どうも、漫画とアートを組み合わせて創作活動を行う粕川です。
本日はただ今制作中の漫画作品の制作秘話について書いていきます。
僕は2017年7月現在「幻想の森」というタイトルの読み切り漫画を制作しております。
僕はこの「幻想の森」で漫画と絵画(アート)の融合を試みています。
●筆者が漫画とアートをどのように組み合わせて漫画を描いているのか?
●なぜ「幻想の森」なのか?
●どういう経緯で幻想の森の漫画を描くことになったのか?
これら「幻想の森」を制作するに至った秘話を書き、漫画とアートを融合する方法について書いていきますので興味のある方は是非最後までご覧になっていって下さい。
Contents
幻想の森は生涯のテーマ
「幻想の森」とは僕にとって生涯をかけて表現すべき重要なモチーフです。
僕は漫画やアートを制作する時、連作という手法を取ります。
連作とはあるテーマを基にして何枚も作品を作る事により、テーマをより深く表現する方法です。
モネの「睡蓮」やムンクの「叫び」などが有名ですね。
どのように連作を行うのかと言うと、その時点で僕の心を捉えているテーマを基に何枚も絵画や漫画を制作するのです。
この連作を行うことによって、僕はテーマを様々な角度から切り取り、表現する事が出来ます。
様々な角度からテーマを表現する事で、そのテーマに深く切り込む事が出来、吸収し、表現者としてより成長するのです。
テーマを吸収するとは、「そのテーマを描きたい欲求が終了する」という事。
僕の場合、アートや漫画を作らせる衝動は「内から湧き上がる表現欲求」です。
この表現欲求が生まれる事で作品を生み出す力が働き、創作活動に入るのです。
これまで僕は様々なモチーフを基に絵画や漫画を制作してきました。
例えば主要なモチーフには以下があります。
●愛
●幻想の森
●囚人牢獄
●プルシャンブルーの夜
●大地より生えたる者
●好きな曲を絵画に変換する
●自分の部屋の窓から見える風景
僕はあるモチーフに憑りつかれると、そのテーマでいくつも作品を作ります。
そんな粕川にとって人生で最も重要なモチーフの一つとなるのが「幻想の森」です。
だから僕が幻想の森で作品を作るというのは一大トピックなのです。
どうして幻想の森で漫画を描いたのか
僕は初め絵画で「幻想の森」を描きました。
そして今度は「幻想の森」というモチーフを漫画の中に持ち込もうと考えました。
「漫画とアートを融合して新しい表現を生み出す」ためです。
幻想の森を全面に押し出して漫画で描いた事はこれまでありませんでした。
上で述べたように「幻想の森」は僕の重要なモチーフなので絵画と漫画作品の中で連動させたいと考えたのです。
また「幻想の森」というプラットフォームで絵画と漫画を繋げる事で、以後の作品でキャラクターが両者の間を行き来できるようにしたかった。
幻想の森というのは粕川絵画と漫画作品を繋げる橋と言えます。
幻想の森を通じて絵画と漫画の内容が緊密に連携している状態。
つまりは漫画と絵画の融合です。
以上の理由から「幻想の森」による絵画と漫画の融合は粕川作品の中で画期的な出来事です。
漫画とアートを融合する理由
僕は漫画と絵画を別々のジャンルとして作るのはもったいないと考えました。
本当なら絵画か漫画どちらかを選んで特化する方が賢明でしょう。
しかしそれをしたら粕川ではなくなってしまう。
僕は7才の時に漫画を始め、18歳の時に絵画芸術と出会い人生が一変しました。
アートと漫画を作るのは最大の喜び。
絵画も漫画制作も僕の生きがいであり、この二つがあって粕川なのです。
それならば分かちがたく結びつけてしまおう。
ここから漫画とアートを融合していく発想が生まれました。
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「幻想の森」はどんな漫画?
漫画「幻想の森」は怪奇漫画です。
主人公の名前は貝賀亜斗(かいが あと)。
画家志望の25歳男性。
そう、漫画「幻想の森」は画家志望の夢を持った青年の物語です。
ここで主人公の貝賀亜斗君に登場してもらいましょう。
貝賀亜斗「初めまして。今度粕川博康の漫画で主人公を務める事になった貝賀亜斗です。僕の夢は世界中に認められるような画家になる事。そんな思いで”幻想の森”で絵を描いていたのですが…」
幻想の森で貝賀亜斗の身に何が起こったのか?
画家の夢は実現できるのか?
詳しくは漫画本編で!
と言いたい所ですが、ここで漫画「幻想の森」の制作風景をご紹介します。
ペン入れをしている段階です。
動画の中で上の方にあるのは漫画「幻想の森」のネームですね。
こんな感じで漫画を描いています。
幻想の森で絵画と漫画の融合を行う
今回僕は「幻想の森」の中で漫画とアートの融合を試みています。
僕自身どうやって漫画とアートを融合するかを見つけているので、思いつく方法を一つずつ試している段階にあります。
では以下から「幻想の森」で行っている漫画とアートの融合について書いていきます。
1.漫画と絵画(アート)がリンクしている
僕は漫画「幻想の森」の中で自らの絵画作品を登場させています。
漫画の中の重要アイテムという形で登場させるのです。
絵画と漫画を作品内でリンクさせる事により、粕川作品の中で漫画とアートが一体なのだという事を表わしています。
以下に漫画「幻想の森」に登場する粕川アートをご紹介します。
本編が完成したらどこに出てくるか探ってみて下さい。
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2.粕川アートのアイコン「大地より生えたる者」がゲスト出演!
漫画「幻想の森」では粕川絵画のアイコン的存在である「大地より生えたる者」がゲスト出演します。
「大地より生えたる者」とは、僕が絵画作品として連作している主要モチーフです。
僕は「大地より生えたる者」を描く中で「幻想と自然」を表現しています。
人間と自然が結びついたプリミティブ(原始的)な生命力に感銘を覚えたのです。
インターネットなどの普及により世界は進化を遂げ、便利な社会となりました。
しかし高度にシステム化された社会に管理されて、人間的な生命力が失われているように感じます。
資本主義の仕組みに組み込まれた人間が、毎日の忙しさに追われまくり自分らしく生きる事を考える暇もなく日々を送っている。
本来誰にも備わっている人間的な生命力さえ刈り取られているように感じます。
僕はこの現実に対して、大地に根差して生きる原始的な存在というコンセプトを打ち出すことでこんな事を表現しました。
「自然に帰れ。人間的生命を取り戻すのだ!」
それを象徴するのがシステムや管理社会から隔絶している、大自然と繋がった存在。
「大地より生えたる者」なのです。
漫画「幻想の森」で新しく描いた「大地より生えたる者」
僕は漫画「幻想の森」を描くにあたり、漫画の中に自作の絵画をリンクさせるため新作で油彩の絵画「大地より生えたる者」を制作しました。
この絵画は漫画「幻想の森」の中で重要なアイテムとして登場しています。
自作の絵画を漫画の中でリンクさせる事により漫画とアートの融合による僕だけの表現を打ち出すために行いました。
僕はこの絵画を淡く霧に包まれたように描いています。
それは幻想性を表現する為。
「幻想と自然」は僕の絵画と漫画に通じる普遍的なテーマです。
3.漫画のコマに変形を加えている
「幻想の森」では漫画のコマが主人公の心情に伴って揺らいできます。
僕はコマを主人公の心情と連動させました。
漫画のコマは映画で言うフレームであり、読者に絵を見せる枠です。
ですので、主人公の心境的変化に応じてコマの形を変形させることにしたのです。
これにより漫画のルールにアート的な表現要素を付け加えたという事です。
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4.漫画の絵にアートの要素を入れる
僕は漫画と絵画を融合する為、絵にアートの要素を加えました。
例えば下の画像は漫画「幻想の森」のワンシーン。
これは幻想の森の木です。
本来木はこんな形をしていません。
どうして木を変形させるのかと言うと
僕が描く絵画の木を漫画に持ち込む事により絵画と漫画の融合を狙ったからです。
僕の描く絵画は全てが揺らぐように描かれている。
それは「幻想」を表現しているから。
その自然のゆらぎを漫画に持ち込んだのです。
漫画「幻想の森」は物語が進行するごとに奇妙な世界に突入していきます。
その象徴として木が徐々に変形していく。
「物語の進行に合わせて漫画内の絵が徐々にアートの要素を帯びていく」。
主人公の心境や物語の進行の中で、漫画の中にアートが進出してくるのです。
これにより漫画とアートの融合を試みました。
4.粕川絵画「幻想の森」が漫画の中で再現される
僕は「幻想の森」の中で自らが描いた油彩絵画「幻想の森」を登場させました。
つまり漫画「幻想の森」の舞台は上の絵画「幻想の森」が舞台なのです。
主人公の貝賀亜斗は漫画の中で上の絵の中に登場します。
幻想の森にさまよう貝賀亜斗が僕の絵画を再現するというシチュエーションを通して漫画とアートの融合を試みました。
漫画本編の中でいかにして貝賀亜斗が絵画「幻想の森」の場面を再現するかをご覧になって下さい。
最後に
以上漫画「幻想の森」について解説してきました。
漫画「幻想の森」は、筆者が漫画とアートの融合を試みた実験精神満載な怪奇漫画となっております。
主人公は画家を夢見る25歳の青年 貝賀亜斗(かいが あと)。
彼はとある事から「幻想の森」で絵を描く事になります。
幻想の森で貝賀亜斗は一体何を体験するのか?
「幻想の森」はただ今執筆中ですので、制作過程はこのブログで順次発表していく予定です。
また漫画「幻想の森」は僕にとって初となる「電子書籍」としての出版を予定しております。
完成次第このブログにて発表していきます!
2019/4/12追記
画家が主人公の漫画「幻想の森」は以下のページから閲覧できますので、興味のある方はご覧ください♪