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つげ義春のねじ式は漫画とアートの融合?ねじ式の魅力を考察する

投稿日:2018年1月11日 更新日:

ねじ式が描かれた芸術新潮

つげ義春という漫画家を知ってるだろうか?

 

つげ氏は「漫画とアートの融合」を行った先駆者だと僕は思っている。

そして粕川が最も好きな漫画家の一人でもある。

 

個性をガンガン前に出して漫画を描くという雰囲気はつげ氏の作品からは感じられない。

さりげなく、自然に、漫画にあふれ出てくる個性…そんな感じの漫画。

でも他の誰にも真似のできない独自な世界観が漫画にあふれている!

 

つげ義春氏の漫画は漫画表現に革命をもたらした。

その漫画の名は…「ねじ式」。

 

「ねじ式」は偉大な作品である。

ねじ式は連載漫画ではないし、アニメになったわけでもない。

たった22ページの読みきり漫画。

 

ねじ式がいかにして漫画表現を変えたのか?

ねじ式の何がすごいのか?

 

今日はつげ義春氏のねじ式の考察、つげ氏がどのようにしてねじ式を発想したのか?つげ義春漫画の魅力に迫っていこう!

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ねじ式とは

「ねじ式」はつげ義春(1938年10月30日~)が1968年に月刊少年ガロという雑誌に描いた漫画作品。

ガロとは1964年に発刊された漫画雑誌で大学生など当時としては高い年齢層に読まれていた。

ガロは個性的な漫画作家陣が執筆していたことで有名で、あの水木しげる氏も少年マガジンで連載を持つまでガロで漫画を描いていた時期がある。

そんなガロの1968年6月増刊号で発表されたのが「ねじ式」だった。

 

ねじ式はたった22ページ、一回きりの読みきり漫画だ。

作風はというと…「話の脈絡のない、行き当たりばったりな展開でいて意味深なテーマを感じさせる芸術的な作風」と僕は感じている。

 

ねじ式は主人公の少年が海辺でメメクラゲに左腕を噛まれてしまい、女医に治療されるまでの過程を描いた物語である

 

僕はねじ式を読んでいると「奇妙な違和感」を感じてしまう。

●主人公とその他のキャラクターのセリフの掛け合いに妙なズレがある

●漫画の舞台(海、草原、村など)がかもし出す不思議な空気感

●つげ氏の絵の奇妙な魅力

●つじつまの合わない物語のシュールな魅力

 

これらはねじ式を象徴する要素である。

 

おそらくねじ式を始めて読む人は「意味が分からない」という感想を持つ人が多いだろう。

物語の展開が「現実を超えた現実感…シュールレアリズム」を感じさせるからだ。

シュールレアリズムと言えば画家のサルバドール・ダリの不思議な絵画を思いだす。

 

ねじ式はダリの絵画に負けず劣らず不思議で奇妙、意味のつかみづらい魅力をもっているのだ。

 

僕はつげ義春氏が「漫画とアートを融合した先駆者」だということを書いた。

まさに「ねじ式」は漫画と芸術(シュールレアリズム)を融合した作品だ。

 

ダリの絵を見てどういう意図で絵が描かれたかを読みとるのは難しい…

でも間違いなく素晴らしい絵画なことは分かる。

 

つげ義春氏のねじ式は不思議で意味が分かりづらい。

しかし何かすさまじい個性、魅力、人を引きつける奇妙さのある漫画なのだ。

 

そしてこのような漫画を書いた人は1968年当時、誰もいなかった。

1968年頃と言えば天才バカボンやゲゲゲの鬼太郎、巨人の星が流行っていたころ。

どの作品にも、分かりやすい面白さがあった。

 

しかしねじ式は漫画としての分かりやすさを放棄している。

作家の心の内をそのままたたきつけたような斬新で不可解な漫画。

まさにねじ式はシュールな芸術作品という印象なのだ。

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ラーメン屋の屋上で見た夢を漫画で描いたつげ義春

眠る赤ん坊の画像

 

つげ義春氏は1968年頃水木しげる氏のアシスタントをしながら空いた時間に自分の漫画を描いていた。

当時つげ氏はラーメン屋の2階に下宿しており、締め切り間近の漫画原稿をかかえていた。

しかし中々良い案が浮かばない。

どうしよう…

 

つげ氏はそんな状況でラーメン屋の屋上で眠っていたら夢をみた。

ラーメン屋の屋上で見た夢を、そのまま描いたのが「ねじ式」だという!

 

つげ氏は「漫画の締め切りが間近に迫ってヤケクソになって描いた」と言われている。

 

この「見た夢をそのまま作品にした」という所も画家のサルバドール・ダリと同じなのが印象的だ。

つげ義春氏は夢をもとにして描いた漫画も多い。

 

夢は普段意識していない意識…深層意識からのメッセージだとも言われる。

深層意識にはその人の本質的な思いが眠っている…これを漫画で描くというのは粕川の中では「自己表現」以外の何物でもない。

 

夢を通してありのままの自己を漫画で描いた作家・つげ義春。

 

この革新性が漫画表現の未来を切り開いたのである。

 

つげ義春漫画の魅力~漫画を通した自己表現?

僕はつげ義春氏の最大の魅力は「漫画を通して自己表現を行った」ところにあると感じている。

つげ氏の漫画を読んでいると「漫画を通して文学的に自分を語っていた」のでは?という印象を受けるのだ。

その証拠につげ氏は自伝的漫画、温泉へ行った話などのエッセイ漫画、日記漫画をたくさん描いている。

 

つげ氏は小学校卒業後、メッキ工として働くも長くは続かず家出をしたり転々とした人生を送っていた。

 

もともとつげ氏は対人恐怖症なところがあったという。

 

●人と関わらなくてすむから

●一人で出来る仕事だから

 

このような理由から、漫画家を志したといわれている。

 

僕はつげ義春氏の伝記やエッセイを読みまくっていた時期があって、とても共感できる人だと感じていた。

僕は対人恐怖症ではないけど、自分の内なるものをさらして漫画を描くという事にすごく共感できる。

 

●自らの人生を漫画に投影させた作家

●作家の魂の告白を感じさせる漫画

 

そんな独特な面白さがつげ氏の漫画にはあって、僕は大好きなのだ!

 

自らをさらけだして小説を書いた太宰治を感じさせる漫画家だと思う。

 

つげ義春氏は短編漫画をたくさん描いた人だ。

そのどれもが独特の感性で描かれる抒情と、文学の匂いがある。

 

つげ氏の漫画にある深いテーマはつかもうとしてもつかめない…はかない夢のような感覚。

まさにつげ氏にしか生み出せない独自の漫画世界を築いている!

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ねじ式の考察、解釈について

栗のマロロンが本を読んでいる画像

栗のマロロンが本を読んでいる画像

 

漫画を読む人によって様々な捉えかたの出来る作品だから、ねじ式は色々な解釈が生まれた。

つげ氏の漫画を読むのは夢を見る感覚に近いとか、「存在論的反漫画」と哲学的な解釈もされたようだ。

 

ねじ式が登場した時代は全共闘紛争が起こる間ぎわの頃。

漫画はそれまで子供が読むものだったのが、大学生までが漫画を読んでいると騒がれていた時代。

大学生はサルトルの哲学書などをカフェで読んで議論し合うような時代背景があった。

こんな時に発表された意味深で、哲学的で、芸術性を感じさせるねじ式は多くの読者の気を引いた事だろう。

 

僕はねじ式の奥にある意味深なテーマを探ることにはあまり意味を感じない。

漫画として自らの深層意識をダイレクトに表現したねじ式の革新性が、素晴らしいと思う。

 

漫画の意味は二の次。

いや、よくわからないこと自体がねじ式最大の魅力だ!

 

つげ義春のねじ式の魅力を考察の最後に

つげ義春氏のねじ式は、その後の漫画に限らず様々な表現分野に大きな影響を与えた。

現在もつげ氏の独自な漫画は新しいファンを生み出し続けているという。

 

漫画界に巨匠は多いけど、読み切り漫画一本で漫画表現を変えた人というのは聞いたことがない。

 

もちろんつげ氏はねじ式以外にも大傑作がたくさんある。

しかしねじ式のインパクトは漫画界のその後を変えるだけのパワーを持っていた。

 

つげ義春氏は寡作な作家で、1987年以降は漫画作品を発表していない。

あれほどの才能を持つつげ氏が漫画を描かないなんてものすごくもったいない気がする…

ともかく漫画界の伝説的存在なのだ。

 

僕はつげ義春氏の魅力はねじ式だけではとても語れないと思う。

ねじ式に匹敵するような名作をたくさん描いているからだ。

 

文学が好きだったり、夢や妄想を描いた漫画が好きな人にはきっとつげ氏の漫画は大ヒットするだろう。

エンターテインメントを求める漫画好きの方には物足りなさを感じるかもしれない。

エンターテインメントというより、つげ義春氏の世界観に共感できる、ハマれる人にとっては最高に面白い漫画だといえる。

 

ちなみに僕はつげ氏の作品では1985年に描かれた「無能の人」が特に好きだ!

今回の記事を読んでつげ義春氏の漫画に興味を持たれた方がいたら是非その世界を体験してほしい。

 

その後の漫画表現を激震させた伝説の読みきり漫画「ねじ式」。

つげ義春氏の漫画はいかなる人にも真似できない独自な個性を放っている。

つげ氏は漫画とアートを融合させた奇跡の先駆者なのだ!

 

 

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