この記事ではデジタル漫画の色塗りをあまりしたことのなかった筆者が、デジタル漫画色塗り挑戦記を書いている。
僕の漫画制作スタイルは手描きでペン入れまでした後、原稿をスキャンしてクリップスタジオペイントにて色塗りなどの加工をするのだ。
今回粕川が、デジタル漫画の色塗りに挑戦した四コマ漫画が以下の作品です。
デジタル漫画の色塗りに挑戦!
漫画やイラストの色塗りをするとき2種類の方法がある。
1:手描きで色を塗るアナログ塗り
2:PCを使ってデジタルで色を塗る
僕はこれまで漫画やイラストの色を塗るとき、手描きのアナログで塗ってきた。
なぜなら自分の手なら思ったところに思った色を自由に塗れるからだ。
もちろんデジタルでも自由に色塗りはできる。
しかし僕は昔からPCやデジタルを使いこなすのが苦手だった。
いろんな点でアナログ派の表現者なのだ。
しかしそんなことも言ってられず、ここ最近はPCを使ったデジタルによるイラストや漫画の制作も行うようになってきた。
「デジタルを使いこなして漫画やイラストを描くには覚える事が多すぎる。しかも手描きの方が融通がきく。それならずっと手描きでいいや」
これが粕川がデジタルの色塗りを敬遠してきた理由である。
頭の中の世界をデジタル上で実現するにはクリッピングマスクやレイヤー構造とかツールを使いこなすための知識が必要になる。
この創作におけるハードルを越えるキッカケとなったのが今回の四コマ漫画だ。
デジタル漫画の色塗りをしやすくする線画の抽出の発見!
今回デジタル漫画の色塗りをするにあたり、線画の抽出というものを発見した。
僕はデジタル漫画の色塗りはクリップスタジオで行っており、このソフトの機能の一つが線画抽出である。
まずはデジタル漫画の色塗りをするにあたり、漫画の原型となったものを紹介しよう。
今回の四コマ漫画のもとになったのは以下の作品。
この四コマ漫画をもとに、一部改編のご指定を頂きカラー版としてよみがえったのが今回の四コマ漫画となる。
僕は四コマ漫画を制作する時、以下のような手順をとる。
1:原稿用紙に手描きで四コマ漫画を仕上げる
2:スキャンしてPCに画像を取り込む
3:クリップスタジオで色塗りをする
いきなりデジタルで作画するのではなく、漫画の仕上げまではアナログで描くのが特徴。
漫画をつけペンで手描きすると、人間の手から生まれる生命感を込められるのだ。
僕は今回の四コマ漫画制作にあたりクリップスタジオを使ったデジタルの色塗りの仕方を学びなおした。
すると大きな発見があった!
「線画を抽出する」と手描きの絵をデジタルで効率的に色塗りすることができる!ということ。
「線画を抽出する」とは、手描きで描いた絵の線のみを残して背景の白地を消すこと。
以下が線画の抽出をした後の画像。
線画のみが情報として残っている状態だ。
線画を抽出することで色塗りがしやすくなり、完成した画像もすっきりすることに気づいた。
僕は線画を抽出する機能の存在を知らなかったから、これまでずっとスキャンした画像にそのまま色塗りをしていた。
案の定今回の四コマ漫画でも「線画を抽出」しないで色塗りをしたためにボツにしたデータがある。
それがこの画像だ。
この四コマ漫画のどこにボツ原因があるかというと以下のアップ画像をみて頂きたい。
[wc_row][wc_column size="one-half" position="first"]
[/wc_column][wc_column size="one-half" position="last"]
[/wc_column][/wc_row]
赤枠のように線画にまで色がかかってしまい手描きの線の印象が弱まっている。
僕はデジタルで色塗りをするとき、選択範囲を作って彩色していく。
「線画の抽出」によって線がデータ化されていないまま彩色をすると線画の上にまで色がのり、色ののる境界線が雑になって見た目もよくない。
色ののる境界線は補正できるけど、すごく労力がかかる。
それなら「線画の抽出」を行って線画だけをデータ化した方が作業効率が良くなるのだ。
クリップスタジオペイントで「線画を抽出する」には、線画抽出したい画像を選択した状態で「編集」⇒「輝度を透明度に変換」をクリックするだけ。
ただし、手描き絵の線画を抽出したあとは細かなゴミまでデータとして残ることがあるので、消しゴムツールなどで消しておく必要がある。
線画抽出を行うことで色を塗る範囲と線のデータが区別されるので、線画にかからないように彩色を行うことができる。
線画抽出をした左の画像と、していない右の画像を比べてみよう。
[wc_row][wc_column size="one-half" position="first"]
線画抽出した画像
[/wc_column][wc_column size="one-half" position="last"]
線画抽出していない画像
[/wc_column][/wc_row]
線画の抽出をした方がはっきりした線になっているのが分かる。
線画の抽出を行うことで手描きの絵の線情報をデータとして編集できるようになるので、彩色がしやすくなり作業効率も上がるのだ。
漫画をデジタルで色塗りした体験記の最後に
僕はボツデータを作成した後に「線画の抽出」に気づいたので、ゼロから色塗りをし直したのが今回ご紹介した四コマ漫画。
線画の抽出やクリップスタジオによる色塗りの方法が分かったので、今後は漫画やイラストもデジタルを活用してカラー化などの展開をはかっていきたいと思う。