ぼくはこれまでたくさん西部劇を見てきたけど、「荒野の1ドル銀貨」は西部劇史上最高に素晴らしいと思った映画の一つだ。
「荒野の1ドル銀貨」は映画で流れるテーマ曲と、兄弟愛を描いた物語が素晴らしいのだ!
ぼくは「荒野の1ドル銀貨」を3回鑑賞したけど、いつ見ても素晴らしい西部劇映画だと思う!
ここではマカロニウエスタンや「荒野の1ドル銀貨」について解説するとともに、マカロニウエスタンや西部劇の魅力に迫っていこう!
Contents
西部劇「荒野の1ドル銀貨」はマカロニウエスタン?
西部劇映画「荒野の1ドル銀貨」は、マカロニウエスタンの代表的な映画だ。
マカロニウエスタンとは、1960年代から1970年代前半にかけて作られた、イタリア製の西部劇のこと。
西部劇には、アメリカで作られた正統派西部劇とイタリア製のマカロニウエスタンがある。
西部劇は、19世紀後半のアメリカ西部開拓時代を舞台にした映画。
当時のアメリカでは、白人が西へ向かって領土を開拓していた。
アメリカ版西部劇では、法が整備されてない街を悪者が荒らし、正義の味方の保安官がやっつける勧善懲悪型の話が多かった。
しかしアメリカ型の勧善懲悪を描いた西部劇は、だんだん飽きられてくる。
「荒野の1ドル銀貨」が属するマカロニウエスタンは、アンチアメリカ型西部劇といえる。
アメリカ型西部劇の真反対にあるような要素を持つ、マカロニウエスタン。
アメリカ型の西部劇には高潔で、真面目な主人公がよく登場する。
アメリカ版西部劇の主人公は、いかにも正義の味方みたいな描かれ方をした。
内容も善良な市民が観るような、健全な物語が多かった。
しかしマカロニウエスタンでは銃撃戦やアクションシーンが多くなり、暴力描写が増えてきた。
マカロニウエスタンには人をたくさん殺す主人公も登場するようになる。
アメリカ版西部劇では、善と悪の境界がはっきりしていた。
でもマカロニウエスタンでは、善と悪の区別がつかなくなってくる。
マカロニウエスタンはアメリカ版西部劇とは、異なるポジショ二ングで作られた西部劇なのだ。
マカロニウエスタンを有名にしたセルジオ・レオーネ監督
マカロニウエスタンを有名にしたのが、セルジオ・レオーネというイタリアの映画監督だった。
1964年にセルジオ・レオーネ監督が作った「荒野の用心棒」は、一大旋風を巻き起こす!
「荒野の用心棒」は黒澤明監督の映画「用心棒」の物語展開を盗作したとして、後に訴えられたことがある。
しかしそんなことを抜きにしても、「荒野の用心棒」は素晴らしい西部劇だと思う!
僕はセルジオ・レオーネ監督の映画が好きで「続・荒野のガンマン」は「荒野の1ドル銀貨」と並ぶ、史上最高の西部劇映画の一つだと思っている。
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映画を音で描くセルジオレオーネ
マカロニウエスタンを流行らせたセルジオ・レオーネ監督は、音楽においても新しいことをした。
西部劇「荒野の用心棒」で、映画と音楽を融合させたのだ。
それまでの映画音楽は、バックで流れるオーケストラの曲という感じだった。
しかしセルジオ・レオーネ監督は、音で映像を描く。
セリフの代わりに音楽でストーリーを語らせるという発明をした。
音で映画の内容を語るだけあり、セルジオ・レオーネ監督の西部劇にはセリフが少ないことが多い。
シーンの緊張感を役者の演技、カメラワーク、バックに流れる音楽などで表現している。
セルジオ・レオーネ監督の西部劇映画で使われるテーマ曲が、またすごく良いのだ!
例えばセルジオ・レオーネ監督が手掛けた「荒野の用心棒」や「夕日のガンマン」、「続・夕日のガンマン」には、本当に胸を打つテーマ曲がある!
男のロマン、胸に眠る懐かしい情景、一匹狼なガンマンの心の叫び…みたいな感動的なテーマ曲なのだ。
西部劇は物語だけでなく音楽も素晴らしい!
アメリカ版西部劇、マカロニウエスタン共に共通する魅力に、かっこいいテーマ曲がある。
「夕日のガンマン」「続・夕日のガンマン」「荒野の1ドル銀貨」「荒野の用心棒」などには、聴くだけで胸が熱くなるテーマ曲がある。
名作西部劇映画には、作品世界にマッチした胸を打つテーマ曲がついてることが多いのだ。
この記事で紹介する「荒野の一ドル銀貨」も、映画の内容だけでなく音楽も最高に、最高に…すばらしい!
この切ない、むせび泣くような男の名曲を感じてほしい!
分かるだろうか、この感動が!
「荒野の一ドル銀貨」のテーマ曲は、名作西部劇映画のなかでもトップクラスにかっこいい名曲なのだ。
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西部劇「荒野の一ドル銀貨」とは?
「荒野の一ドル銀貨:原題Un dollaro bucato/One Silver Dollar/Blood for a Silver Dollar」は1965年にイタリア、フランス合同で制作された、マカロニウエスタンの名作。
1964年にセルジオ・レオーネが「荒野の用心棒」で大ヒットを飛ばして以来、次々にマカロニウエスタンが作られた。
その中の一本が「荒野の一ドル銀貨」。
まさにマカロニウエスタンの黄金時代に生まれた名作が「荒野の一ドル銀貨」なのだ。
「荒野の一ドル銀貨」の主人公は、ジュリアーノ・ジェンマという有名なイタリア俳優が演じる。
「荒野の一ドル銀貨」
●監督⇒カルヴィン・ジャクソン・パジェット(ジョルジオ・フェローニ)
●脚本⇒ カルヴィン・ジャクソン・パジェット、ジョージ・フィンリー
●上映時間⇒95分
荒野の1ドル銀貨のあらすじ概要
「荒野の一ドル銀貨」のストーリーを大まかに書いてみよう。
「荒野の一ドル銀貨」では、南北戦争に従軍した兄弟の話が描かれる。
主人公で兄のゲイリー・オハラと弟のフィルは、南北戦争で南軍として戦った兵士。
兄弟は戦争当時、北軍の捕虜になっていた。
戦争終了後に兄弟は、持っていた拳銃を銃口から短く切られて解放された。
弟から一ドル銀貨をもらい、お守りとして胸のポケットに入れておくゲイリー。
弟は西部へ向かい、ゲイリーは妻の故郷へ戻っていく。
その後ゲイリーは職を探すために、弟が行った西部へ向かう。
拳銃さばきを見込まれたゲイリーは、街の顔役マッコリー一味の用心棒となる。
ゲイリーはマッコリー一味に敵対する勢力のブラッキーを殺せと命じられた。
ゲイリーが敵のもとへ行くと、なんとブラッキーは弟だった!
弟は相手が兄だと分かった瞬間、悪者の手下に射殺されてしまう。
ゲイリーは、兄を敵と勘違いした弟に銃撃された。
しかしゲイリーは弟からもらった1ドル銀貨を胸のポケットに入れていたので、一命をとりとめる。
ゲイリーは弟を殺したマッコリー一味に、復讐を誓うのだった…
「荒野の1ドル銀貨」は上のようなストーリーだ。
職を探しに西部へ行ったら、用心棒として雇われたゲイリー。
ゲイリーが殺すように命じられたのは、弟だったという物語が面白い!
ゲイリーが屋われたマッコリー一味は、街で悪さをする敵役。
弟はそんな悪者マッコリーを倒そうとする側にいた。
「荒野の1ドル銀貨」では対立する勢力を通して、兄弟が対峙する。
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荒野の一ドル銀貨の感動的なところとは?
「荒野の一ドル銀貨」で最も感動的な場面は、弟からもらった一ドル銀貨のおかげでゲイリーの命が助かる展開にある。
「荒野の一ドル銀貨」で、ゲイリーとフィル兄弟は酒場で対峙する。
弟はふり向きざまに兄へ向けて銃を発砲した瞬間、マッコリー一味に銃撃される。
弟が撃った弾はゲイリーに命中したが、胸に入れていた一ドル銀貨にあたり、兄は一命をとりとめる!
弟の1ドル銀貨が兄の命を救うという展開に、すごく感動した!
弟に撃たれたゲイリーは、一時気を失うが、墓場で目覚める。
ゲイリーが墓場で弟の復讐を決意するシーンで、「荒野の1ドル銀貨」のテーマ曲が流れるのだ!
「荒野の一ドル銀貨」の胸を打つ、あの名曲が!
このシーンに、心底感動した!
もう天地がひっくり返るくらい、感動したのだ!
「荒野の一ドル銀貨」のテーマ曲と、兄の弟に対する思いに、強烈な感銘がこみあがってきた!
吹きすさぶ風のなか、まわりには墓場と樹木。
バックで流れる「荒野の1ドル銀貨」のテーマ曲に、弟を失った悲しみが吹きすさぶ…
何という名シーンだろうか!
僕は「荒野の1ドル銀貨」を観るたびに、人生を揺るがすほどの感動を受ける!
それは単に映画を観るなんて行為じゃない。
芸術の神髄に迫り、宝石をくみ取ってくるような偉大な体験なのだ!
「荒野の1ドル銀貨」は音楽も内容もふくめて、僕のなかで不滅の作品だ!
マカロニウエスタンの西部劇「荒野の1ドル銀貨」の最後に
マカロニウエスタンの名作西部劇「荒野の1ドル銀貨」は、本当に胸を打つ映画だった。
「荒野の1ドル銀貨」のテーマ曲や、兄弟愛の物語に心打たれたのだ!
●弟からもらった1ドル銀貨を、胸ポケットに入れていたことで兄の命が助かる展開
●弟の仇をとるため、悪の一味と戦おうとする兄弟愛
ここに「荒野の1ドル銀貨」の名テーマ曲が加わったとき、永遠な作品となる!
ぼくは確信をこめて言おう。
マカロニウエスタンの「荒野の1ドル銀貨」は、最高峰の西部劇映画の一つだと!