自分の悩みを入れて、解決する過程を描くというのは漫画で自己表現をしているのだ。
もう一つの例を挙げよう。
あなたがホラー漫画が好きだとしよう。
でも自分が本当に面白いと思う作品にはまだ出会えていないとする。
そんなときはあなたが本当に読みたいホラー漫画を自分の手で作ってしまえばいい。
あなたをドキドキさせる怖さのツボを完全に抑えたホラー漫画を作るのだ。
これもあなたが感じる恐怖のポイントを基に漫画を描いているので「自己表現」といえる。
「私はこんなホラーが好きなんだ!」という思いを漫画を通して表現しているのだ。
主人公が抱える問題の部分に自分の悩みを当てはめて、物語のなかで解決する過程を描く。
主人公が抱える問題が最終的にどうなるかは、自由に発想していけばいい。
漫画はトリッキーに面白いアイデアを取りこむことで、予想外のオチになって面白くなったりする。
漫画による自己表現3:人生をそのまま漫画にする
「あなたが歩んできた人生をそのまま漫画にする」というのも漫画による自己表現になるだろう。
あなたが生きてきた人生をそのまま漫画にしてみるのだ。
あるいは歩んできた人生をもとに架空の物語を作ってみる。
あなたの人生を漫画にするときは、ところどころ面白くなるように展開を変えていくといいかもしれない。
あなた自身を漫画で自己表現するために、生きてきた人生を素材として使ってみるのだ。
自分の人生を漫画にするときはあなたが持っている夢や目標を、主人公の目的に設定してみるといい。
あなたの望みを主人公と共有することでキャラクターを動かしやすくなるだろう。
あなたの人生を色どる様々なエピソードを漫画のところどころに配置して物語を展開させてみよう。
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漫画による自己表現4:出会ってきた人をキャラクターに使う
あなたが人生で出会ってきた全ての人は、キャラクターのアイデアになる。
あなたが知ってるあの人は、自己表現漫画で登場させてみよう。
電車で面白い人を見かけたら、その人の特徴を使ってキャラクターを考えてみよう。
あなたの人生でもし憎くてしょうがない人がいるなら、その人を敵キャラクターに設定してみよう。
物語は対立構造を作ることで面白くなる。
有名な漫画には必ずといっていいほど、対立構造が存在している。
●「巨人の星」の星飛雄馬と花形満
●「あしたのジョー」の矢吹丈と力石徹
●「ドラゴンボール」の悟空とベジータ
いわゆる「宿命のライバル」というやつ。
憎きあの人を「宿命のライバル」化することで、キャラ同士の戦いがヒートアップして面白い漫画になるかもしれない。
あなたに好きな異性がいるならその人をヒロインや憧れの人に設定してみるのもいいだろう。
体形や顔立ちにデフォルメ(対象を変形させて描く事)をくわえて、雰囲気を似ている感じにするのだ。
ようは人生で忘れられない印象深い人がいたら、その人の要素をキャラクターにしてみるという創作法である。
自分が体験したことはぜんぶ漫画のネタとして使える。
面白かった人も嫌だった人も、厳しかった人も、どんな人も、みんなキャラクターにできる。
あなたが今思い出してるあの人も、キャラクターにできる。
でもキャラクターにするときはその人だと分からないように、外見を変えたり、設定をいじってから使うようにしよう。
あからさまに自分のことが漫画になっていたら驚いちゃうもんね
漫画による自己表現5:本当はしたいけどできない事を漫画にする
本当はしたいけどできないことを漫画にしてみよう。
これも漫画による自己表現だ。
誰にでもこれがしたいんだけど難しいってことがあるだろう。
それを漫画のなかでネタとして使ってみる創作法だ。
漫画の世界だとどんな希望も叶えることが出来る。
漫画表現の強みは、どんな絵空事でも作れてしまうところにある。
どんなに壮大な願いごとでも、漫画のなかでなら叶えることが出来る。
なので是非とも漫画の世界でしかできない願望を、描いてみて欲しい。
例えばぼくなら海の見える丘の上の下宿で、漫画を描いている青年という主人公を考えたことがある。
青年のまえには未知の大陸が広がっている。
この青年は漫画を描きながら伝説の大陸を冒険して、いろんな面白い体験をするのだ。
漫画は空想を形に出来るので、とても面白い自己表現手段だと思う。
ただし主人公がいとも簡単に望みを達成したらつまらないので、出来る限り大きな壁を設定しておこう。
主人公がたちはだかる問題を、苦難の末に乗り越えていく過程が、漫画のドラマになっていく。
最後に
漫画を描いて自己表現する方法の例をいくつか解説してきた。
漫画で自己表現する方法は以下の通り~
1.主人公に自分を投影する
2.思いをテーマに込める
3.人生をそのまま漫画にする
4.出会ってきた人をキャラクターに使う
5.本当はしたいけどできないことを漫画にする
ここにあげたものは一例であり、自己表現するためにみずからの方法論を作っていくのが最善。
漫画の描き方というのはそれこそ人の数だけある。
なのであなたなりの漫画の描き方を見つけるのが大切なのだ。
漫画にあなたの要素を色濃くだすことで、「自己表現」としての漫画を描くことが出来る。
あなた自身をキャラクターや物語、テーマに反映させること。
これが漫画を描いて自己表現する方法である。
漫画で自己表現するためには、漫画創作の基本を知っていたほうが良いだろう。
その理由が絵本の読み聞かせにありました!