僕は先日、敬愛する詩人フリードリヒ・ヘルダーリンの名詩3本を朗読しました。
ヘルダーリン(1770年3月20日~1843年6月6日)とはドイツの詩人、思想家。
以下の動画で、僕はヘルダーリンの「運命の女神たちへ」、「昔と今」、「ヒュペーリオンの運命の歌」計3本の詩を朗読しています。
ヘルダーリンの詩は本当に素晴らしいんですよ!
今回ヘルダーリン詩集から有名な詩を3本朗読してみて、この詩人の天上的な美しさに心奪われました!
美しく、そして純粋な精神から生まれる空想的な詩。
これが僕が感じるヘルダーリンの詩集です。
ヘルダーリンといえば30代にして統合失調症にかかり、その後の人生を孤塔に引きこもって詩作を続けたことで有名です。
僕はヘルダーリンのことを初めて知ったのは「天才と狂気」に関する本のなかででした。
アリストテレスの時代から天才と狂気の関連性が語られており、歴史上幾多の天才たちには異端な性質が見られてきました。
その一人がヘルダーリンだったのです。
ヘルダーリン詩集の魅惑的な詩作
僕は岩波文庫で川村二郎訳のヘルダーリン詩集を持っており、久々に読み返しました。
今回朗読したヘルダーリン詩集のうち3本は、まだヘルダーリン初期~中期にかけての詩作です。
上で書いたようにヘルダーリンは30代半ばで統合失調症にかかったことで、詩作にも変化をきたしました。
統合失調症のなんらかの作用がはたらき、それがヘルダーリンの詩才をより引き出したのです!
ヘルダーリンはゲーテなどに比べると、生前はそれほど有名ではありませんでした。
ヘルダーリンの同時代人であるゲーテは、ドイツ文学や詩の世界で絶大な存在。
ドイツ詩といったらゲーテと言われるくらいの存在感を誇っていました。
詩表現の幅広さや、一般受けする点ではゲーテのほうが部が上ですが、ヘルダーリンはある点ではゲーテをしのぐほどの詩人でした。
ヘルダーリンの、圧倒的な詩の内的充溢感において!
ヘルダーリンの詩は真似することができないと言われています。
ヘルダーリンの幻想性に満ち、天上的な詩は唯一無二です。
古代ギリシャなど過ぎ去った栄光の時代に思いを寄せて書くヘルダーリンの詩は、とてもロマンチックといえます。
古代ギリシャなどに対する憧憬、情熱を詩にするヘルダーリンの幻想的な世界観に、僕はとても感銘を受けます。
ヘルダーリン詩集は後半に行くにしたがい、長くて空想的な詩が多くなります。
これはまさに統合失調症にかかり、より幻想感を増したヘルダーリンの個性が詩に反映されているのです。
後期ヘルダーリンの詩は難解でいて空想的な、ロマンあふれる世界観となっています。
このヘルダーリン独自な世界観を確立させている点で、ゲーテにも匹敵するドイツの偉大な詩人です。
僕は今回ヘルダーリン詩集から3本の名詩を読んで、この詩人の奥の深さを再確認しました!
ヘルダーリンは後世の詩人や哲学者に影響を与えており、あのニーチェもヘルダーリンの詩に感銘を受けて「ツァラトゥストラはこう言った」を書いたという逸話があります。
僕は初めてヘルダーリンを知ったとき、名前の響きがかっこいいなと思いました。
しかしヘルダーリン詩集を読むうちに、何より独特で空想的な詩の世界観に魅了されたのです!
そんなことから今回僕はヘルダーリン詩集から3本の詩を朗読しました。
フリードリヒ・ヘルダーリンの詩集を読めばよむほど、スルメイカのように味わい深い世界があります!
ヘルダーリンの奥深い詩を体験したい方は岩波文庫のヘルダーリン詩集をおすすめします。
統合失調症にかかったヘルダーリンの生涯や詩の魅力について書いた記事は以下からどうぞ!