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ゴッホとゴーギャン展の感想を激白!天才が自分様式を見出した瞬間

投稿日:2016年10月16日 更新日:

ゴッホとゴーギャン展,感想
ゴッホとゴーギャン展の写真

2016年10月15日の土曜日、東京都美術館にて「ゴッホとゴーギャン展」と、上野の森美術館で開催中の「デトロイト美術館展」を観てきた。

僕はゴッホとゴーギャンという芸術家が心の底から好きなので、ゴッホとゴーギャン展をとても楽しみにしていた。

ゴッホとゴーギャン展を見ていて感じたこと。

それは二人が自らの絵画様式を発見したとき、本当に素晴らしい作品を生み出したんだなという明確な感想だ。

この記事では「ゴッホとゴーギャン展」を見てきた感想や、ゴッホとゴーギャンの人生も作品の価値に関係していることについて書いていこう!

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ゴッホとゴーギャン展について

ゴッホとゴーギャン展,感想

ゴッホとゴーギャン展は東京都美術館にて2016年10月8日(土)から12月18日(日)にかけて開催されていた。

ゴッホとゴーギャン展は、この二人の芸術家の名作がバランスよく展示された展覧会だった。

展示内容はゴッホとゴーギャンの関係性を主題において、初期から晩年にかけて2人の作品が展示されている。

ゴッホとゴーギャン展のはじめのほうでは同時代の画家や、二人に影響を与えた画家たちの作品も展示されていた。

ゴッホとゴーギャンの作品が約50点、そのほかの画家の絵も含めて計60点の作品が展示されている。

壁にはゴッホとゴーギャンの言葉も記されていて、胸が熱くなるようだった!

ゴッホとゴーギャン展では二人がどのような作風の変化をたどり、出会い、それぞれの道を進んでいったのかについて、作品を通して知ることができる。

さあ、それではゴッホとゴーギャン展を実際に体験して感じたゴッホ絵画の感想を書こう!

ゴッホとゴーギャン展でのゴッホ絵画の感想

ゴッホとゴーギャン展,感想

ファン・ゴッホの生絵画を初めて観たのは2010年「わたしはこうしてゴッホになった展」だったけど、今回の展示も含めて以下の感想がある。

「ゴッホはものすごく絵の上手い人」。

これは生でゴッホ絵画をみるとよく分かる。

ゴッホというと無骨な感じで描かれたデッサンや絵画が印象に残る。

しかし実際にゴッホ絵画を見てみると、絵のうまい画家という感想が浮かんだ。

画集だととらえ切れない画家としての力量みたいなものがあって、ゴッホとゴーギャン展では特にそれを感じた。

ゴッホは写実的に描くタイプではなくざっくり対象をとらえる人だけど、それを絵にするときのセンスが素晴らしいのだ!

初期のころの自画像など、ゴッホが大好きだったレンブラントを思わせる重厚な内面性を感じさせる。

ゴッホには表現したいものが明確にあるからこそ、レンブラント風にも描けるんだと思う。

ファン・ゴッホは牧師の親から生まれたし、以前牧師の見習いもやっていたから、貧しい人に救いを与えたいと思っていた。

そして貧しき人や、その生活環境をモチーフに絵を描くようになる。

畑で汚れながら仕事をし、その日の糧を家族と分け合う農民の姿に、ゴッホは美しさを見出した。

すらっとして、色白で、指には高価な指輪がはめられた手も美しいだろう。

しかしゴッホという人間は、ごつごつした土の匂いのする農民の手を美しいと感じたのだ。

素朴な人間や自然を愛し、それらをモチーフとして選び、描く美的感覚をゴッホは持っていた。

ゴッホの意図された絵画表現

「ものすごく絵のうまい人が、あえてああいう表現をしている」

これがゴッホとゴーギャン展を見てゴッホ絵画に感じた感想である。

ゴッホは一見粗野な感じに絵を描くけど、実はものすごく絵のうまい人だと思う。

ゴッホが13歳ころに犬の絵を描いたデッサンを本とかで見かけるけど、とても上手に描かれている。

将来画家になってもおかしくないような絵のセンスが、ゴッホ13歳ころのデッサンから感じられるのだ。

そういう人間があえて、シンプルに、極端に、色彩を誇張して絵を描いているという感じ。

力強いうねるような筆致で対象を簡略化して描くゴッホ様式は、生で見ると圧倒されるし、素直に感動する。

でもあの様式しか出来なかったわけではなく、必要に迫られて描いたんだと思う。

必要に迫られてとは何かというと、「自分の表現」ということだ。

レンブラントを思わせる重厚な絵画は描けるのに、あえてゴッホ様式に向かったのは「自分自身を絵画で表現する」という意図があったからだと思う。

ファン・ゴッホはアートの本質を知っていたのだ。

そんな自分様式を見出したゴッホ絵画の展開は、本当に凄まじかった。

画集で見て知ってはいるけど、本物の絵画はわけが違う。

絵の勢いとか色、省略のしかた、あえてしている描き残し、突発的な思いつきで描れたような絵のなかの模様。

そこにはゴッホの、自分を伝えたいという思いが見てとれる。

自分を伝えたいという思いを、意図してあのような荒々しいタッチで表現している。

そしてそこに、芸術の本質を感じる。

ゴッホとゴーギャン展の途中までは、モネやピサロなど印象派画家のモノマネの域を出ていなかったゴッホ。

しかしアルルに滞在したころから自分様式を徹底させ、もうファン・ゴッホとしか言いようのない絵画を確立している。

ファン・ゴッホはついに未知の領域を切り開いてしまったのだ!

その様子がゴッホとゴーギャン展では見ることが出来た。

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ゴーギャンの絵も素晴らしかった!

もちろんゴーギャンの絵も素晴らしかった!

ゴッホとゴーギャン展ではゴーギャンの作品も初期から晩年にかけて展示されていた。

ゴーギャン絵画の感想としては~

「タヒチに行ってからがものすごく良い!」ということ。

ゴーギャンは初め印象派っぽい絵を描きながら、やがてポン・タヴァンという場所に移り住む。

このポン・タヴァン時代にまずゴーギャン様式を軽く確立している。

僕もポン・タヴァン時代のゴーギャン絵画をみたけど、確かに素晴らしい。

しかしポン・タヴァン時代のゴーギャンは、アルル時代の最盛期にあったゴッホ絵画に比べると、やや力が落ちると僕は感じた。

ポン・タヴァン時代のゴーギャンもゴーギャンらしさがあるのだけど、彼が本当に永遠な画家になるのはもっと先なのだ。

そう、タヒチ時代のゴーギャンこそ、真にゴーギャン様式を確立したゴーギャンである!

ゴーギャンはゴッホが死んだあと、タヒチという島にいき、そこで暮らしながら絵を描いた。

このタヒチ時代のゴーギャンの絵画は、本当に素晴らしいと思う!

西洋絵画の歴史に残る風格があり、アルル以降の最盛期のゴッホ絵画に匹敵する魅力があるのだ。

タヒチでのゴーギャンの絵画はより鮮烈な色彩になり、はっきりとしたゴーギャンのヴィジョンが絵に残されるようになる。

ゴッホとゴーギャン展ではそんなタヒチ時代のゴーギャン絵画もあった。

それまでのゴーギャンも好きだけど、やっぱりタヒチに行ってからの絵画こそ、ゴーギャン様式の完成だという感想をもったのである。

以下の記事では漫画アート芸術家が思う、ゴーギャンの良さについて書いてあるぞ♪

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 ゴッホとゴーギャンの作品は人生物語とセット!

この二人の画家には共通していることがある。

「人生もセットで作品の価値を高めている」ということだ。

芸術作品は絵や音楽など作品だけでなく、作家の人生全体をさすのだ。

絵や音楽がそれ自体で素晴らしいことは大切。

しかしそこにプラスして、表現者自身の人生の物語が絡むことでより作品に魅力が上乗せされる。

ゴッホとゴーギャンの絵画は言うまでもなく素晴らしい。

しかし彼らに圧倒的な人気がある秘密は、絵画の魅力だけではない。

それは何かというと「人生ストーリー」にある。

ゴッホもゴーギャンも劇的な人生を生きている。

2人の人生物語が、作品に絡んでより魅力や伝説性をつくっているように感じる。

以下に軽くゴッホとゴーギャンの人生について見てみよう。

ゴッホとゴーギャンの人生

ゴッホは27歳まで画商をやったり、本屋の店員、教師、説教師など様々な仕事に取り組んだ。

しかしどれも挫折。

最後にたどり着いた絵画に心血を注ぐ。

自分で稼ぐことはできず画商の弟に生活費を全面的に援助される中で、制作にはげむゴッホ。

しかしゴッホの絵は全く売れず、やがて精神をむしばみ自殺をすることになる。

ゴーギャンは若いころに船員をやった後、株式仲介人の仕事で成功する。

結婚して子供もたくさん生まれた。

しかし絵画の魅力に取りつかれたゴーギャンは35歳にして職をやめた。

妻子も捨てて、ゴーギャンは一人画家の道を歩みだす。

画家に転身したゴーギャンだが思うように絵は売れない。

なくなく行ったタヒチ島で才能が開花。

ゴーギャンは、不滅の作品を作るが、病気や身内の不幸が重なり自殺未遂をする。

幸運にも一命をとりとめたゴーギャンは、その後もタヒチで作品を作り続ける。

しかしゴーギャンは最後まで華々しい画家としての成功を収めることはなかった。

ゴッホとゴーギャンの人生。

どちらも映画や小説に使われそうなドラマティックさを秘めており、それだけでも興味をそそられる。

とくにゴッホの場合、弟や友人達に当てて大量の手紙が残されている。

ゴッホは制作中の作品構想や生活のなかで感じたこと、出会った人のこと、人生の展望などを手紙に書く習慣があった。

ゴッホの手紙は長文で、自ら挿絵も描いている。

僕はゴッホの手紙を本で読んだけど、そこにある人間ドラマは本当に感動的で胸を打つのだ!

正直一切絵画なしで、この手紙だけでも人の心に一生忘れられない印象を残すのではと思う。

ファン・ゴッホは心の内を弟や友人たちに、劇的に語る。

手紙の言葉には、心に染み入るような深みがある。

これがとても素晴らしいのだ!

ゴッホの手紙に関する記事も書いているので以下のリンクからどうぞ!

ゴッホの手紙は表現者の、魂のさけびがつづられている。

ゴッホとゴーギャンの人生も作品の価値につながる

ゴッホとゴーギャン展,感想

人の愛を求め続けるも風変わりな男と見られ、外で絵を描けば子供に石を投げられたこともあるゴッホ。

精神的発作のため自ら耳を切り落とし、娼婦にそれを渡しに行ったという不可解な行動。

その後サンレミの精神病院に入ったこと。

ゴーギャンでいえば芸術のためには家族も捨てて画家となり、単身タヒチへ渡って絵を描き続けたこと。

またゴーギャンは、ものすごい自信家であった。

これら二人の人生というバックボーンに、あの強烈な個性の絵画が重なったらどうなるだろう?

ゴッホとゴーギャンというブランドになるのだ!

ゴッホとゴーギャンが描く絵画はあまりに素晴らしい!

けどそれを後ろで支える人生物語があることで、絵の価値は飛躍的に高まる。

芸術家は、人生をふくめて作品なのだ。

カラヴァッジョ、ピカソ、アンディ・ウォーホル、サルヴァドール・ダリなどは、その典型と言われる人たちだ。

劇的な人生が、画家の作品の価値も高めている。

さらには「意図的にストーリーを作る」ことによって、画家としての価値を高めている人もいる。

この辺もアートのすごく面白い所だと思う。

ゴッホとゴーギャン展の感想の最後に

ゴッホとゴーギャン展でみてきた2人の絵画の感想について書いてきた。

やはりゴッホもゴーギャンも、自分らしい絵画様式を見出した地点がある。

ゴッホの場合は南フランスのアルル。

ゴーギャンが真にゴーギャンになったのはタヒチだった。

それら時代に描かれた絵画群は、ゴッホとゴーギャン展のなかでも、ひときわ輝いていた。

不滅の画家は自らの表現様式を見出すときが来るんだなという感想である。

最後に2人の同時代の画家ピサロが、ゴッホを語った言葉を書こう。

僕はこの言葉がとても好きで、ファン・ゴッホの特性をよく表していると思う。

「この人間は気が狂うか、我々を置き去りにするか、どちらかである」~カミーユ・ピサロ

以下の記事ではゴッホ絵画の魅力や彼の人生などについて書いているので、興味のある方はどうぞ♪

 

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