漫画のテーマを決めたら、次は漫画の構想を立てる段階に入ります。
「漫画の構想って何」?
そう思う方がいるでしょう。
漫画の構想とはあらかじめ決めておいたテーマをもとに、漠然としたアイデアを漫画の形に置きかえていく作業です。
これから描こうとする漫画の世界を、空想するのです。
⇒構想を立てる前に決めておきたい漫画のテーマについてはこちらをクリック♪
漫画の構想を練るというのは、人によっては必要ない工程かもしれません。
しかし漠然としたアイデアだけがあり、それを漫画の形にしたいというような時は、役に立つ工程です。
本日は漫画を作るために、必要な構想の立て方について解説していきます。
これを読むことで漠然としたアイデアだけがある状態から、漫画の全体像を把握できるようになるでしょう。
Contents
1:漫画の全体像をアイデア出しする
漫画の構想を練る時は、テーマをもとに漫画の全体像をアイデア出ししていきます。
漫画の構想を練る目的は何か?
描きたいテーマや漠然としたアイデアを、漫画の形にするために構想をねります。
漫画の構想をねるときは、アイデアを紙などに書きなぐってみましょう。
文字でも絵でも大丈夫です。
とにかく頭のなかにあるアイデア、絵や字をおりまぜてアウトプットするのです!
紙などに書き出したアイデアの断片を、構想書ということにしましょう。
さあ、自分が書き出した構想書をみてどんなイメージが浮かぶでしょうか?
漫画のテーマをもとに、想像をふくらませて下さい。
漫画の全体像を、イメージしながら構想をねります。
ここで筆者が、構想を出す例を書いてみます。
例えば、宇宙人の物語を描くとしましょう。
テーマは「宇宙人と人間との和解」。
ここまで決まっているとしたら、どう構想をねるでしょうか?
疑問点~
●どこの惑星の宇宙人なのか?
●なぜ宇宙人は地球へ来たのか?
●宇宙人はどんなドラマの末に、人間と和解するのか?
●宇宙人の外見や性格は?
●宇宙人の持つアイテム、必殺技は?
●宇宙人に仲間や敵はいる?
●この漫画の見どころ、クライマックスはどこなのか?
●宇宙人にとっての悩みは何?どうなると宇宙人の問題は解決するのか?
これらの疑問に、構想書のなかで一つ一つ答えていきます。
答えていくというより、イメージします。
主人公の外見の隅々まで、生活空間や人間関係まで思い描きます。
主人公はどんな風にしゃべり、笑い、落ち込むのか?
漫画全体のイメージが明瞭に出来ると、創作が軌道にのります。
描こうとしている漫画がイメージとして見えてないと、作りようがありません。
出てきたアイデアを、どんどん紙に書き出します。
空想を使って、これから描こうとする漫画の世界を想像するのです。
描きたいテーマや漠然としたアイデアをもとに、空想をめぐらして描くべき世界をたぐりよせる。
なんとなくこんな漫画を描きたいなという思いを、物語やキャラクター化していきます。
そのためには頭のなかにあるアイデアを、どんどん描きだしましょう。
2:連想法で漫画の構想を考える
筆者はアイデアをだすときは、連想法を使います。
連想法とはある考えをきっかけに、それと関連する様々なイメージを思いめぐらせること。
連想法を使うと、一つのアイデアから予想外なアイデアが生まれることがあります。
連想法を使って構想を書き出すときは、文字でも絵でもどちらでもOK。
筆者は主に文章で書き起こし、絵なども描いて構想のイメージをふくらませています。
イメージを、文章や絵に変換するのです。
以下は筆者が書いた構想の紙。
筆者の場合、頭の中にあるイメージを言葉に書き出すことで構想が浮かびやすくなります。
再度、宇宙人の物語を例にして発想法を書いてみます。
「宇宙人と人間との和解」というテーマで、筆者が連想法を使ってだしたアイデアが以下です。
疑問「なぜ宇宙人は地球へやってきたのか」?
●故郷の惑星で戦争が起こり、王様は息子を危険にさらしたくないので、宇宙人の息子を地球へ亡命させる。
●宇宙人には、どうしても地球へ行かないといけない理由があった。
●宇宙人は目的を果たすために、地球へやってきたのだ。
●宇宙人には愛の感情が欠けており、その本質を人間から教わろうと思ってやってきた。
●もともと愛の感情が欠けている宇宙人は、人間と仲良くすることが出来ず問題を起こす。
●人間と一緒に生活することで愛の感情を学んだ宇宙人
●宇宙人は故郷の惑星に戻って愛の精神を伝えた
●心をいれかえた宇宙人の惑星では戦争がなくなった
筆者は、このような空想が浮かびました。
「宇宙人と人間との和解」というテーマをもとに、連想法で上の空想を考えたのです。
「なぜ宇宙人は地球へやってきたのか?」という疑問に対して、連想法を使って案を出しています。
宇宙人というネタで漫画を描きたいと思っているなら、「宇宙人」というイメージから空想を広げてみます。
宇宙人に関連してアイデアが浮かんだら、紙に書きだします。
こうして出てきたアイデアをパズルのように組み合わせて、漫画の構想を練っていくのです。
以下の記事では、四コマ漫画を作る際に行う連想法について解説しています♪
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物語は原因と結果の流れで繋げる
「ある出来事を受けて主人公はどう行動し、どんな結果を得たのか?」
というように、「原因と結果」でストーリーをつなげると物語は作りやすいです。
物語を作っていて迷った時は、漫画のテーマを思い出してください。
物語の筋は、最終的にテーマに収束していく。
漫画のテーマは、着地点です。
物語やキャラクターなどの創作で迷いが出たら、漫画のテーマは何だったのかに思いをはせて構想をねります。
漫画の構想ではパズルのピースを探し当てる?
漫画の構想では、テーマをもとにアイデアを出します。
出てきたアイデアを使って、物語を作ります。
ここでは「宇宙人と人間との和解」のテーマで、物語を作る例を以下に書いてみます。
このテーマの場合、人間と宇宙人との和解を描くのが漫画の最終目標になりますね。
だから宇宙人と人間との間には、はじめ溝があります。
その溝を埋めるドラマを描くことになります。
物語を書く時は、連想法で出したアイデアをつなげていく感じで作るとよいでしょう。
宇宙人には、愛の感情が欠けていました。
思いやるという気持ちをもっていない生物なのです。
宇宙人が愛を知らないということは、故郷の星の仲間たちも愛を知らないはずです。
愛を知らない生物ってどんな存在だろう?そんな空想がここで生まれます。
愛を知らない生物だから、故郷の惑星では戦争が起きたんだろうなと想像がつきます。
愛を知らない宇宙人は、地球で人間と出会い、驚きました。
相手を思いやる人間の行動が理解できないのです。
宇宙人は一人の青年と出会い、仲良くなります。
宇宙人はこの青年とのエピソードを通して、愛や思いやりとは何かを知っていくのです。
~と、筆者はこのような物語が即興で浮かびました。
この物語はホラーやラブコメ、アクションものなど、どのようにもアレンジすることができます。
いかにアレンジするかは、作者次第です。
筆者は漫画のテーマをもとに、空想をして上の物語を思いつきました。
あるアイデアをきっかけに連想をして、物語をつむいでいきます。
それはまるでパズルのピースを探し当てるような作業です。
漫画全体を完成したパズルだとすれば、物語やキャラクターはパズルのピースなのです。
自分のなかに眠るパズルのピースを探し当てるような感じで、空想をしてみましょう。
3:キャラクターを明確にする
漫画の構想を練る上で大切なのはキャラクター。
キャラクターは漫画の中心です。
なぜならキャラクターがいかに考え、話し、行動したか?
この軌跡が物語となるからです。
キャラクターが決まらないことには、物語は始まらない。
そのためにも構想の段階でキャラクターはどんな性格、生い立ち、ヴィジュアルなのか?
主人公の周りにはどんなキャラクターが存在するのかを決めておくことが大切です。
キャラクターを決めるには?
以下の要素を考えておくと、キャラクターのイメージが出てくるのではと思います。
●外見(絵で全体像を描いておく)
●性格
●長所短所
●親子関係
●人間関係(友達や先輩後輩、ガールフレンドなど)
●話し方
●癖
●学校、仕事は?どこで何をしている?
●人生の目標
●趣味
●うれしいこと、きらいなこと
●悩みは何?どうすれば問題は解決するのか?
これらを決めるのはなぜか?
プロフィールを作ることでキャラクターのイメージが確立し、漫画のなかで動かしやすくなるからです。
キャラクターの具体的なプロフィールが定まると、そのキャラが漫画のなかでどんな行動をとるかが、なんとなく分かってきたりします。
個性のはっきりしたキャラクターをある状況に置くと、キャラクターの方が勝手に反応を示してくれることがあるのです。
あいまいな設定のキャラクターだと漫画のなかで目立たず、読者から見ても印象の薄い存在になってしまうでしょう。
構想の時点でキャラクターのヴィジュアルを含めて、履歴書を作るつもりで書き出してください。
下は僕が構想の段階で描いたキャラクターのラフ画。
あくまで大体こんな感じという事で描いており、この後も変更があればどんどん付け足していきます。
[wc_row][wc_column size="one-half" position="first"]
[/wc_column][wc_column size="one-half" position="last"]
[/wc_column][/wc_row]
キャラクターの性格、外見、服、髪型などをこの時点で決めるわけですが、まだ遊びは残しておきます。
構想を練り、プロットを立て、ネームを描くという漫画制作の中で、徐々にキャラクター像が確立すればいいということです。
キャラクター設定は、制作を進める中で徐々に分かってくるものです。
なのでキャラクターのアイデアが生まれ次第、構想書に書き加えていきます。
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4:大体のページ配分を決めておく
構想でいろいろな案を出していくとき、いろいろ物語やシーンが浮かぶと思います。
描く漫画のページ数の内、どのページにどんなシーンがくるかなどは、ざっくりとでいいので構想の段階でめどをつけておきます。
まずは、その漫画を何ページで仕上げるのかを決めます。
漫画を投稿したり賞に出したりする場合、既定のページ数で作品をまとめる必要があります。
漫画のページ数というのは8の倍数で決められます。
8、16、24、32,40ページのように、8の倍数のページ数が規定となっているところが多いです。
8の倍数は、雑誌で漫画を印刷する時に都合のよいページ単位と言われています。
漫画を既定のページ数でまとめ上げる力は、とても大切。
ページ数の縛りのない漫画はダラダラいつまでも続けることが出来るので、メリハリや作品の締まりがなくなってしまいます。
漫画のページ配分
ページ数を決めたら次は、漫画内容のページ配分を決めていきます。
冒頭、キャラクターの登場シ-ン、クライマックスなど、漫画のシーンごとに大体で良いのでページに割り振っていきます。
例えば
●冒頭の主人公の登場シーンは何ページ以内に終了させる
●ヒロインとの初対面は何ページから
●クライマックスのシーンは何ページ分余裕をとっておく
などのように。
ページ配分を決めることで、既定のページ数内で漫画をまとめる練習になります。
ページ配分を考えないで制作に入ると、後になってもっと描きたいところがあるのにページ数が足りなくなったなんて事にもなりかねません。
ページ内にどんなコマ、構図でセリフを入れるかを考えるのはネームの段階で考えます。
構想の時点でネームや作画のときに入れたいアイデアが出たら、メモをとっておきましょう。
構想の段階では、大体どこにどんなシーンを組み込むかをざっくりとメモしておくくらいで大丈夫でしょう。
漫画の構想の練り方のまとめ
漫画の構想をねるというのは、空想力を使ってこれから描こうとする漫画の世界をイメージすることです。
漫画の構想を練るときの道しるべとなるのが、漫画のテーマでした。
漫画の構想をねるときは、とにかく頭の中にあるアイデアをどんどん書き出して、漠然とした案を漫画の形に置きかえていきます。
正直漫画の構想を練るという作業は、人によっては飛ばしてもかまわない場所といえます。
次のプロットの段階でまとめてやっても、大丈夫なところですから。
しかし漠然としたアイデアだけがあり、それをなんとか漫画の形に翻訳したいというとき、構想は役に立つ工程です。
つまり漫画の構想とは、空想をはばたかせて漫画の世界をイメージすることなのです!
漫画の構想をねる流れ~
1.テーマをもとに漫画の全体像をアイデア出しする
2.連想方式で漫画の物語を考えていく
3.キャラクターを明確にする
4.大体のページ配分を決める
漫画の構想を練る目的は、漠然としたアイデアを紙の上に出していき、漫画の形に置き換えていくこと。
構想の段階で全てが明確に決まることもあるし、遊びを作っておいて後からより詳細に設定していくのでも大丈夫です。
構想では、現時点で分かる限りアイデアを書き出して下さい。
構想を練ることで、漠然とした漫画を描きたいというアイデアが、だいぶ漫画らしい形に整備されてきます。
構想を出したら、漫画のプロットを書く段階にすすみます。
プロットでは構想で出したざっくりとした漫画の流れを、より精密に物語の筋として整えていくことになります。
漫画の構想を考える時って、楽しいんですよ。
これから始まるドラマを自由に想像出来て、徐々に形になっていく工程なので。
漫画の構想を練るっていうのは、空想力が大いに活きる部分です。
漫画の構想が作れたら次はプロットに進みましょう!