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デュシャンの泉が20世紀芸術を変えた!革新的すぎるその発想とは?

投稿日:2016年12月21日 更新日:

デュシャン,泉,芸術

マルセル・デュシャン。

20世紀芸術を泉という作品で根底から革新した芸術家。

 

その衝撃力、影響力の大きさはピカソを上回るといっていい。

 

デュシャン以後と以前で芸術の様相は大きく変わった。

デュシャンは泉によって芸術という概念自体に革命を起こしたのだ!

 

デュシャンは今に続くコンセプチュアルアートの創始者でもある。

 

デュシャンの芸術的発想を知ると、表現者にとって常識にとらわれることがいかに愚かで、創造性の障壁になるかが分かるだろう。

 

何かを創作する時、発想の転換を与えてくれるデュシャンの芸術表現は、表現者にとって大きな学びとなる。

 

今日はそんなデュシャンが生み出した泉を通して、革新的な芸術表現を見ていこう!

 

 

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芸術の革新者デュシャンはダダイズムの使者

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デュシャンのイラスト

 

マルセル・デュシャン(1887年7月28日~1968年10月2日)は美術史で言うとダダイズムという芸術運動を代表する芸術家にあたる。

 

ダダイズムとは1910年頃から始まった芸術運動だ。

 

ダダイズムは第一次世界大戦に対する抵抗や、それによってもたらされた虚無を背景に持っている。

ダダイズムは既成秩序や常識に対する否定、攻撃、破壊といった思想を特徴としている。

デュシャンの芸術的革新はダダイズムの表現から始まったのだ。

 

デュシャンの人生

マルセル・デュシャンは1887年フランスノルマンディー地方ブランヴィル=クレヴォンで裕福な家庭の子として生まれた。

 

二人の兄はともにデュシャンより10歳以上年上で、ジャック・ヴィヨン、レーモン・デュシャン=ヴィヨンの名で美術家として知られている。

 

デュシャンは兄からの影響で幼い頃から絵を描き始め、高校卒業後はパリに出て絵画を学んだ。

初期の頃はキュビズムの影響を受けたこのような絵を描いている。

 

デュシャン,泉,芸術

 

デュシャンが絵画らしい作品を描いていたのは1912年頃まででそれ以降は油絵を放棄してしまう。

デュシャンにとって芸術とは単に絵を描くことではなく、これから紹介する知性を用いた表現だったのかもしれない。

 

デュシャンはチェスの名手でもあったようでその腕前はセミプロ級だったらしい。

 

1915年、デュシャンはニューヨークに行ってアトリエを構える。

 

ここからデュシャン独自の芸術表現が始まっていく。

 

20世紀のアートを根底から革命し、今に続く芸術への問いを投げかけるのだ。

 

 

デュシャンの泉による革新的な芸術表現!

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デュシャンの泉

 

これは20世紀芸術を革新した「泉」という作品。

 

この芸術作品を見てあなたはどう感じるだろうか?

 

既製品の男性用便器にR.MUTTとサインがしてある。

 

これは1917年「泉」というタイトルでマルセル・デュシャンによって製作された芸術作品だ。

実はこの「泉」が20世紀アートを革命した張本人だった。

 

 

マルセル・デュシャンは1917年アンデパンダン展にて泉を出品した。

イズミはまたたくまに問義をかもして、展示を拒否されてしまう。

 

それもそのはずこの時代の先端芸術と言えばキュビズムやイタリア未来派、抽象絵画といった作品群だった。

 

ピカソとブラックが生み出したキュビズムの手法が広がってゆき、ピエト・モンドリアンやマレーヴィチが抽象絵画を生み出していた頃。

 

絵具や支持体(キャンバスなど)を使い、一人の芸術家が感性と技術でオリジナルな一点物のアート作品を作っていた時代なのだ。

 

そこにこの「泉」である。

 

 

相当ショッキングだったろう。

 

泉は現代アートを見る人の反応によくある「何だか意味が分からない作品」の代表であり、その始まりともいえる。

 

デュシャンは泉をレディメイド(既製品)と呼んだ。

 

果たしてこの泉の何が凄かったのだろうか?

 

 

 

芸術の概念自体を革命した

 

デュシャンはインタビューされた時にこう語っている。

「クールベ以降、絵画は網膜的になった」

~マルセル・デュシャン

絵画が網膜的になったというのは、目を楽しませるためのキレイな飾り物としての絵画になってしまったという意味だろう。

 

確かにクールベ以降に登場した印象派などは、目が捉える光の様相をキャンバスに描く表現となっている。

 

画家の目と手だけを頼りに描かれ、目による快楽と手仕事によってなされる絵画をデュシャンは批判する。

 

例えば印象派のモネは、デュシャンの言う「網膜的な絵画」の代表者といえるだろう。

 

デュシャンはモネの描く絵を「目のための快楽だ」と言い放つ。

 

それまで人々はキャンバスに絵の具で何かを描くことを絵画と認識してきた。

対象の正確さや、絵としての美しさに価値が見出されてきたのだ。

 

しかしデュシャンはここに異を唱える。

 

そもそも芸術とは何か?と。

 

芸術とはキャンバスに絵の具を置いて何かを描く行為、もしくは美しい彫刻を創造する行為なのか?

とデュシャンは問う。

 

 

・絵画とは目(網膜)を満足させるために、画家の手から生み出されるオリジナルなものでなくてはいけないのか?

・絵画には長年腕を磨いてきた技術と手仕事が必要なのか?

・なぜ美しくなければいけないのか?

・なぜ自分の手で作り出さねばいけないのか?

・なぜ画家のサインが入ると、その絵の価値が飛躍的に高まってしまうのか?

・アートにとって何が良くて、何が良くないのか?

 

 

上のようにデュシャンは芸術の根底を揺るがすような革命的な質問をしたのだと思う。

 

この質問力が20世紀芸術の歴史を変えたのだ。

 

西洋美術の常識を打ち破ったピカソでさえ、絵画芸術という枠の中で自己表現を行ったというのに。

 

デュシャンという芸術家は、芸術とはそもそも何なのか?と疑問を持ち、その答えを泉などの作品で表現したのである。

 

この常識を打ち破るデュシャンの思考に注目してほしい!

 

普通画家は絵を描き、彫刻家は彫刻を作って自己表現する。

これを芸術と称していた。

 

ゴッホがいかに革新的でも、絵画という枠を外れることはなかった。

 

しかしデュシャンは芸術という概念自体に疑問を持ったのだ。

 

世界を変える人物というのはある時点で飛躍的な発想を行うものだ。

アインシュタインが幼いころに持った疑問を追い続けた結果として、相対性理論が発明されたように。

 

デュシャンは芸術に対する革命的な質問に対する答えとして「泉」を発表したのである。

 

「泉」は反逆に満ちたデュシャンの、芸術に対する答えだった。

 

泉は芸術とは概念そのものであるというデュシャンの自己表現を物語っている。

 

芸術作品といえば芸術家が丹念に手作りした一品もの作品だと考えるだろう。

しかしこの常識に対してデュシャンは、どこにでも売っている既製品の便器を持ち出して泉と名付けた。

 

この芸術に対する挑戦の姿勢が素晴らしい!

 

デュシャンは美しく高貴なものであった芸術に対して、どこでも売ってる便器を対比することで、20世紀芸術を確信する偉大な表現を行ったのだ!

 

デュシャンは自分が委員を務める委員会に対して、異名で「泉」を出品している。

デュシャンは泉が展示拒否を受けたことに抗議文を出して、レディメイドによる表現意図を語っている。

 

これらデュシャンが行った行為全体を芸術表現としてパフォーマンスする斬新さがすごい!

 

 

デュシャンは抗議文でこう語っている。

「マット氏が自分の手で泉を制作したかどうかは重要ではない。

彼はそれを選んだのだ。

彼は日用品を選び、それを新しい主題と観点のもと、その有用性が失われるようにした。

そのオブジェについての新しい思考を創造したのだ。」

~マルセル・デュシャン

デュシャンは泉によって、芸術作品の概念を変えた。

芸術とは高貴な尊いものではなく、どこにでも売ってる便器を持ち出して、概念による芸術表現を打ちだしたのである!

 

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デュシャンの泉による大胆な開き直り!

 

R.MATTと偽名でサインを入れた既製品の男性用便器の芸術作品「泉」。

 

デュシャンのもう一つの革新点は強烈な開き直りにある。

 

つまり

「便器にサインして、これが芸術です」と主張したことが革新的なのだ!

 

なんという大胆な自己表現だろうか!

デュシャンは泉という作品で、芸術の概念自体に疑問を投げかけた!

 

芸術の根幹を疑い、芸術の価値は概念にあると考えたデュシャン。

 

男性便器それ自体は芸術作品とは呼べない。

 

 

デュシャンは芸術であるかどうかの違いは、どれを選ぶかにあると考えた。

どれを選んで、概念のもとに芸術と呼ぶかが問題なのだ。

 

概念の部分で自己表現が出来ていれば、何かを創作する必要はないとデュシャンは考えた。

物体は概念の表れであり、それはレディメイド(既製品)でもかまわないと。

 

既製品にサインを入れて、芸術作品と名乗ったデュシャン。

この開き直り力が20世紀芸術を革新したのだ!

 

上のようなデュシャンの考えからコンセプチュアル・アート(概念によるアート)という芸術表現が生まれる。

 

この発想は本当にすごいと思う!

まさに逆転思考。

 

革新は異端な発想から生まれるのは本当だったのだ!

 

 

ちなみに『泉』は2004年12月、世界の芸術をリードする500人に最もインパクトのある現代芸術の作品を5点選んでもらうという調査の結果、パブロ・ピカソの名作『アヴィニョンの娘たち』を抑えて堂々の1位を獲得したようだ。

 

デュシャンの自己表現がいかに衝撃的だったかがよく分かる。

 

 

デュシャンの革新的芸術表現「泉」の最後に

ここまでマルセル・デュシャンの革新的な芸術表現や「泉」についてみてきた。

 

マルセル・デュシャンは芸術という概念そのものに疑問を投げかけた表現者だ。

 

アートの価値は芸術家の優れた感覚や技術ではなく、概念に基づいて選ぶことにある、とデュシャンは主張した。

 

芸術はレディメイド(既製品)であってもかまわない。

 

便器にサインを入れるだけでも、芸術作品と名乗ることができるのだとデュシャンは示した。

 

 

芸術は思考を表現する手段。

それどころか思考そのものが芸術に他ならない。

 

このデュシャンの革新的な発想の転換が20世紀アートを変えた!

 

創作するとき、常識の地平で考えていたら世界を変える表現は生み出せなないだろう。

 

デュシャンはまず常識を疑った。

その上で強烈に自己表現を行ったのだ。

 

 

漫画や絵を描く僕たちは、デュシャンから学ぶべき多くのものがあると思う。

20世紀芸術はデュシャンの概念芸術によって、新しい地平を切り開かれたのだ。

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