漫画アート芸術家は、どんな漫画をおすすめするのか?
筆者はこれまでいろんな漫画を読んできて、影響を受けてきました。
これまで読んできた漫画の積み重ねが昇華されて、今の創作につながっています。
今回は漫画アート芸術家の人生に絶大な影響を与えた「好きな漫画ベスト10」を告白します。
「好きな漫画ベスト10」は、1作家につき1作品のみ選びます。
ひとりの漫画家で何本も作品を選ぶことは出来るんですが、ベスト10と選べる範囲が少ないので。
ちなみに僕は、クラシックな漫画が好みです。
クラシックな漫画…漫画が子供の読み物だったころの、純粋無垢で破天荒、何でもありな「漫画表現の原点が作られていたころ」の漫画が好きなのです!
だから漫画アート芸術家が選ぶ「好きな漫画ベスト10」では、クラシックな漫画作品が多く選ばれることになるでしょう。
ここに挙げた漫画の要素が筆者を作ってきました。
あなたの好きな漫画と照らし合わせて、どうぞ最後までご覧ください!
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僕がこの記事では書けなかった、史上最も好きな漫画家と漫画作品を明かした記事は以下リンクに載ってます♪
Contents
- 1 【好きな漫画ベスト10】第10位:「おろち」楳図かずお
- 2 【好きな漫画ベスト10】第9位:「ど根性ガエル」吉沢やすみ
- 3 【好きな漫画ベスト10】第8位:「銀河鉄道999」松本零士
- 4 【好きな漫画ベスト10】第7位:「巨人の星」原作:梶原一騎、作画:川崎のぼる
- 5 【好きな漫画ベスト10】第6位:「鉄腕アトム」手塚治虫
- 6 【好きな漫画ベスト10】第5位:「ねじ式」つげ義春
- 7 【好きな漫画ベスト10】第4位:「ジョジョの奇妙な冒険」荒木飛呂彦
- 8 【好きな漫画ベスト10】第3位:「サイボーグ009」石ノ森章太郎
- 9 【好きな漫画ベスト10】第2位:「ゲゲゲの鬼太郎」水木しげる
- 10 【好きな漫画ベスト10】第1位:「天才バカボン」赤塚不二夫
- 11 好きな漫画ベスト10を書いた最後に
【好きな漫画ベスト10】第10位:「おろち」楳図かずお
漫画アート芸術家が選ぶ「好きな漫画ベスト10」の第10位は楳図かずお氏の「おろち」!
楳図かずお氏といえば、ホラー漫画の金字塔的存在!
「おろち」は1969年~1970年にかけて週刊少年サンデーで連載されていました。
特殊な能力を備えており、永遠に年をとらない不思議な少女が主人公の「おろち」。
「おろち」は恐怖漫画と銘打たれた作品です。
「怪談としての恐怖ではなく、人間の心に潜む醜い部分にスポットを当てた恐怖。人間だれもが持つ心の闇を増幅して恐怖を描くところ。」
楳図かずお氏の描く上のようなホラー要素は本当に素晴らしいと思います!
幽霊や妖怪の恐怖も良いけど、人間の内にある黒い闇をホラーに仕立て上げる表現。
すごく良いですね!
僕も人間の、心の闇に迫る恐怖を描きたい!
「おろち」はオムニバス形式で描かれる漫画。
「おろち」短編の集まりで構成されている漫画なのです。
僕はホラー漫画は連載物より読み切り短編の方が好きで、その点でも「おろち」はマッチングしています。
「おろち」はエピソードごとに主人公が存在し、それら人々の物語をおろちが見つめる中で展開していきます。
おろちが特殊能力を使って物語に関わることもあれば、ただ茫然と眺めているだけの時もあある。
おろちという主人公が傍観者として設定され、エピソードごとの主人公の物語を見守る構成は、「漫画表現」として面白いと思います!
この場合のおろちの位置づけは「狂言回し」。
●物語の中で変化を体現する存在が主人公(人間たち)。
●人間の物語を見つめる、シリーズ通しての主人公が「おろち」(狂言回し)。
僕はホラーというジャンルが大好きなので、タイミングを見て本格的ホラー漫画も制作していこうと思っています!
「おろち」はホラー漫画として、本当に学ぶことの多い作品です!
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【好きな漫画ベスト10】第9位:「ど根性ガエル」吉沢やすみ
漫画アート芸術家が選ぶ「好きな漫画ベスト10」の第9位は吉沢やすみ氏の「ど根性ガエル」!
「ど根性ガエル」は週刊少年ジャンプで1970年~1976年にかけて連載されていました。
「ど根性ガエル」はひろしという少年が石に転んで倒れたときにカエルを下敷きにしてしまい、「服の中にカエルが入っちゃった!」というアイデアのドタバタギャグ漫画。
僕は服の中にカエルが入りこんで、ひろしと一緒に生活をするというアイデアがまず面白い!と思いました。
粕川が考える「ど根性ガエル」最大の魅力は、「コメディとして面白いながらも、人情で落としてくる」点にあります!
東京下町を舞台にガールフレンドの京子ちゃん、番町でいじわるなゴリライモ、キレイな女教師ヨシ子先生や寿司屋の梅さんなどが登場する、笑いあり人情アリの漫画。
「ど根性ガエル」には下町江戸っ子を思わせる、胸に沁みる人情物語があります!
笑いを取りつつ、見せ場では情に迫る話でビシッと決める!
これは「ど根性ガエル」の不滅な個性ですね!
僕は「ど根性ガエル」のように日常を舞台にしながら、不思議なキャラクターが入る漫画が大好きです。
「ど根性ガエル」は、そんな日常不思議系漫画の代表格なのです!
「ど根性ガエル」は1972年にアニメになってますが、僕はこのアニメバージョンもメチャメチャ好きで、再放送当時ビデオで録画しまくってました!
ああ~、また1972年版「ど根性ガエル」のアニメが観たい!
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【好きな漫画ベスト10】第8位:「銀河鉄道999」松本零士
漫画アート芸術家が選ぶ「好きな漫画ベスト10」の第8位は松本零士氏の「銀河鉄道999」!
「銀河鉄道999」は1977年~1981年にかけて少年画報社の「少年キング」という雑誌に連載されていました。
「銀河鉄道999」は主人公星野鉄郎と美女メーテルが宇宙を走る列車に乗って旅をするSF作品。
西暦2221年、お金持ちは自分の魂を機械の体に移した機械化人になっています。
しかし貧しい人々は機械の体が手に入れられず、機械化人から非道に扱われる世界。
主人公星野鉄郎の母親は機械化人に殺されてしまいました!
悲しみにくれた鉄郎はタダで機械の体を与えてくれる惑星を見つけに、メーテルと一緒に旅立つという物語。
粕川が「銀河鉄道999」の魅力を一言でいうと
ズバリ「漫画による詩情!」ですね
漫画「銀河鉄道999」には全編にハンパない詩情があり、それが魅力なのです!
それもそのはず「銀河鉄道999」は、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」やモーリス・メーテルリンクの「青い鳥」がヒントになって制作されています。
何か「SF版グリム童話やイソップ物語」のような幻想性があるのです!
これが本当に素晴らしい!
物語に寓意性があり、教訓めいた終わり方で物語がまとまっていきます。
はじめて「銀河鉄道999」を読んだときの事は忘れられません。
僕は初めて「銀河鉄道999」を読んだとき、その詩情や幻想性、寓意的な内容にすさまじい感動を受けました!
派手なアクションガンガンな漫画ではないです。
むしろ物静かで、胸に沁みる抒情が全編を彩ってる。
幻想的な詩を漫画で表現したとき、「銀河鉄道999」のようになるのでは?と感じます。
そういう雰囲気の中で展開される、奇想天外なSFストーリー!
これは面白いですよ!
あと「人間が機械の体を手に入れるために宇宙を旅する」というテーマがいいじゃないですか!
すごく興味をそそられます!
「人間と機械」
松本零士氏の他に、手塚治虫氏も石ノ森章太郎氏も取り組んだこのテーマ。
僕もいつか手を付けてみたいテーマです!
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【好きな漫画ベスト10】第7位:「巨人の星」原作:梶原一騎、作画:川崎のぼる
漫画アート芸術家が選ぶ「好きな漫画ベスト10」の第7位は梶原一騎原作、川崎のぼる作画の「巨人の星」!
僕は基本的にスポーツ漫画は興味がないのですが、この作品は別格!大好きな漫画です!
「巨人の星」は1966年~1971年にかけて週刊少年マガジンで連載されていました。
元プロ野球選手だった父の星一徹が息子星飛雄馬と「巨人の星」を目指して努力していく「スポ根」漫画の金字塔!
「巨人の星」最大の魅力は、夢へ実現へ向けて父と子、仲間たちが全身全霊で立むかっていく「人間ドラマ」にあります!
主人公が夢を持ち、努力挑戦し、失敗や苦悩を経験しつつも最終的に大物になっていく姿が描かれます。
「巨人の星」は野球に興味がない人でも、人間ドラマにスポットが当たるので胸を打つ展開になっているのです!
しかしスポ根系漫画は数あれど、どうして「巨人の星」なのか?
それは星一徹と星飛雄馬、いや星家族一丸で「巨人の星」を目指していく健気な姿にあるのです!
かつて父星一徹はプロ野球の凄い選手でした!
しかし戦争が原因で野球に取り組み続けることが出来なかった。
念願の夢を息子の星飛雄馬にたくして、厳しい訓練を息子にさせる父。
星一徹は妻を病気で亡くした日雇いの肉体労働者。
星家は貧しい一家なんです!
この設定が最強に胸を打ちます!
肉体労働で稼いだ金や自分の時間を、全て息子にかけて訓練させる親心!
父のあまりに厳しい特訓に、影から見守る飛雄馬のお姉さん!
下町の貧しい一家が、夢にかけて野球に取り組む姿が健気でものすごく感動します!
星一徹と星飛雄馬が夜、星空を見上げて指さしながら「巨人の星」を目指すあのシーン!
あの破壊的なまでの感動シーンを見たら、「もうこれしかないでしょっ!」て僕は言いますよ!
「巨人の星」には本当の人間ドラマがあります!
これがもう最高にいいんだ!
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【好きな漫画ベスト10】第6位:「鉄腕アトム」手塚治虫
漫画アート芸術家が選ぶ「好きな漫画ベスト10」の第6位は手塚治虫氏の「鉄腕アトム」!
「鉄腕アトム」は1952年~1968年にかけて光文社の「少年」に連載されていた漫画。
1963年~1968年にかけて日本で初となる30分テレビアニメシリーズとして放映されたのも「鉄腕アトム」。
「鉄腕アトム」は機械の体を持つア「ねじ式」は、つげ義春氏の描いた短編漫画の一つであり、漫画表現を革命した作品でもあります!トムの活躍を描いたSF漫画です。
手塚治虫氏は戦後のストーリー漫画をけん引した、偉大な漫画の革命者!
そんな手塚氏最大の強みは「自由自在な発想力」にあると粕川は感じています。
手塚治虫氏はアイデアとアイデアの斬新な組み合わせで、幾多の物語を生み出しました!
手塚氏は漫画の発想力がハンパじゃなくて、それをトリッキーに組み合わせてくるから、すごく面白い漫画をたくさん残してます!
手塚氏は一つの作品だけで有名というのではなく、その豊富な発想力でジャンルの異なるたくさんの漫画を生み出した人です。
そしてこういう人が本当に創造性のある人だと僕は思っています!
手塚氏の作品には「生命の尊厳」という一貫したテーマがあります。
そんな手塚氏が「人間と機械との葛藤」に焦点を当てて作った漫画が「鉄腕アトム」でした!
鉄腕アトムは手塚氏の強みである「自由な発想力」が存分に活かされています!
突飛なアイデアとアイデアの融合があるんですね。
「鉄腕アトム」を読んでいると、本当に漫画って自由で破天荒な表現だなって思います!
これなんですよ、漫画表現最大の強みは!
粕川が好きな漫画の姿は!
手塚治虫氏は映画でも漫画でも小説でも落語でも芝居でも音楽でも、それこそ何でも取り入れて自分の漫画を作ってきました!
僕もこの手塚氏の漫画創作法に大きな影響を受けています!
何でもとり入れてハチャメチャに進化していた漫画創世記の名作「鉄腕アトム」!
僕はいまヒットしているどんな漫画よりも、シンプルこの上ない「鉄腕アトム」の方に魅力を感じますね!
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【好きな漫画ベスト10】第5位:「ねじ式」つげ義春
漫画アート芸術家が選ぶ「好きな漫画ベスト10」の第5位はつげ義春氏の「ねじ式」!
「ねじ式」は海辺で左腕をメメクラゲにかまれた少年の短編漫画。
メメクラゲのために左腕の静脈が切れてしまった少年が医者を探してさまようという内容。
「ねじ式」は、つげ義春氏が漫画表現を革命した作品でもあります!
つげ義春氏の漫画を一言でいうと「文学的な漫画」と粕川は感じています!
スペインの画家にシュルレアリスムで有名なサルバドール・ダリがいます。
「シュルレアリスム」とは「超現実主義」ともいわれ、「現実を越えた現実」という概念を表わす芸術運動。
ダリは不可思議な映像の、シュールな絵をたくさん描きましたね。
つげ義春氏の「ねじ式」は「シュルレアリスム」を漫画で体現したような作品だと言えます。
「ねじ式」は難解で、読む人によって解釈が異なるくらい奥の深い作品。
それまでの漫画と言えば子供を喜ばす分かりやすい漫画が主流だったのに、つげ義春氏はその真逆をついてきました!
ほんの数十ページの短い短編漫画ですが、ほとんど芸術といっていい不可解な奥の深さは、漫画表現を革新したのです!
僕は「ねじ式」の革新性と深みに対して大いなる敬意を持っているので、この順位に上がってきたのです!
【好きな漫画ベスト10】第4位:「ジョジョの奇妙な冒険」荒木飛呂彦
漫画アート芸術家が選ぶ「好きな漫画ベスト10」の第4位は荒木飛呂彦氏の「ジョジョの奇妙な冒険」!
「ジョジョの奇妙な冒険」は1986年~2004年にかけて週刊少年ジャンプで、2005年からは「ウルトラジャンプ」で連載されている漫画。
「人間賛歌」をテーマにジョジョ一族の数奇な物語がつづられる、ホラーサスペンス形式の大河群像劇。
僕は小学校4年生のときに週刊少年ジャンプで「ジョジョの奇妙な冒険第4部」を知り、あまりの面白さに夢中になりました!
「ジョジョの奇妙な冒険」が面白過ぎて小学校4年の時「スタンド大冒険」という漫画を描いてたほどです(笑)!
粕川が考える「ジョジョの奇妙な冒険」の素晴らしさは「漫画とアートの融合」にあります!
え?何が漫画とアートの融合なの?
まあ先をご覧ください!
荒木飛呂彦氏は「ジョジョの奇妙な冒険」を描く以前イタリア旅行をしており、その時に見たイタリア美術の素晴らしさに胸を打たれたと言われています。
イタリア美術の影響が「ジョジョの奇妙な冒険」に出ているということなのです!
「ジョジョの奇妙な冒険」で特徴的なジョジョ立ち、ポーズなどはイタリア彫刻、特にミケランジェロをほうふつとさせます!
ミケランジェロは女も男も筋肉ムキムキの姿で絵や彫刻を作りました。
ミケランジェロの作品が持つ独特なポーズ、迫力、優美さ…これら芸術性が「ジョジョの奇妙な冒険」のすみずみから感じられます!
ちなみに粕川はミケランジェロの人間性、芸術が死ぬほど好きで、大きな影響を受けています!
荒木飛呂彦氏がロック音楽などを漫画の擬音やコマの展開、テンポによって表現しようとする姿勢が、粕川からすると「漫画とアートの融合」なのです!
独自な絵味とホラー&サスペンス系物語で展開される「ジョジョの奇妙な冒険」!
独特なキャラクター達!
最高に面白いですね!!
粕川にとって、今現在活躍するあらゆる漫画家の内で最も好きな、かつ素晴らしいと思う漫画家さんが「ジョジョの奇妙な冒険」を描く荒木飛呂彦氏です!
僕は「ジョジョの奇妙な冒険」で一番好きなのは「第5部」ですね!
「第4部」もメチャメチャいいんですが、ジョルノ・ジョバーナの語る夢に胸を打たれて僅差の「第5部」勝ちなのです!
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【好きな漫画ベスト10】第3位:「サイボーグ009」石ノ森章太郎
漫画アート芸術家が選ぶ「好きな漫画ベスト10」の第3位は石ノ森章太郎氏の「サイボーグ009」!
「サイボーグ009」は1964年に週間少年キングで連載されたのち、様々な雑誌を経由しながら描かれた未完の漫画作品。
ブラックゴーストによってサイボーグに改造されてしまった9人の戦士が、平和を守るために戦うという内容。
石ノ森章太郎作品によく見られるテーマが以下です。
「親や科学者など自分を生み出した存在に対して反逆し、彼らに対する唯一の対抗勢力として孤独に立ち向かう」というテーマ。
これは石ノ森氏の代表作である「仮面ライダー」や「サイボーグ009」に明瞭に表れています!
僕は昔から父とウマが合わなかったので、まさに「自分を生んだ存在に対して反逆する」が身に染みて分かるのです!
石ノ森氏の上のテーマに、心から共鳴します!
石ノ森氏の漫画には人間でないがゆえの孤独を背負う主人公が、悪と戦い続けるというテーマがあります。
主人公は異端な特質をもち、そのために他の人間とは違う運命を歩むことになる。
ブラックゴーストにつかまりサイボーグという異形な存在にされてしまったサイボーグ009の9人。
もはや人間でなくなった彼らの苦しみは、計り知れないでしょう。
自分たちのような人間を増やさないために、悪と戦うのです。
僕は石ノ森章太郎氏の上のテーマを見るとき、アメリカのホラー作家H.Pラブクラフトを思い出します。
H.Pラブクラフトは「アウトサイダー」という印象的な作品を残しました。
邪悪な存在にされた人間の主人公がもはや人間世界に帰ることができず、邪悪な者のいる世界に入っていくという物語が「アウトサイダー」。
ラブクラフトは異端な存在であるがゆえの孤独を、「アウトサイダー」という形で表現してました。
これは石ノ森章太郎氏の「サイボーグ009」や「仮面ライダー」に通じるものがあると感じています。
「サイボーグ009」は発表当時の世界情勢である、東西冷戦やベトナム戦争の影響もあって「反戦色」の強い内容となっています。
死の武器商品ブラックゴーストによって改造された9人のサイボーグ戦士が、平和のために戦うという内容がそれにあたる。
正義のために戦うヒーローに、石ノ森章太郎の哲学的思想を重ね合わせて作られた漫画「サイボーグ009」。
漫画はエンターテインメントであると同時に、作者の思いをテーマとして組み込むことも大切なのです!!
石ノ森章太郎氏の「サイボーグ009」を読むたびにそう思いますね。
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【好きな漫画ベスト10】第2位:「ゲゲゲの鬼太郎」水木しげる
漫画アート芸術家が選ぶ「好きな漫画ベスト10」の第2位は水木しげる氏の「ゲゲゲの鬼太郎」!
「ゲゲゲの鬼太郎」は1954年に描かれた紙芝居を始めに、1965年~1997年にかけて様々な雑誌で描かれた妖怪漫画の金字塔!
墓場から生まれた幽霊族の子孫鬼太郎と、様々な妖怪の活躍を描く漫画。
粕川が小学校の頃にゲゲゲの鬼太郎の漫画を初めて読んだとき、とても懐かしいものを感じました!
●細かく描きこまれた背景に対してデフォルメされたキャラクターの絵的な違和感
●幻想性とユーモアが入り交じる作風
●「怪奇」と正面から取り組み、水木氏独特の空気感で見せる漫画
これらの魅力を持つ「ゲゲゲの鬼太郎」は、一発で不滅な漫画となりました!
あと僕は水木しげる氏本人の人生や人柄がとても好きです!
何か兄弟的なものを感じるくらい共感が持てます!
水木しげる氏と手塚治虫氏は宿曜経という占星術で、柳宿に当たります。
実は僕も宿曜経で柳宿なのです。
宿性が同じということは部分的に似た性質があると考えられます。
これまで水木しげる氏の伝記や漫画は何度も読んできました。
そこで見られる水木氏の独特な個性、行動…ものすごく共感できるのです!
水木しげる氏の伝記「寝ぼけ人生」はもう擦り切れるくらい読んできました!
水木さんの独特な生きる姿勢、考え、人生遍歴が書かれており、数えきれないくらい助けられた大切な本ですね!
「ゲゲゲの鬼太郎」は漫画だけでなくアニメも素晴らしいです!
特に1971年頃に放送された第2部「ゲゲゲの鬼太郎」アニメを一番おすすめします!
アニメ第1、2部の「ゲゲゲの鬼太郎」は怖さと怪奇性が強く出ており、その後の鬼太郎アニメとは一線を画す仕上がりになってます!
「ゲゲゲの鬼太郎」アニメ第1、2部はこれまで何度も観ていますが、怖さが違うのです!
雰囲気とか怪奇性とか、空気感がまさに「ゲゲゲの鬼太郎」を象徴してる!
アニメ第1、2部に比べたら、それ以降の「ゲゲゲの鬼太郎」アニメは味付けが薄くなった印象さえ僕は感じます(第3部以降も面白いけど!)。
原作「ゲゲゲの鬼太郎」の魅力を一番ダイレクトに伝えているのがアニメ第1、2部だと粕川は思います。
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【好きな漫画ベスト10】第1位:「天才バカボン」赤塚不二夫
漫画アート芸術家が選ぶ「好きな漫画ベスト10」の第1位は~…、赤塚不二夫氏の「天才バカボン」!!
もうこれですよ!天才バカボン!!
あらゆる漫画作品のなかで一番好きですね!
「天才バカボン」は1967年に週間少年マガジンで連載が始まり、一時期週間少年サンデーに移籍したことでも有名なギャグ漫画の金字塔!
「天才バカボン」はバカボンのパパとバカボンを基軸に、その他色々なキャラクターがハチャメチャな行動を巻き起こす「ナンセンスギャグマンガ」!
粕川裕康は「天才バカボン」がどうしてそんなに好きなのか?
それは「ギャグ漫画としての革新性」にあります!!
僕は天才バカボンはギャグ漫画を越えて、アートの領域に入っていると思ってます!
「ギャグが行きすぎて、芸術になってる」感じ!
とにかく赤塚不二夫氏という方は、人間自体がギャグといえるほど突飛で面白い行動をする人でした!
人を笑わせるためなら手段を選ばない赤塚氏の行動力は、漫画にも表れてます!
「天才バカボン」は初めバカボンのパパとバカボンを中心にした心温まるコメディ的な漫画でした。
しかし赤塚氏の実験精神から、だんだん漫画表現の枠を壊すようなギャグの試みが行われていくのです!
ナンセンスとは「意味のないこと」「くだらないこと」を意味する言葉。
「天才バカボン」はこのナンセンスを徹底的に突き詰めていきます!
単純明快なシンプルな絵やコマ割りに、ひたすら続くナンセンスギャグの連続!
「天才バカボン」はギャグを突き詰めているところが素晴らしいんです!
ギャグを描くということに迷いがない。
むしろギャグのためなら、漫画表現のルールさえ無視するという大胆さ!
僕は赤塚不二夫氏の「天才バカボン」を絵画で表すとしたら、間違いなくピカソの絵だと思ってます!
それくらいハチャメチャで、トンチンカンで革新的なことをしている漫画!
これらは「天才バカボン」を面白く、唯一無二な存在にしてる要素です!
笑い、ギャグをとことん突き詰める赤塚不二夫氏は、やがて芸術的ともいえる漫画表現を編み出しました!
それは~
●わざと利き手でない、左手で描いた漫画をのせる
●アシスタントがいないからという理由で、わざと漫画を下手くそに描く
●突然劇画風なタッチの絵を漫画に入れてくる
●見開きページまるまるバカボンなどの絵を描き、さして意味もないことをしゃべらせる
●わざと漫画のコマに何も描かず「意図的に手抜き」をした漫画をのせる
●過激なセリフや下ネタを連発する
●作者の名前を「赤塚不二夫」から「山田太郎」に変える
●もはや主人公のバカボンパパさえ登場せず、脇キャラクターが中心になって漫画が進む
●赤塚不二夫氏と漫画編集者との関係など、楽屋オチの連続
などなど数え上げたらキリがないほど出てくる。
これ、漫画雑誌でやっちゃうって凄いですよね!
赤塚不二夫という人は、とことんギャグを突き詰めるために、漫画のルールも無視して「天才バカボン」でやりたいことをやりまくったんですよ!
それが結果的に漫画表現の枠を広げて、革新的な作品になっているということ!
悪く言えば手抜き、よく言えば常識外れの大天才!
これが赤塚不二夫氏の「天才バカボン」なんです!!
僕は表現者はとことん個性を突き詰めるべきだと感じてます!
中途半端なのが一番いけない!
僕も、もっともっと個性を尖らせていこうと思ってます!
で、そんなとき赤塚不二夫氏を見ると…これだ~!!って思うわけですよ!
漫画のみでなく、自分の人生全体をかけて「ギャグ」を突き詰めたところ!
個性を徹底させることで漫画のルールまで破壊し、新しい漫画表現を見せてくれたところ!
この革新性、まさにピカソじゃないですか!!
これが最っ高~に素晴らしいんですよ!!
最っ高~に感動するのです!!
それと「天才バカボン」のもう一つの魅力に「人情」があります!
人情話は赤塚不二夫作品に共通している要素ですね。
「モーレツア太郎」も「天才バカボン」も「おそ松くん」もここぞという場面で「人情要素」が絡んでくる。
笑いの中にも胸を打つ、グッとくる人情話が出てくる。
赤塚氏は落語家の五代目古今亭志ん生が好きだったようで、漫画の中にも落語の要素はよく見られます。
僕も五代目古今亭志ん生の落語が死ぬほど好きです!
落語にあるような、人の心の琴線に触れる物語…
これが笑いの中にまぎれこむことで、漫画の質をいっそう高くしている!
「天才バカボン」もまたまたアニメが良い漫画なのです!
現在「天才バカボン」のアニメは5シリーズ出てますが、1972年に放送された第1シリーズのアニメが一番好きですね!
第1シリーズのアニメ「天才バカボン」は、テレビ局の意向により原作とはやや違うテイストの「天才バカボン」になってます。
ギャグの要素が弱まり、人情話しが強調された作りになっているのです。
この第1シリーズのアニメ「天才バカボン」がものすごく良い!
「これで~いいのだ~、あ、これで~いいのだ~」というオープニング曲で有名な「天才バカボン」のアニメ第一シリーズ。
ナンセンスギャグにほどよく人情話が絡んでいて、原作とはちょっと違う「天才バカボン」の世界が楽しめます!
第2シリーズ「元祖天才バカボン」にて、より原作に近いアニメとなりその流れでアニメシリーズ5まで続いていきました。
僕としては人情話の濃かった第1シリーズの天才バカボンアニメが好きだな~!
天才バカボンのアニメを見るなら1971年に放映された第1シリーズを粕川は断然おすすめします!
好きな漫画ベスト10を書いた最後に
漫画アート芸術家の粕川が選ぶ最も愛する、最も影響を受けた「好きな漫画ベスト10」を書いてきました。
この記事を書いていて思ったことがあります。
それは「漫画表現の可能性」について。
今回の好きな漫画ベスト10でクラシックな作品が多かったのにはワケがあります。
粕川はそのジャンルの原点となるような作品が好きなのです。
例えばロックならビートルズやローリングストーンズ。
ジャズならチャーリー・パーカーやルイアームストロング。
特撮ヒーローものなら初代仮面ライダーやウルトラマン。
どうしてそのジャンルの原点に目が行くのか?
なぜならジャンルの原点には、そのジャンルの「本質」が色濃くあると感じているからです。
いや、新しい作品にもそのジャンルの本質はある。
しかし作り手としてそのジャンルに取り組もうとするとき、出来るかぎり原点に回帰して、純粋な要素を吸収したいのです!
その上で、現代の作品も吸収していく。
ここにある思いは「本質」です!
漫画であれば、「漫画表現の本質」をつかみたい!
「そもそも漫画表現とは何なのか?」を探るために原点となる作品を見る。
時代を追って、古いものから新しいものへ漫画表現の流れを見ていく。
そうすると結果的に僕が好きな漫画の傾向はクラシックな作品にあった!という事なのです。
僕は新しい漫画やジャンルの作品もどんどん吸収して今後も進化向上していきたいと思います!
あなたの好きな漫画は何でしょうか?
漫画作品はたくさんあれど、永遠に胸に残る心の名作はそんなに多くないのでは?
僕の場合今回挙げた10作品は、不滅の漫画作品と言えます。
どれだけたくさん世の中に漫画があっても、胸に残る永遠の漫画は特別なんです。
その他大勢の漫画とは別格なのです。
あなたに感動を与えた心に残る漫画を大切にしていきましょう!
好きな作品は何度も読んで研究して、自分の創作の、人生の血肉と化していきましょう!
漫画アート芸術家が、漫画表現と出会ったエピソードは以下の記事に書きました。
最後までお読みいただきありがとうございました!
この記事では書けなかった僕が1番好きな漫画作品と漫画家について明かしましたので、興味のある方は以下記事もどうぞ♪~