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損保ジャパンで見たゴッホのひまわりの感想と裏にあったドラマとは?

投稿日:2016年11月22日 更新日:

ゴッホ,ひまわり,損保ジャパン

 

僕は2016年11月19日土曜日 東京新宿にある損保ジャパン興亜ビル42階にある「カリエール展」を見ると同時に、常設展示でファン・ゴッホの「ひまわり」を見てきた。

 

僕にとってファン・ゴッホは人生を変えた芸術家だ。
これまで何度かゴッホの絵画を生で見てきたけど代表作である「ひまわり」を直に見たことは一度もなかった。

 

今回損保ジャパンにあるゴッホのひまわりを見れたので、その感想を書いていきたい。

 

 

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ゴッホにとってひまわりとはどんな位置にある作品か?

ひまわり畑

 

まず初めにゴッホは彼の代表作となる花瓶に刺したひまわりによる油彩画を人生で7枚描いており、その中の6枚が現存している。

 

ゴッホは自分が描いた作品をそのままコピーして描くことがあり、ひまわりにもそう描かれたものがある。

 

今回損保ジャパンで見たひまわりは自己模倣のひまわりではなく、記念すべきひまわりである。

 

なぜかと言うと、損保ジャパンにあるひまわりは、1888年11月~12月初頭に描かれた作品だからだ。

 

この時期ゴッホは南フランスのアルルに住んでおり、制作一か月前の10月にゴーギャンとの同居生活が始まっている。

 

ゴッホは、年上であり独自の作風を持ったゴーギャンを尊敬している。

彼が自分の住む黄色い家に来てくれるよう弟を通して何度も要請をかけていた。

 

ようやく受け入れてくれたゴーギャンがやってくる喜びにあふれたゴッホが、ゴーギャンに自らの才能を示したいがために集中して制作された作品の一つが損保ジャパンに入っているひまわりである。

 

ゴッホとしては、1888年単独でアルルにわたり一人野外での制作を通して到達した唯一無二な自分の作風をゴーギャンに見てほしかったのだろう。

 

さすがのゴーギャンもひまわりを見たとき、「これは傑作だ!」と言って感嘆したと伝えられている。

 

一般にゴッホの代表作は「ひまわり」だと言われている。

 

そのゆえんはゴッホが愛した色である黄色を大胆に、惜しみなく用いて自己の投影とも言えるひまわりに託して描いたからだろう。

 

実際ゴッホという人はひまわりのように無邪気で開放的な人物であったという。

 

ゴッホと言えば気難しい変わり者というイメージがあるけど、性格の核の部分にあるのはひまわりのような明るさだったのだろう。

 

僕が大好きなゴッホの言葉にこんなものがある。

 

「この太陽、この光、どう言ったらいいのか良い言葉が見つからないから、

ただ黄色、薄い硫黄の黄色、薄い金色のレモンという他はない。

この黄色が実に素晴らしい。

ああテオ(弟)、君がいつの日か南フランスの太陽を見て僕と同じように感じてくれたらいいと思う」

~ファン・ゴッホ

 

これはゴッホが好きだった日本を南フランスのアルルに投影して、当地で絵を描いている時期に弟へ向けて書かれた手紙の一部である。

 

僕はこれを読むとき胸が熱くなるような感動を覚え!

 

 

親からの抑圧を受け人からも理解されることの少なかったゴッホが、絵画による自己表現に自らの開放を見出し、その喜びを語っている姿が心に響くからである。

 

ゴッホは自らの心の叫びを色彩に託した。

ゴッホは対象をありのままに描かず、ミケランジェロのように意図的に誇張して描いた。

 

シンプルで力強く、永遠の印象を与える作品。

ファン・ゴッホはそんな絵画を作ったのである。

 

ひまわりにはゴッホの揺るぎない個性が結晶化されており、大好きな黄色を使って自己表現する男の魂が込められている。

 

だから人々を魅了し続けるのだろう。

 

 

 

人生初!損保ジャパンにあるゴッホ「ひまわり」の感想

ゴッホ,ひまわり,損保ジャパン

 

僕が生まれて初めて生のひまわりを見たとき、第一印象としてこんな風に思った。

 

「こんな大きな作品だったのか!」

 

僕が見たひまわりはだいたい100cm×76㎝ほどである。

でも正直すごく大きいと思った。

 

僕の中だともっと小さい41㎝×31cmくらい、もしくはもうちょい上くらいかなと思いきやこの大きさである。

 

あ~、これか!と思った。

 

これだけデカいキャンバスを相手に、花瓶に生けられた数本のひまわりを描くというシンプルさ!

この潔さに、まず感銘を受けた!

 

ゴッホには小細工は存在しない。

いつも直球ストレートである。

 

クリムトのひまわりのようなしゃれっ気はない。

 

ただもう率直に自分自身をひまわりに託して自己表現している感じがする。

 

しかもこの大きなキャンバスには大量の絵具で盛り上げるように描かれている。

 

ただでさえ高い油絵具を、このサイズのキャンバスへ大量に塗り付けるのは金のなかったゴッホにしたら覚悟がいったのではないか?

 

ゴッホは生活費と画材費の全てを画商をやっている弟のテオの仕送りに頼っていたから尚更だろう。

 

この絵が描かれた当時の裏に存在する、リアルな経済面とかも気になったりした。

 

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損保ジャパンのひまわりは「耳切り事件」前に描かれた

 

実は損保ジャパンにあるひまわりを描いたすぐ後、ゴッホは耳切り事件を起こす。

 

当時同居していたゴッホとゴーギャンはお互い揺るぎない個性を持っていたため、事あるごとに意見が対立していた。

 

ゴーギャンを立てるゴッホがいつも折れていたようだが、ゴッホが一緒に酒を飲んでいる時ついに逆上してゴーギャンにグラスを投げつけたという。

 

ゴッホに嫌気がさしたゴーギャンは真夜中一人でユゴー広場を散歩していると後から足音がする。

 

後ろを振り向くと取り乱したゴッホが手にカミソリを持って立っていた。

 

一悶着あって一人黄色い家に帰宅したゴッホは、自らの耳をカミソリで切り落としそのまま馴染みの娼婦に届けに行ったという。

 

 

この事件を知ったゴーギャンは一人アルルを去り、ゴッホの件は新聞に載るほどの記事となった。

まもなくゴッホは精神病院に収容されるのである。

 

これをゴッホの耳切り事件という。

 

損保ジャパンに入っているひまわりは耳切り事件のちょっと前に完成した作品である。

 

そのせいかひまわりの幾本かは力なさそうに垂れ下がっているのが印象的である。

 

この伝説性も相まって損保ジャパンに入っているゴッホのひまわりは、競売で日本円にして58億の値段で競り落とされている。

 

 

損保ジャパンにあるゴッホのひまわりを見た感想の最後に

ひまわり畑

 

ここまで損保ジャパンにあるゴッホのひまわりの感想やドラマについて見てきた。

 

損保ジャパンのひまわりはまもなく狂気の兆候を発するゴッホの、精神的な動揺を象徴しているのかもしれない。

 

狂気の前兆を匂わせる垂れ下がったひまわり。

その中にも力強く上へ伸びようと自身を誇示するひまわり。

 

それらがゴッホの愛した黄色によって大胆に表現されている。

 

損保ジャパンで見た目の前にあるひまわりに、僕は強烈なパワーを感じた。

その裏にあるゴッホの人間的な苦悩や葛藤も垣間見た。

 

画家はそれら自己の錯綜した魂を絵によって表現するのだ。

画家はウソ偽りない自己の魂を表現するのだ

 

ファン・ゴッホの素晴らしさはこの率直さにあるのだ!

この真摯な自己表現に僕は感動する!

 

あなたも損保ジャパンにあるファン・ゴッホのひまわりを見る機会があったら思い出してほしい。

 

ファン・ゴッホという一人の芸術家が、自らの人生をかけて自己表現した魂のひまわりだということを!

 

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