漫画を描くとなるとキャラクターの体全身を描く機会も出てくるでしょう。
でも「体の描き方がよく分からないよ~」「体が全然描けないよ~」なんて方もいるかもしれません。
人間の体の描き方にはコツがあります。
僕も初めは人体の描き方に苦戦して、中々形がつかめませんでした。
でもここで書いていくことを実践するなかで、体が描けるようになったのです。
ここでは漫画アート芸術家の粕川が漫画の人体(全身)の描き方について解説していくので、どうぞ最後までご覧になっていって下さい!
Contents
- 1 漫画の人体の描き方の前に骨格と筋肉のつき方を知る
- 2 漫画の体の描き方:アタリをとる
- 3 漫画で人体を描く時に気をつけること
- 4 漫画の人体の描き方:男女の違い
- 5 漫画の人体の描き方:関節をしっかりとらえる
- 6 漫画の人体の描き方:コントラポストを意識する
- 7 漫画の人体の描き方:アタリをもとに体を描いていく
- 8 漫画の人体の描き方の練習:あらゆる角度から体を描く
- 9 漫画の人体の描き方の練習:動きのある体を描く
- 10 漫画の人体の描き方の練習:体を部分的に練習する
- 11 漫画の人体の描き方の練習:大きめの紙にのびのび描く
- 12 漫画の人体の描き方の練習:絵は描いただけ成長する
- 13 漫画の人体の描き方のまとめ
漫画の人体の描き方の前に骨格と筋肉のつき方を知る
漫画で人体の描き方に行く前に、まず大前提として知っておくべきことがあります。
それは人間の骨格と筋肉のつき方です。
漫画で人体を描くとき、人間の骨格や筋肉がどういう形をしていて、どの辺についているかということを知っておくと、それっぽい体が描きやすくなるのです。
この記事を作成するにあたり、僕も久々に人体の骨格と筋肉をGペンで描いてみました↑♪
「人間の骨格や筋肉のつき方を知るって、難しい名称や細かいものまで覚えないといけないの~?」なんて思いますね。
漫画で体を描くときに、骨格や筋肉の正確な名称なんて覚えなくてもいいのです(覚えたい人は自由に覚えてください)。
・人間の骨格はどういう構造になってて、関節はどこにあり、どのへんまで関節は駆動するのか?
・人間の体はどんな筋肉のつき方をしているのか?
これらを知っておくと人体を描くときに役に立つのです。
骨格や筋肉がどのようについているかが分からない状態で体を描くと、ゴム人間のようなキャラクターが出来てしまうかもしれない。
例えば腕や足の筋肉がどうついているかを分からないで描くとこんな絵になります。
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しかし腕や足の内部の筋肉のつき方を知っているともっと人間っぽい絵にすることが出来るのです。
漫画の根本は落書き精神なので、体の描き方を知らなくても自由に描けばいいんです。
でも漫画で人間の体っぽく描きたいなら、骨格と筋肉がだいたいどんな感じでついてるのかを把握することは役に立ちます。
人間の体を見たときに外見に影響を与えている筋肉や骨格が分かるだけでも、それっぽい体を描きやすくなるのです。
僕は漫画で人体の描き方の練習をするときは、まず骨格や筋肉のみの絵を何度も描いて練習しました。
骨格や筋肉の絵を何度も描くことで頭の中に、人体の構造の全体像を叩きこんでいたのです。
一度筋肉や骨格の構造が把握できれば、動きのある人体、様々な角度からの人体を描くときにも応用が出来るので、描けるようになります。
人体の描き方を練習するときは、体内部の筋肉や骨が透けて見えるイラストなどを参考に模写すると感覚がつかめてきます。
こちらの本は僕が今でも人体の描き方を練習するときに参考にしている本です。
オールカラー版 人体の描き方マスターブック (ナツメ社Artマスター)
人体と同時に骨格や筋肉が透けて見えるイラストが載っているので、人体を描く練習に適しています。
漫画の体の描き方:アタリをとる
ここから漫画の人体の描き方を見ていきましょう。
人間の体は4歳が約5頭身、10歳が約6頭身、14歳が約6.5頭身、18歳が約7頭身くらいだと言われています。
頭身とは全身の長さを、頭の大きさをもとにして測るものです。
7頭身というのは、その人の頭の大きさが7個縦に並んだ長さということ。
人間の体を描くときはこの頭身を意識して、まずはアタリ(体のラフ)をとっていきます。
これは人体の頭のアタリです。縦に入っている線が中央を表わしています。
首を描いたら鎖骨のアタリをとります。
上の図のように僕はアタリを取るとき関節に当たる部分は丸を描いて、線で結ぶようにしています。
体のアタリを描いていきます。
腕と手のアタリを描いていきます。
腰と膝のアタリを描きます。
足のアタリまで描いて完了です。
人体を描くときはアタリから取っていき、体全体のバランスを整えましょう。
漫画で人体を描く時に気をつけること
漫画で人体を描くときは、まずアタリから描いた方が安全です。
アタリを描かないで直に体の細かい部分を描くと、途中で全身のバランスがおかしいと気づいたとき、描き直すことになる危険があるからです。
漫画の体を描くときはアタリを描いて全身のバランスを整えたら、アタリをもとに体の詳細な部分を描いていくとスムーズに作業が運ぶのです。
人体を描くことに慣れている人はアタリを描かずにいきますが、初心者はアタリを取ってから体の細部描写に入った方が安全でしょう。
体のアタリを取るときに気をつけることは、ひじや股の位置です。
ひじの位置を確認するときは、あなたが直立して両手を体にぴったりつけてみて下さい。
おへそのやや上あたりにひじがくるかと思います。
実際に立ってみて両手を体につけると、手首の線と股の線がだいたい同じ位置に来るかと思います。
・ひじはへその少し上あたり。
・股の線と手首の線はだいたい同じ。
ひじと股のだいたいの位置を確認したら、アタリをとるときに目じるしとして描けば良いのです。
漫画の人体の描き方:男女の違い
漫画の人体の描き方で男と女では描き方に若干の違いがあります。
男性は女性に比べて筋肉質な体をしているので、直線を用いて描く感じ。
女性はまるっこく、曲線を使って描くようにします。
男っぽく描きたければ肩幅を広めにとり、胸を広く、ウエストを低くして、直線を多めに使って描きます。
女っぽく描きたければ肩幅を狭くとり、胸をせまく、ウエストを高く、できるだけ曲線で描きます。
女性キャラクターを描くときに男の描き方をすると、男っぽい女キャラに見える。
男性キャラクターを描くときに女の描き方をすると、女っぽい男キャラに見えるのです。
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漫画の人体の描き方:関節をしっかりとらえる
漫画で人体を描く時のコツは関節をしっかり捉えること。
人間の体は関節によって手や足が動くようになっており、関節部分を意識して描くことで人間の体っぽく見えるようになります。
人体の構造を知らない人は漫画で体を描くときに、関節を意識せずまっすぐな線で描いてしまうことがあるでしょう。
しかし実際に人の体をみると腕や足はまっすぐな線ではありません。
関節の部分はその他の部分よりふくらんでいるなど、外見に変化があるはずです。
関節や筋肉がどうついているかを意識しながら人体を描くことで人間っぽく見える絵になっていきます。
漫画の人体の描き方:コントラポストを意識する
漫画の体を描くとき、その人物の重心がどこにあるかを意識しながら描くことが大切です。
人間は身体を足で支えているので、立ちポーズを描くにしてもどこが重心を支えているかを考えながら描くということです。
漫画の体を描くときに知っておくと役に立つのがコントラポストです。
コントラポストとは、体の重心を片方の足にかけて立つ人物のことで、視覚芸術に関する言葉です。
コントラポストを描くときは腰と肩の傾きに注意します。
コントラポストで体の重心がかかるほうの腰が上にあがり、重心がかからない方の腰は下がるのです。
コントラポストは体の中心を通る線がS字型になるような感じです。
またコントラポストのかかった体は腰と肩の傾きが逆になります。
ルネサンスの彫刻家ミケランジェロの彫刻や絵画には、コントラポストがうまく施された名作がありますね。
コントラポストをかけると重心のかかった方の腰が上がり、かかってない方の腰が下がる。
また腰と肩の傾きが逆となり、S字型カーブのような体の線になるわけです。
コントラポストを使うことで、動きを感じさせる立ちポーズにもできるので是非自分の絵に取り入れて見ましょう!
漫画の人体の描き方:アタリをもとに体を描いていく
漫画で体を描くときはまずアタリをとり、アタリをもとに体の詳細な絵を描いていきます。
アタリの線に肉付けをしていく感じですね。
まずはアタリに対して体を描きます。
そして体の上から服を着せて描くのです。
アタリに対していきなり服を着せて描くのもありでしょう。
体の形に合わせて服を描くことで、それっぽい体に見えてきます。
アタリを先に描いておけばそこに肉体をまとわせるだけなので、体が描きやすくなります。
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漫画の人体の描き方の練習:あらゆる角度から体を描く
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漫画の体を描く練習をするときは、様々な角度から描けるようにしておきましょう。
キャラクターをあらゆる角度から描けるようになると、漫画で使えるキャラシーンの幅が広がります。
人体を正面からだけでなく横から斜めから、フカン、アオリと色々描いてみましょう。
人体に角度をつけて描くときも、まずはアタリから描いていきます。
漫画の人体の描き方の練習:動きのある体を描く
漫画の人体を描くときは、動きのある体もたくさん描きましょう。
漫画ではキャラクターは動き、しゃべり、ドラマを展開するので、動きのある体を描くのは必須になります。
体の動きを描くときもアタリから描き始め、アタリに対して体を描いていくようにします。
漫画の人体の描き方の練習:体を部分的に練習する
漫画の体を描くときは、まず体全体を描くことに慣れましょう。
その上で、体の難しいポイントに絞って部分的に練習をすると良いです。
部分的な体の絵ばかり描いていると、体全体を描くときのバランス感が養われずらい。
なので僕は体全体を描くことに慣れつつ、徐々に部分的な体を描いていく練習をしていました。
体の部分で苦手な場所があれば、集中的に描いて練習しましょう!
漫画の人体の描き方の練習:大きめの紙にのびのび描く
漫画の体を練習するときは、紙を大きく使ってのびのび描いた方が良いです。
ただでさえ人の体全身を描くので、描く範囲は大きくなります。
しかも動きのある体を描くのであれば、紙を大きく使って描いた方が迫力も出るでしょう。
紙の端っこに小さく描く練習をするよりは紙を大々的に使って、人間の体をダイナミックに捉えていきましょう!
しかし漫画を描くときは小さなコマに描くこともあるので、大小共に安定して体が描けるようにしておくと融通がききます。
漫画の人体の描き方の練習:絵は描いただけ成長する
ここまで色々人体の描き方について書いてきましたが、一番大切なことは「絵は描いただけ成長する」ということです。
絵が描けない人というのは、絵をそんなにたくさん描いていないことが多いのです。
絵を描いて成長する速さは人によって異なるけど、試行錯誤しながら量を描いている人はやはり描けるようになります。
絵が描けるかどうかというのは、絵をたくさん描いているかどうかに大きく関係しているのです。
漫画を描くとき人体を描くのは避けて通れないでしょう。
人間っぽい体を描けるようになりたいのであれば、毎日のなかに体を描く習慣を取り入れていみることが大切です。
絵は描き続けて、小さな一歩を積み重ねていくなかで、描けるようになるのです。
漫画の人体の描き方のまとめ
漫画の人体の描き方について見てきました。
漫画で人の体を描くときにまず知るべきことは、人間の骨格と筋肉のつきかたです。
「体を曲げると筋肉はどう変化をするのか?」
「手の関節はどんな風についているのか?」
など体の外見に影響を与える筋肉や関節について知ることで、人間らしい体が描きやすくなるのです。
そして人の体を描くときは、アタリから描いていきます。
アタリを元にして詳細な肉体を描き、その上に服をのせていくのです。
人の体を描くときは描きやすい方向だけからでなく、あらゆる角度、動きを描けるようにしておきましょう。
描きづらい角度、動きの絵こそ、たくさん描くべきです!
そして人体を描くときは体全体を描きつつ、徐々に苦手な部分的な絵を練習するようにすると、バランスよく体が描きやすくなります。
漫画におけるキャラクターの体の絵は奥が深いですが、千里の道も一歩からなので、是非楽しんで体を描いていきましょう!
以下の本は人体の表面のみでなく骨格や筋肉が透けて見えるイラストも載っており、身体の描き方を練習するときに役に立つ本なのでおススメです!
絵が上手くなりたい人は、なにより人体を描けるようになることが大切!
そんな時に役に立つ本は以下の記事で紹介しています!