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エドガーアランポーから学ぶ漫画を作る時に役立つ発想法とは

投稿日:2016年11月25日 更新日:

from Trey Ratcliff at www.stuckincustoms.com

マンガやアートの創作力を磨く方法、そのとても重要な要素に「読書」がある。

 

素晴らしい小説を読むことにより、自分の中に吸収し昇華する。

僕はその過程で自分の中で最高と思える四人の作家を発見した。

 

それが

ドストエフスキー

トーマス・マン

H.Pラブクラフト

エドガー・アラン・ポー

の四人である。

 

これまで様々な日本や世界文学、現代の小説などを読んだけど最終的にこの四人は僕に最大の感銘を与えてくれた。

アートやマンガにおいても大きな影響を受けたし、彼らの作品を読むたびに僕はどうしょうもない程の創作意欲を感じる。

 

一人目のドストエフスキーに関しては以前記事に書いた。

こちらをクリックするとドストエフスキーから学んだ重要な創作法の記事に行ける→「魂の告白」!?ドストエフスキーから学ぶ創作力の根幹とは!

 

今日は僕にとって不滅の作家であり、最大の影響を受けている人物の一人エドガー・アラン・ポーをご紹介し、それをどう創作に生かしているかについて語っていこう。

 

 

天才の代名詞的存在 エドガー・アラン・ポーとは


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エドガー・アラン・ポー(1809年1月19日~1849年10月7日)はアメリカのボストンに生まれた詩人、小説家、雑誌編集者。

 

僕は昔から天才と狂気について深く調べており、彼の名は必ずと言っていいほど出てくる。

 

いわゆる酒飲みでアル中であり、血縁のつながりのある幼い従妹を妻に迎えている。

若いころは放蕩生活を続け、その後も貧しい生活をしていたようで、文名を得てからもそれは変わらなかったという。

 

40歳という若さで亡くなっており、その死因もある酒場でぐでんぐでんな泥酔い状態で発見され、まもなく病院で帰らぬ人となる。

 

まさに天才を絵にかいたような伝説的人生を生きた人物である。

 

しかしこういう人に限って、これまでの常識を打ち破りかつてない独創性で仕事をして永遠な存在になる者が多い。

 

ファン・ゴッホ、ポール・セザンヌ、ニュートンやアルキメデス、ナポレオンやミケランジェロなど歴史をひも解くとその多さに驚く。

 

やはり歴史を変えるような人は一般の感覚値とズレているのかもしれない。

 

その中でもポーは文学史上比類なく革命的で独創性豊かな作品を残し、後続の表現者に多大な影響を与えている。

 

例えば世界で初の推理小説を作ったのはポーである。

「モルグ街の殺人」という作品がそうで、オーギュスト・デュパンという有名キャラを作ったのもポーである。

 

この作品に感銘を受けたイギリスのコナン・ドイルがシャーロックホームズを生み出し、やがてアガサ・クリスティなどのミステリーへと受け継がれてゆく。

 

他にも「アーサー・ゴードン・ピムの冒険」という作品はSF小説の巨人たるジュール・ベルヌ、H・Gウェルズらに影響を与え、ここからSFが発展したとも言われている。

 

またポーは生粋の詩人であり、その作品はフランスの天才詩人シャルル・ボードレールやヨーロッパの象徴派文学者にも大きな影響を与えている。

 

文学におけるレオナルド・ダ・ヴィンチとでも呼べる革新性、そして作品の永遠性を考えたとき、ポーの自己表現がいかに凄まじかったかが分かるだろう。

 

それだけではないポーの真骨頂はこれからだ。

 

僕がポーから受けた最大の恩恵をここから述べていこう。

 

 

エドガー・アラン・ポーの自己表現、そのテーマとは。


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特にポーがその力を発揮した場所が短編小説であり、彼の生み出した幾多の作品群は僕に比類ない感銘を与えた。

 

ポーの生み出す全作品に共通するものがある。

 

「幻想と怪奇」である。

 

僕はこの事実ですでにしびれる!

 

何しろ僕の創作テーマは「幻想と自然」であり、特にマンガにおいてはホラーと怪奇をメインモチーフとしているからだ。

 

僕にとってホラーと怪奇というのは、つまりはポーやH.Pラブクラフトの事であり、僕は彼らの作品が心から好きだ!

 

寝る時もアイポッドでポーやラブクラフトの朗読

物語音声を流している程である。

 

ではポーの何が素晴らしいのか?

 

それは「現実の中に紛れ込む幻想としての怪奇」と言える。

 

あなたは「黒猫」という作品を聞いたことがあるだろうか?

怪奇モノが好きな人は絶対知っておいた方がよい名作中の名作。

 

 

「黒猫」の中には怪奇の本質が存在している。

 

怪奇というのは現実という地面があって初めてその魅力を発揮する。

現実味のない空想だけの作りだと、そこまで怖さは感じないかもしれない。

 

怖さとは自分にもその危険が及ぶかもしれない、何かわからないけど不気味な感じの時に湧き起こる。

 

この現実感がベースにあってなおかつ幻想性を伴った怖さ、不可解さがあるとその作品は面白くなる。

 

「黒猫」はそんな現実と幻想を織り交ぜた極めて独創的な小説なのである。

 

 

「黒猫」の魅力


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もう一つ黒猫の魅力を僕は挙げる。

これは創作をする者にとってとても重要な要素となるだろう。

 

それは

「自分の醜い感情を素直に表現して作品を作る」ということにある。

 

ポーの黒猫はまさにこの手法で作られている。

「黒猫」のメインモチーフとなるのは主人公の「天邪鬼」という感情である。

 

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主人公は酒飲みでアル中一歩手前という、つまりポー自身を主人公としている。

 

これは創作する人は知っておいて欲しいことで、自分を主人公に置くとリアリティやインパクトが出る。

なぜなら自分の事は手に取るように分かるから。

 

そんな酒飲みの主人公がだんだん素行が悪くなっていき、自分が可愛がっていた愛猫をやがて虐待するようになる。

 

あれだけ可愛がっていた愛猫を虐待する時の理論の展開が凄いのだ。

 

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原作を読むと分かるが多くの人間が持つ要素をあえて取り上げ、それを独自の理論で展開していくときの真に迫る感情表現の鋭さ!

 

これを読んだとき僕は青くなるほど感動した。

 

題材はよくある天邪鬼という要素であるにもかかわらず、それを利用して他の誰にも作ることのできない怪奇と幻想に融合した手腕と発想力。

 

この事実は僕たちにある大切なことを教えてくれる。

 

それは「自分自身を表現として扱う」ということ。

 

ポーがあれだけ真に迫る天邪鬼の理論で恐怖を展開できたのは、ひとえにポーが自分自身を表現していたからという一語に尽きる。

 

ポー自身に天邪鬼な感情がなかったら「黒猫」は存在しなかっただろう。

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自分の感覚を元として、そこを軸に恐怖を描いたからこそ多くの人に響き、永遠に残る作品を生み出せたのでないか。

なぜならあなたが真に感じることというのは他の誰かも感じることだから。

 

そこを軸に展開させることで普遍的な自己表現が生まれるのだと「黒猫」を読むたびに感じるのである。

 

 

まとめ


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エドガー・アラン・ポーのもつ「幻想と怪奇」。

自分自身を表現として扱い、真摯な感情をメインモチーフとして展開させる手法。

 

これらを短編小説や詩作など多方面に広げていくことでポーはこれまでにない、革新的な自己表現を生み出していった。

 

彼の作品を読んでその思考を追う時、なぜ彼が破滅的な人生を歩んでいったかも何となく分かる。

 

僕は素晴らしい創作は「現実と狂気のギリギリの狭間から生まれる」と思っている。

 

普通の感覚があって、しかしそこを突き抜けた狂気的発想の鋭さが組み合わさる時に歴史を変えるような作品は生まれるのだ。

 

これを体現するには本人自身が変わった存在であることはやむ得ないことであり、むしろ人と変わっていることは表現者にとって誇りだと僕は思っている。

 

エドガー・アラン・ポーの生涯と作品を知るたびに、そう思わずにはいられない創造性の不思議を感じるのだ。

 

 

 

 

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粕川裕康/漫画アート芸術家。漫画描きと油絵描きをしており、二つ合わせて漫画アート芸術家!/漫画とアートを組み合わせた創作活動をしています。

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