ホラー映画ドールズ(DOLLS)。
果たしてどれだけの人がこの世紀の大傑作人形系ホラー映画を知っているでしょうか?
ぼくはこれまで300本を超えるホラー映画を見てきましたが、ドールズこそわが人生最高のホラー映画だったと断言できます!
人形ものホラー映画といえばチャイルドプレイやパペットマスターのような、ヒット作がありますよね。
上の2作に比べたら、ドールズはやや知名度が低いのかなと思います。
でもですよ、ドールズは僕の独断ですが、人形ものホラー映画で最高峰です!
ドールズを見ずに何が人形ものホラーだ!ってくらいに素晴らしい傑作です!
さらにドールズはチャイルドプレイやパペットマスターよりも先に公開されており、作品の質から見ても、人形ものホラー映画の聖典といわれることもあるようです。
では一体ドールズの何が素晴らしいのか?
この記事ではホラー系漫画を描く筆者が、人生最高の一本「ドールズ」の魅力を紹介するとともに、ドールズのあらすじもネタバレで紹介していきます!
ぼくはドールズが好きすぎて、これまで30回以上は見てきました!
おそらく世のなかで誰よりも「ドールズ」を愛する筆者が、この作品のすばらしさを語っていきます!
記事の最後には「ドールズ」のネタで描いた漫画も掲載していますので、どうぞ最後までご覧ください♪
Contents
ドールズ(DOLLS)の作品情報
ドールズは1987年に発表されたアメリカの人形ものホラー映画。
人形が、人間を襲う恐怖を描いた作品です。
ドールズを監督したのは、「死霊のしたたり(1985年)」や「ZOMBIO(ゾンバイオ)」などの作品で有名なスチュアート・ゴードン。
スチュアート・ゴードン監督が、また良いホラー映画を撮る方なのです!
ドールズはエンパイア・ピクチャーズが制作しており、スチュアート・ゴードン監督と手を組んだ、ダークホラーファンタジーの映画です。
・【製作総指揮】チャールズ・バンド
・【制作】ブライアン・ユズナ
・【脚本】エド・ナハ
・【音楽】ファズビー・モース
などの人たちが作品に関わっています。
出演キャストは~
・ジュディ役のキャリー・ローレン
・デイヴィッド・バウアー役のパトリック・ウィリアムズ
・ローズマリー役のキャロリン・パーディ=ゴードン
・ガブリエル役のガイ・ロルフ
・ヒラリー役のヒラリー・メイソン
・ラルフ役のスティーブン・リー
他…
となっています。
ホラーとメルヘンが融合したドールズ?
ドールズの一番の売りといえば、ホラーとメルヘンが融合された作品の世界観だと思っています。
とにかく作品の雰囲気が幻想的で、一編の淡い夢を見ているような感覚で楽しめる映画なのです。
幻想的なゆえんは主人公の少女ジュディ(7歳)の存在感、ガブリエルが語る人形の神秘性、童心をなくしたものを殺していく殺人人形の恐怖などがあげられます。
ドールズは77分というコンパクトな尺にまとめられているので、非常に見やすいホラー映画です。
毎日のあわただしい生活で心の潤いをなくしてしまった人におすすめしたい、童心の大切さを思い出せさせてくれる作品です。
スチュアート・ゴードン監督について
ホラー映画「ドールズ」を監督したスチュアート・ゴードン監督は、1947年8月11日にアメリカのシカゴで生まれた映画監督、脚本家、映画プロデューサーです。
SFやホラー系映画をよく作る監督で、割とマイナーな作品が多い印象。
でもマイナー感があるのに、中身はマジで素晴らしい作品を作る監督なのです!
氏の代表作である「ZOMBIO/死霊のしたたり」や「フロム・ビヨンド」なんかは、ヤバいくらい不滅なホラー映画だと思います!
なかでもこの記事で紹介するドールズは人形ものホラー映画の最高峰、いやぼくが知る限りあらゆるホラーのなかで最高の一本だと感じています!
ホラー映画ドールズ(DOLLS)のネタバレ
ここからホラー映画「ドールズ」のあらすじを、ネタバレで紹介していきます。
ドールズのネタバレあらすじが知りたくない人は、飛ばしてください。
古い洋館に迷い込む
ホラー映画ドールズのネタバレあらすじは、7歳の少女で空想癖があるジュディ一家が車で旅行をしているところから始まります。
車を運転しているのは継母のローズマリーで、助手席にいるのが父親のデイヴィッド・バウアー。
7歳の少女ジュディは後ろの席でクマのぬいぐるみを抱いて座っています。
継母のローズマリーは性格が悪く、父親の新しくできた女性です。
空想癖のあるジュディは父と継母から邪魔者扱いされていました。
ひょんなことから車がぬかるみにハマり、動かなくなります。
あたりはすでに夜、嵐がきそうな天候でした。
この展開はホラー映画にありがちなんですがドールズで見事にハマっており、作品を幻想的な世界観にいざなってくれます。
3人は仕方なく、近くにあった洋館で雨宿りをさせてもらおうと考えます。
洋館に向かう途中、ジュディが持っていたクマの人形はローズマリーに捨てられてしまいました。
ここで捨てられたクマの人形が動き出し、ローズマリーたちに襲いかかります。
しかしこれはジュディの空想でした。
映画の冒頭から、クマの人形が人間を襲うというのは、インパクトのある展開です!
人形作りのハートウィック老夫婦と出会う
ドールズのネタバレあらすじで、なんと屋根裏には人形にされたイザベルが座っていましたが、ジュディたちは気がつかないで戻っていきます。
ジュディたちは裏ドアから洋館に入りました。
洋館にはガブリエルとヒラリーのハートウィック老夫婦が住んでいて、3人を迎え入れてくれます。
ガブリエルは人形作りをしており、いろいろな人形を見せてくれました。
ジュディはガブリエルから、パンチという人形を与えてもらいます。
ここで突然、洋館に3人の人物が乱入してきます!
イザベル、イニッドというヒッチハイカーの女性と、彼女たちを車で乗せてきたラルフ・モーリスという青年です。
イザベルとイニッドはいかにも性悪そうな外見をしています。
ラルフは心が優しそうな太り気味の青年で、イザベルたちにあしらわれています。
こうして合計6名は、ハートウィックの洋館で泊まらせてもらうことになりました。
ここからドールズの長い夜が始まるのです。
イザベルが人形たちに…
部屋に通されたイザベルは大音量でロックを流しながら、イニッドと金品を盗む計画をたてます。
そんなイザベルたちを、人形たちは奇怪な表情で眺めていました。
いざイザベルが悪事を働こうとしたとき、人形たちは動き出します。
イザベルは人形たちにおさえこまれ、顔を壁にたたきつけられて、血まみれになりました。
何とか逃げようと部屋をはい出るイザベルは、偶然そこを歩いていたジュディと遭遇します。
しかしイザベルは人形たちに、部屋へ連れ去られてしまうのです。
恐るべき光景を見たジュディは、両親の部屋へ行き事情を話しました。
しかし早くしけこみたい両親は、ジュディの話を信用せず、ジュディは追い返されてしまいます。
仕方なくジュディはラルフの部屋へ行き、事情を話しました。
初めはラルフも信じませんでしたが、ジュディのスリッパに血がへばりついていることに気づき、一緒にイザベルを探しにでてくれます。
ジュディたちは血の跡をたどって屋根裏部屋まで、イザベルを探しに行きました。
なんと屋根裏には人形にされたイザベルが座っていましたが、ジュディたちは気がつかないで戻っていきます。
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ラルフが疑われる
ジュディたちは両親やイニッドに事態を話しましたが、全く信じてもらえません。
それどころか、ラルフがイザベルを殺したと疑われてしまいます。
話を信じてくれない両親に腹を立てたジュディは、その場を去っていきました。
ラルフが異常者というレッテルをはられたまま、イニッドやローズマリーたちは部屋に戻っていきます。
ラルフはガブリエルに会って、血痕があったという話をしました。
ガブリエルはさっきまで人形の色塗りをしていて、絵の具をこぼしたのだと嘘をいっています。
イニッドに襲いかかる人形たち
ベッドでデイヴィッドを待つローズマリーは、突如人形たちに襲われることになります。
ローズマリーは腕に噛みつかれ、ナイフで串刺しにされ、のこぎりで腕をきざまれます。
人形たちに囲まれて逃げ場のないローズマリーは、窓から飛び降りて落下死してしまいました。
一方イザベルを探して洋館をうろつくイニッドは、乳母車を押すヒラリーを見かけました。
ヒラリーがおす乳母車には人形が入っていました。
屋根裏部屋に上がっていったイニッドは人形にされたイザベルを発見します。
この瞬間イニッドは人形に襲われました。
しかしイニッドはライターとベルトを使って人形たちを攻撃し、危機をのり切ります。
屋根裏部屋でピンチを切り抜けたイニッドですが、逃げこんだ別の部屋でおもちゃの兵隊に銃撃されて死んでしまいます。
たくさんの人形に囲まれるラルフとジュディ
ジュディとラルフはたくさんの人形が置いてある部屋に入っていきました。
ラルフはおもちゃが好きなので人形を見て喜ぶのですが、なんと相手は動く人形だったのです。
ジュディたちは生きる人形に取り囲まれていました。
恐怖を感じたラルフは、人形たちを蹴飛ばしながら部屋を出ようとします。
ここで人形たちの表情が険悪に変わっていく様子が不気味。
人形を踏み潰したラルフに人形は襲いかかったのです。
ラルフのピンチを救ってくれたのはジュディでした。
ジュディが人形に話聞かせて、ラルフへの攻撃をやめさせたのです。
人形たちは緊急会議を開きます。
人形たちはラルフが子供の心を持っているかどうかで話し合いをしているのです。
ラルフが童心をもっていることが分かると、人形たちは許してくれて、部屋からだしてくれました。
一方部屋でシャワーを浴びたデイヴィッドがベッドに入ると、そこにはローズマリーの死骸がありました。
デイヴィッドはラルフがローズマリーを殺したと勘違いします。
ラルフを殺してやると叫んだデヴィッドは、部屋を出ていきました。
デイヴィッドがラルフに襲いかかる
ラルフとジュディが人形の部屋から出ると、ガブリエルの工房があります。
そこでジュディたちは、怒り狂うデイヴィッドと遭遇します。
デイヴィッドは凶器をもってラルフに襲いかかりました。
ジュディは突き飛ばされて気を失ってしまいます。
殴り倒されたラルフにデイヴィッドがとどめをさそうとした時、パンチ人形が助けてくれます。
パンチがデイヴィッドの動きを止めている間に、別の人形たちが気を失ったラルフを別部屋へ退けてくれました。
パンチ人形はデヴィッドと健闘しましたが、最後は破壊されてしまいます。
このとき、騒ぎをきいたハートウィック夫婦がやってきました。
破壊されたパンチ人形は、デイヴィッドの協力によって直ると、ガブリエルは言います。
ここでデイヴィッドの体に恐ろしい変化が起きました。
デイヴィッドの体は変形して小さくなり、パンチ人形になってしまったのです!
【結末】洋館を去るジュディたち
夜が明けて、朝がきました。
目が覚めたラルフとジュディは、ガブリエルからことの顛末を聞かされます。
デイヴィッド、ローズマリー、イザベル、イニッドの4名は、すでに洋館から帰っていったことをガブリエルから知らされました。
さらにラルフたちが昨夜体験したことは、まるで悪夢だったかのようにガブリエルは話します。
ジュディたちは人形の恐怖を実際に体験しましたが、ガブリエルはその事実を隠そうとしていたのです。
ラルフの車はぬかるみから出されていました。
ガブリエルはジュディをお母さんのいるボストンまで送ってくれるように、ラルフに頼みます。
車の運賃まで用意してくれるハートウィック夫婦に、ラルフは不思議な感じがしました。
ジュディがパンチ人形にさよならを言ったとき、人形は「さよなら、チビ」と返してきました。
これを見ていたラルフは状況を把握して、洋館から立ち去ろうとします。
ジュディはまた洋館に遊びにくると、ガブリエルたちに約束しました。
童心をもっているジュディはハートウィック夫婦に歓迎されているのです。
ラルフの車には、ローズマリーに捨てられたクマの人形が置かれていました。
ジュディはハートウィック夫婦にクマの人形を渡しに行きます。
ジュディはクマの人形はガブリエルたちのところに置いておいた方が良いと思ったのです。
こうしてジュディはラルフの運転する車に乗って、洋館から帰っていきます。
ハートウィック家の棚には、人形にされたデイヴィッド、ローズマリー、イザベル、イニッドが並んでいました。
そして、次の一家が車でやってきてまた洋館に迷いこんでいきます。
こうしてドールズは終了します。
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ドールズ(DOLLS)の魅力を考察
ここでは小学校4年のころにドールズと出会って以来、好きすぎて30回以上見てきた筆者が、この作品のすばらしさを書いていきます!
1.童心の大切さが描かれている
ぼくがドールズで一番素晴らしいと思うのが、「童心の大切さが描かれている」いるところ!
ドールズでは童心を失い、汚い心を持つ大人たちが人形に襲われていきます。
一方ジュディやラルフのように子供の心を持つ純粋な人物は、助かるのです。
表現者は作品を通して何かメッセージを伝えるものです。
ドールズの場合、子供の純粋な心を持ち続けることの大切が描かれていて、すごくいいなと思いました。
子供心は人を純粋にし、物事に対するクリアな価値観を与えてくれます。
あわただしい現代の大人たちには、童心なんて忘れられがちです。
誰もが一度は子供だったけど、その事実は年を経るにつれて遠い昔のものになってしまう。
そんな人たちに、ドールズは子供の純粋な心を思い出させてくれます。
このようにドールズは、童心をもつことの大切さが描かれた寓意的な作品となっています。
またぼく自身子供の心をもつ人間なので、創作のときに童心が役に立つことがあります。
子供っぽい空想心から、絵や漫画に関するいろんな発想がわいてくるのです。
せわしい毎日のなかで忘れられやすい子供心ですが、これこそ大切な価値観だと思います。
そんな童心の大切さをダークファンタジーで描くドールズは、素晴らしいです!
2.ガブリエルが人形について語る言葉が胸をうつ
ドールズでガブリエルとラルフ&ジュディで会話をするシーンがあります。
ラルフは大人なのにいまだにおもちゃに興味があることを恥じるような様子。
しかしガブリエルは童心を持ち続けているラルフを擁護するような発言をします。
おもちゃはいつまでも人間に忠実だ、というガブリエルの言葉が胸に響きます。
「子供たちが望む限り、おもちゃはここにある。おもちゃは子供時代の心と魂」
そんな風に聞こえる、ガブリエルがおもちゃに関して意見するシーンは、必見の場面です。
3.シチュエーションが素晴らしい
ドールズの何が素晴らしいって、シチュエーションが素晴らしんですよ!
物語冒頭ジュディ一家は車がぬかるみにはまって動けなくなり、仕方なく近くにあった洋館に入っていきます。
これはホラー映画の王道といえる定番シチュエーションです。
「変態村」も「悪魔のいけにえ」も「蝋人形の館」も、このシチュエーションの傑作ホラー映画です。
ドールズはこの定番シチュエーションが、ものすごく生きている映画なんだ!
ぼくのなかでは車が故障してどこか別世界に迷いこむ系のシチュエーションは、ドールズが一番ハマってると感じます!
ひょんなことから迷い込んだ洋館で奇妙な体験をし、翌朝生き残った者だけが、館から帰っていく。
なんかもう夢のようなシチュエーションじゃないですか!
ものすごく幻想性を感じる展開だと思います。
このシチュエーションを生かしきってるところが、ドールズの魅力なんだと思います!
4.メルヘンとホラーの融合
ぼくはドールズをメルヘンとホラーが融合した作品だと思っています。
ドールズは7歳の少女ジュディ目線から物語が描かれる。
内容も童心の大切さが説かれる寓話性や、動く人形が登場するなど、メルヘンを感じさせる要素が多い。
ガブリエルが動く人形を作れるって設定が、すでにメルヘンチックです。
またドールズには作品全体から漂う、幻想的な雰囲気があります。
そんな幻想的なメルヘンの要素が、スプラッターホラーと融合する。
ファンタスティックメルヘンとホラーの合体!
なんて耽溺ものの世界観でしょう!
このようにメルヘンとホラーが合体したドールズには、恐るべき化学反応が起こるのです。
それは「唯一無二の傑作ホラー映画になる」という化学反応です!
5.主人公のジュディがかわいい
ドールズの魅力といえば、やっぱり主人公の少女ジュディですね!
ジュディの存在がドールズに幻想性を与えていると感じます。
まるで不思議の国のアリスの世界から抜け出してきたかのようなジュディ。
ジュディの幻想的な存在感は、この映画にベストマッチしています。
空想癖があって、動く人形たちと心を通わすというジュディの演出は、ドールズのメルヘン要素をいやおうなく増しています!
ドールズの主人公は、男の子でも青年でも年頃の女性でもいけないんですよ!
人形が好きで、空想癖があって、純粋無垢なジュディだからこそ、ドールズの幻想性が生きるんです!
ドールズを最大限に生かす主人公は、ジュディの他にいないのです!
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6.幻想的だけど残虐なホラーシーンはある
ドールズにはレトロでノスタルジックな世界観があるので、ほんわかしたホラー映画だと勘違いされがち。
でもしっかり残虐なスプラッターホラー要素もあるのです!
たんなるお子様向けホラー映画では終わってない。
人形ものスプラッターとして、ホラーを十二分に楽しませてくれます!
例えば人形が人間に襲いかかり、刃物やのこぎりなどで切りつける、目玉がくりぬかれるなんてグロ映像がとびだします。
人形の内部には、グロテスクな生物がうごめいているところも面白いですね。
人間を見る人形の表情がだんだん険悪なものにかわっていく様子が、非常に不気味です。
またドールズはコマ撮りをされているようで、独特な人形の動きが特徴。
ドールズはホラーとしてグロさも残虐性もあるけど、衝撃的に怖いわけではないですね。
またホラー映画によくあるエロシーンがないので、家族で一緒にみるのに向いているでしょう。
7.ラルフが良いキャラしてる
ドールズで、ラルフは重要なキャラクターだと思います。
人の好さそうな笑顔と優しい性格が印象的なラルフ。
ラルフは「大人と、子供の心を持つ大人」の間で、揺れる存在として描かれます。
ラルフのキャラクターの魅力は、「大人と童心の間で揺れ動く心の葛藤をもっている」ところにあります。
ジュディは純真な子供。
デイヴィッド、ローズマリー、イザベル、イニッドは大人に部類されるキャラクター。
そしてラルフは子供と大人の間で葛藤するキャラクターなのです。
おもちゃが好きな子供っぽいところもあるけど、そんな自分を恥じる大人としての理性があるラルフ。
童心のかけらを持つラルフは、ジュディと共に最後まで生き残ることができました。
年齢的には大人だけど、心には子供っぽさが残るラルフ。
ラルフはそんな微妙な立ち位置にあって、童心の大切さを体現しているキャラクターなのです。
8.テーマ曲が映画とマッチしてて素晴らしい
ドールズはテーマ曲がまた素晴らしいです!
ドールズのテーマ曲は冒頭やエンドロールで流れるだけでなく、本編でオルゴールや挿入曲としても使われ、作品にとても良い味をそえています。
たとえばイザベルが悪さをしようとしたとき、オルゴールのテーマ曲が何度も流れますが、ここなんか非常に不気味にテーマ曲が使われてるシーンです。
ドールズのテーマ曲には幻想的なメルヘンの要素と、ホラーとしての怖さが混じっていると感じます。
名作映画には必ずといっていいほど、魅力的なテーマ曲がついてるもの。
「オーメン」にも「ベニスに死す」にも「スター・ウォーズ」にも名テーマ曲はありました。
ドールズにもやはり、名テーマ曲があったのです!
9.ホラー映画の黄金時代の空気感がする
これはぼくの個人的な見解ですが、ドールズにはホラー映画の黄金時代を思わせるような雰囲気があります。
ドールズは1987年に公開されたので、80年代のホラー映画。
ぼくのなかで、洋画ホラー映画の黄金時代は1970年代~1980年代だと思っています。
この時代に出てきたホラー映画は本当に素晴らしいのです!
ドールズには1980年代のホラーとしての魅力がそろっています。
現代の映画に比べたらドールズのスプラッター描写はチープに見えるかもしれません。
しかし、80年代風のチープな演出が、逆に良いのです!
この時代でしか出せない、独特なホラーの雰囲気がある。
例えば作品全体の雰囲気とか、80年代風スプラッター描写とか、光の使いかたとか、人形の動きとか…80年代ホラーを感じさせる要素は多々あります。
ドールズは、80年代だからこそのホラー演出が活きています!
映画は映像技術が良くなればいいってわけではありません。
ドールズの時代でしか出せないホラーの素晴らしさがあるのです!
ドールズは80年代ホラー映画が持つ魅力を、奇跡的に持ち合わせた名作なのです。
10.ラストの終わり方が素晴らしい
ぼくがドールズで素晴らしいと思うのが、ラストの終わりかた!
映画はラストが良いと、作品全体が良く見えるものです。
ドールズは完璧なくらいうまい終わり方をするので、何度でも見たくなる映画です。
以下にドールズのラストのすばらしさについて見ていきましょう。
現実に戻らなきゃ
ドールズのラストでラルフが言う、「現実に戻らなきゃ」のセリフがすごく良いです!
「現実に戻らなきゃ」というセリフは、この作品がまるで一編の夢(悪夢)だったことを感じさせます。
作品に幻想性を与えてくれるセリフだと思います。
ドールズのラストでジュディとラルフが目覚めたあと、ハートウィック夫婦が昨夜のことはみんな夢だったと語り聞かせるシーン。
ここでラルフはすべては悪夢だったと思い、「現実に戻らなきゃ」というセリフをいうのです。
ドールズのラストシーンは朝を象徴するような心地よい解放感があって、そこで出てくる「現実に戻らなきゃ」がすごく作品に合ってるんですね。
夢を見ているような感覚でドールズが楽しめて、ラストでは現実に引き戻される感覚。
すごくうまい演出だと思います!
ラストの車のなかでの会話
ドールズのラストシーンで、ラルフが車を運転して館から帰っていくとき、ラルフはジュディと印象深い会話をします。
ジュディはラルフに結婚してるかどうかを聞き、ラルフはしていないと答えました。
ラルフ「ああ、いいや、さあな」
その後ジュディは、きっとラルフがボストンにいるジュディの母親に惚れるだろうといいました。
ジュディは「娘は欲しい?」とラルフに聞いています。
これはラルフがジュディを母親のところへ送りに行ったとき、ジュディの母と結婚するかもしれない可能性をほのめかした会話です。
危険な一夜の体験を過ごしたジュディにとって、ラルフは大切なお友達になっていました。
ジュディからしたら、ラルフにお父さんになってもらいたいと思ったのかもしれません。
実際にどうなるかはさておき、映画の最後でこのような会話をはさむあたりに、ドールズの純粋性を感じます。
次の一家が迷い込んでくる
ドールズのラストで素晴らしいって思うところがここ!
ジュディとラルフが帰っていったラストシーンの後で、今度は別の一家が車でやってきてまた洋館に迷い込むことになります!
これの何が良いかというと、物語が「ループ」しているとこ。
ジュディとラルフたちが洋館で体験した一夜の悪夢を、こんどは別の一家が体験することを暗示しています。
映画のなかで物語がループして、延々と続いていく様子に、作品としての完璧性(まとまりの良さ)を感じるのです。
普通ならジュディとラルフが生き残り、帰っていって話は終わりです。
しかしドールズでは最後に別の家族の車が止まって、また洋館に迷い込んでいく。
このループしている様子が、幻想的でドールズらしいのです!
ものすごくうまい演出だと思う!
ラストで別の家族がやってくるというループ演出があることで、作品の質を非常に高めていると思います。
ブルーレイのDVDしか出ていない?
ドールズはこんなに素晴らしいホラー映画なのに、これまでDVD単体での発売がされていない作品です。
抱き合わせのBOXセットが販売されていたようですが、もはや絶版とのこと。
しかし救世主があらわれました!
ホラーマニアックスという会社が、ドールズのブルーレイDVDを発売しているのです!
なんという快挙!
ホラーマニアックスという会社は、ゾクゾクするくらい耽溺ものの、マニアックなホラーDVDを発売しています!
これはありがたい!
偉大な作品なのにあまり知られていないドールズが、ブルーレイDVDとして発売されたとなると、ファンは見逃せないですね!
ドールズのブルーレイDVDが気になる人はこちらのリンクをクリックしてどうぞ。
ドールズ(DOLLS)の感想や評価
https://twitter.com/space_nekubo/status/1028272208009809920
ここではホラー映画ドールズに関する評価や感想について見ていきましょう!
「人形はいつでも人間にとって忠実な存在」
「いつまでも童心を忘れてはいけない」
ドールズでは上のような大切なメッセージが描かれており、素晴らしい作品だったという評価がありました。
まさにですね!
大人になると忘れがちな、純粋な子供心。
ドールズはそんな童心の大切さを思い出させてくれる映画ですよ。
大人たちが人形に殺されていくシーンがコマ撮りされていて、程よくゴア描写もあって楽しかったという感想もありました。
確かにドールズの人形の動きはコマ撮りのような微妙にかくかくした動きになってます。
でもそのチープな感じの動きが、ドールズの魅力になっていると思います。
ほかの殺人人形系ホラー映画でドールズほど幻想的な作品はないという感想もありました。
これは非常に同感です!
ゴアなホラーでありながら、あれほどの幻想性豊かな世界にできたドールズのすごさは奇跡です!
チャイルドプレイにもパペットマスターにもできなかったことです。
ドールズは人形系ホラー映画の聖典とも呼ばれていました。
ドールズはチャイルドプレイやパペットマスターより先に発表された、人形系ホラー映画の先駆的存在。
かつドールズにしか出せないダークファンタジーの世界観、ホラーの演出などが評価されているので、人形系ホラー映画の聖典と呼ばれているのでしょう。
またドールズは、子供にもみせられるホラー映画という声もありました。
残虐シーンもありますがエロはないので、家族で安心して見れるホラー映画としておすすめしたい作品ですね。
ホラー映画ドールズの最後に
ドールズは人形系ホラー映画の先駆であり、大傑作のわりにはあまり知られていないところが不思議な作品です。
ドールズと検索するとほとんど北野武監督の映画がヒットしますが、ぼく的にはホラー映画ドールズこそ真っ先に出てくるべき作品だと感じています!
ドールズ最大の魅力は幻想性とホラーが融合したダークメルヘン的な世界観にあります!
まるで一編の淡い夢を見ているような感覚で楽しめるあたりも、この作品の幻想的魅力につながってます。
何より「童心を大切に」という作品のメッセージが、痛いほど心に響いてくる映画です!
あわただしい今の時代、純粋な子供心を忘れてしまいがち。
でもそんなときこそ思い出してほしいのです。
幼いころに感じたあの豊かな感覚を…
ドールズはそんな童心を思い出させてくれる傑作です。
いつまでも童心を大切にしたい人、童心を忘れてしまいそうな人たちにこそおすすめしたい映画です!
ドールズのネタで描いた漫画を紹介!
ここではホラー映画「ドールズ」のネタで描いた漫画を掲載しています!
ホラーを心から愛する筆者が、人生をかけてみてきた傑作ホラー映画10選は以下の記事で書いていますので、興味のある方はあわせてどうぞ♪