特撮テレビ番組「人造人間キカイダー」のストーリーは、時代を超えて心を打つ面白さがある!
僕は今DVDで人造人間キカイダーを観ており、この作品の素晴らしさに大きな感銘を受けている!
人造人間キカイダーのストーリーには、いろいろ興味深い点があるのだ。
それは「父をたずねて三千里」の面白さだ!
この記事では人造人間キカイダーの面白さやストーリーの魅力を、キカイダーが大好きで子供のころから観ている筆者が激白しよう!
Contents
なぜ人造人間キカイダーのストーリーは心に響くのか?
僕は現時点(2017年9月17日)で人造人間キカイダーのDVDをVol.6まで観ており、他の特撮作品とは違う面白さを発見した!
人造人間キカイダーのストーリーの面白さの秘密は…
ズバリ!
父を訪ねて三千里にある!
僕は人造人間キカイダーを観ていて、明確にそう感じた。
人造人間キカイダーのストーリーは、父親をさがす子供たちのけなげな姿が胸を打つのだ!
1976年ころ「母を訪ねて三千里」というアニメが放送された。
僕も「母を訪ねて三千里」は大好きで、DVDで観ている。
「母を訪ねて三千里」は、マルコという少年が親友の動物と一緒に、まだ見ぬ母を探す旅をするストーリーだ。
「母を訪ねて三千里」を観た人は、母を探すマルコのストーリーに何らかの感動を受けたのではないだろうか?
幼い子供が遠い地にいる母を探すストーリーは、けなげで感動を誘う。
長いあいだ離れていた親子が再開するストーリーは、テレビの感動番組でもよく使われるほど、人に感動を呼び起こすネタだ。
お涙ちょうだいストーリーの典型的なアニメに「みつばちハッチ」がある。
みつばちハッチも、幼いハッチが母親を探すというストーリーだ。
最終回でハッチと母が再開する場面は、多くの人の涙を誘っただろう。
「巨人の星」という名作漫画にも、親と子の絆が描かれるストーリーがある。
父親が息子を巨人の星にするため、厳しい野球の英才教育を行い、主人公の飛雄馬が野球選手として成長していくストーリーだ。
母を亡くした貧しい家庭の飛雄馬を学校に通わせる父。
飛雄馬の父が、肉体労働でお金を稼ぎながら息子に野球を教える姿が涙ぐましい。
あの巨人の星も、親と子の関係性が感動の裏に隠されていたのだ。
1986年~1987年にかけて放送された、戦隊ヒーローシリーズ「超新星フラッシュマン」にも、親と子の関係が描かれる。
フラッシュマンに変身する5人は、幼いころに地球からさらわれてしまい、親と会った記憶がない。
大人になって地球を救うために戻ってきた5人は、生き別れの親を探すことも含めて、悪の組織と戦うストーリーになっている。
ぼくはフラッシュマンが好きだけど、その裏には親を探す子供たちの切ないストーリーがあったと感じてる。
親が子供のために身を削り、子供が親を探す旅に出るストーリーは、日本人好みの設定といえる。
親を探すタイプのストーリーは、感動を呼び起こしやすいネタなのだ。
人造人間キカイダーにも「親を探す子供」のストーリー展開がある。
それが「父を訪ねて三千里」なのだ!
キカイダーのストーリーの面白さは父を訪ねて三千里?
人造人間キカイダーのストーリーの面白さである「父を訪ねて三千里」とは、何か?
父を訪ねて三千里とは「幼い少年と姉、そして人造人間が実の父を探す旅に出る」ストーリーの面白さだ。
「父を訪ねて三千里」は、人造人間キカイダーのストーリーを観て僕の頭にひらめいた言葉だった。
人造人間キカイダーのストーリーに出てくる父とは、光明寺信彦のこと。
光明寺信彦は、ロボット工学の博士だ。
光明寺博士役の伊豆肇(いずはじめ)氏は、初代仮面ライダーでも登場している。
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人造人間キカイダーのストーリー概要
ここで人造人間キカイダーのストーリー概要を、紹介しておこう。
人造人間キカイダーのストーリーでは、プロフェッサーギルが悪のロボット軍団「ダーク」を率いている。
ダークに捕らえられたロボット工学の権威・光明寺博士は、息子のマサルを殺すと脅されて、ダークで働かされていた。
しかし光明寺博士は、ダークの基地で密かに人造人間を作る。
光明寺博士がダークの基地で作ったのが、人造人間キカイダーだ。
キカイダーは、自らの意思で善悪を判断することのできる、良心回路を備えていた。
その名はジロー(キカイダー)!
光明寺博士と娘のミツ子たちは、キカイダーに助けてもらいダーク基地を脱出した。
しかしダーク基地から脱出した際、光明寺博士は記憶を失ってしまう。
光明寺博士は記憶喪失のまま、行方知れずとなった。
ミツ子は弟のマサルと人造人間ジローと共に、父を探す旅に出る。
人造人間キカイダーはミツ子とマサル、人造人間ジローが、生みの親の父を探して旅をするストーリーなのだ。
ダークと戦いながら父を探して旅をする姉弟の、純粋な姿が温かい!
人造人間キカイダーはまさに、父をたずねて三千里のストーリーになっているのだ!
人造人間キカイダーの面白いストーリー:様々な場所でのロケ
人造人間キカイダーは父を探す旅のストーリーなので、日本全国様々な場所でロケが行われた。
だから観ているほうも、日本中の景観が鑑賞できて楽しかった。
例えば、群馬県の伊香保や榛名湖が舞台に使われたことがある。
ぼくは群馬県生まれで、伊香保や榛名湖によく行ったことがあるので、うれしかった!
人造人間キカイダーのロケ地として使われたなんて、知らなかったから。
伊豆のロケでは、ハンペンという探偵が川端康成の名作「伊豆の踊子」の主人公を思わせる学生服を着て登場する。
鳥取県が舞台になれば、ダークロボットと戦う場所は、鳥取砂丘が使われるエピソードもあった。
人造人間キカイダーのストーリーは日本全国が舞台となるので、冒険性が増して面白い。
基本的に仮面ライダーは主人公たちのたまり場(おやっさんの店)があり、そこを起点にストーリーが展開する。
しかし人造人間キカイダーは旅ものストーリーなので、毎回ロケ場所が違う楽しみがある。
人造人間キカイダーでは舞台になる土地の名物や名所を使うことも多く、その点で新鮮味があった。
仮面ライダーとは一味違った面白さがあるのだ。
人造人間キカイダーはダークとの戦いをメインにしつつ、旅ものストーリーで特撮ヒーローを作った新しい試みが面白い!
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人造人間キカイダーのストーリーですれ違う親子
人造人間キカイダーのストーリーでは光明寺博士と子供たちが、うまいところですれ違う。
必死で父を探す子供達のすぐそばで父はタクシー運転手をしていたり、漁港やホットドッグの屋台で働いていたりする(笑)
視聴者としては「すぐそこにお父さんがいるのに!」と歯がゆくなるけど、これがドラマを面白く見せる手法なのだろう。
すれ違うだけでなく光明寺博士と顔を合わせたこともある。
しかしその時の危機的な状況(ダークに追われているとか)のため、素通りすることになった。
「探す人はいつもそばにいるのにあと一歩の所ですれ違う」ストーリー展開は、漫画で使うと面白いと思った。
さりげなく恋愛要素が混じる人造人間キカイダーのストーリー
人造人間キカイダーのストーリーの面白さに、切ない恋愛要素がある。
光明寺博士の娘ミツ子が、人造人間であるジローに寄せる片思いだ。
エピソードが進むにつれて、徐々にミツ子がジローに対する思いをあらわにする。
しかしジローは人造人間のためかクールで、いつもミツ子の気持ちをかわしてしまう。
このさりげない恋愛要素が、人造人間キカイダーに良い味をもたらし、面白いストーリーにしている。
僕はジローとミツ子の行方が、非常に気になっている。
ウルトラマンエースの北斗星司と南夕子のあいだにも、淡い恋のような関係があった。
そんな子供心をくすぐる恋愛要素が、人造人間キカイダーにはあるのだ!
例えばジローが敵の女アンドロイドを介抱している所を見て、ミツ子が嫉妬するエピソードがある。
ジローは女アンドロイドに共感の念を抱くが、結局ダークの敵ロボットにだまされていたことに気づくストーリーだ。
仮面ライダーには、こういう恋愛要素はなかった。
人造人間キカイダーが、仮面ライダーと差別化をはかっていたことがうかがえる。
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幼いころ観た人造人間キカイダーの影響から生まれたストーリーとは?
僕が幼いころ人造人間キカイダーを観た時、アンドロイド(ジロー)の男に恋する女性のストーリーが、とても心に残った。
ジローとミツ子の関係に感動を受けたことで、ぼくは10歳のころにある物語を空想で生み出した。
それは「大地と理香の物語」。
「大地と理香の物語」には、意識しない内にキカイダーの影響が入っていたのだ。
「大地と理香」は母を探して旅をする、サイボーグの少女・理香のストーリーだ。
理香は小学校1年生のときに、小林大地のいる学校に転校してきた。
大地は転校してきた理香のことが一目で好きになる。
こうしてサイボーグの理香と大地の、ラブコメディ的な長編ストーリーが始まるのだ。
幼い頃に見た人造人間キカイダーの記憶が淡く残っており、無意識のうちに僕に影響を及ぼしたのだろう。
この点でも、人造人間キカイダーは僕にとって重要な作品だ。
幼いころに接した作品が、その表現者に大きな影響力を持つという証である。
仮面ライダーと被る役者陣
仮面ライダーに出演した俳優や女優が、キカイダーに登場することが多々ある。
光明寺博士役の伊豆肇(いずはじめ)氏は、仮面ライダーにも登場する。
なんと仮面ライダーで地獄大使役をしていた潮健児氏も、キカイダーの敵ロボット「カイメングリーン」として登場しているのだ!
地獄大使のデザインで顔が記憶されてたので、素の潮健児氏を見たのは新鮮だった!
仮面ライダーの劇場版(仮面ライダー対ショッカー)で、とてもかわいい少女(斎藤浩子氏)が出演していた。
斎藤浩子氏は仮面ライダーやキカイダー、バロム1などの特撮テレビ番組でよく登場する。
人造人間キカイダーで、斎藤浩子氏がマサル少年と一緒に家出をするストーリーがある。
このエピソードではマサルたちが「子供だけの国を探そう!」という、ファンタスティックな提案をする。
ぼくは「子供だけの国を探そう!」という言葉を聞いたとき、心から感銘を受けた!
子供だけの国を探すなんて、素晴らしいではないか!
ぼくは、永遠のピーターパンなのだ!
キカイダーと仮面ライダーは同時期に放送されており、同じ東映が制作してるので、役者陣がかぶったのだろう。
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人造人間キカイダーで最後のナレーションが良い!
毎回人造人間キカイダーのエピソードの最後で、印象的なナレーションが流れる。
最後のナレーションでは、一人ジローがバイクに乗って爆走する姿がかっこいい!
以下のナレーションが、とても胸を打つのだ!
ナレーション「ダーク破壊部隊~(怪人名)~は、キカイダーに倒された。
だが光明寺博士はどこか?
幸せをつかむのは、いつの日か?
ジローは行く、果てしない道を…」
とても胸に沁みるシーンだ!
このナレーションが、キカイダーの毎エピソードを感動と共にまとめている!
そしてヘルメットをかぶって爆走するジローの姿が、仮面ライダー2号の一文字隼人に似ているのは気のせいだろうか(笑)
人造人間キカイダーのストーリーが感動的な理由
ぼくは人造人間キカイダーのストーリーが感動的な理由を考え、いかの答えにたどりついた。
●父を探す子供たちのけなげな姿が感動的
●サイボーグのジローに恋するミツ子の姿が切ない
●サイボーグのジローが、善と悪の間で葛藤する姿が胸に残る
●サイボーグとして孤独に戦うジローの姿がかっこいい
人造人間キカイダーの漫画版は、石ノ森章太郎氏が描いている。
漫画版の人造人間キカイダーは、テレビ版よりも苦悩と葛藤に満ちたストーリーになっている。
漫画版人造人間キカイダーは石ノ森氏らしい要素が出て、最期はキカイダー兄弟(キカイダーと01)が殺しあう、悲惨なストーリーとなった。
ぼくは石ノ森章太郎氏の個性が好きだ。
だから漫画版人造人間キカイダーの展開は、サイボーグの心の闇が表現されて素晴らしいと思う。
しかし正直なところ、テレビ版の「人造人間キカイダー」のストーリーの方が好きなのだ!
テレビ版人造人間キカイダーは、最後まで子供が好みそうなヒーローもの路線をとった。
悪の敵組織ダークがさしむけるロボットに、正義の戦士キカイダーが戦うというストーリーが描かれたのだ。
テレビ版人造人間キカイダーは人気を博し、その後の「キカイダー01」が作られた。
しかしテレビ版人造人間キカイダーは、単なる勧善懲悪のヒーローストーリーで終わってない。
人造人間キカイダーのストーリーがすばらしい裏には、ある脚本家の力があった。
人造人間キカイダーのサブライターとして脚本を書いていた、長坂秀佳氏だ。
長坂秀佳氏は、テレビ版「人造人間キカイダー」に、漫画原作版の要素を持ちこむ。
漫画版人造人間キカイダーには「善と悪のあいだで葛藤する人造人間の戦い」というテーマがある。
この原作テーマを脚本に反映させることで、人造人間キカイダーのストーリーに奥深さが加わった。
人造人間キカイダー第27話から、長坂秀佳氏がメインで脚本を書くようになる。
これにより正義が悪を倒す特撮ものの定番をこえ、サイボーグの苦悩を描いた深みあるストーリーになったのである。
人造人間キカイダーのストーリーが面白い理由は、「善と悪の間で苦悩するサイボーグの戦い」という、テーマ性にもあったのだ!
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人造人間キカイダーとキカイダー01のストーリーの違いとは?
人造人間キカイダーでは、東映の吉川進氏がプロデューサーを担当した。
吉川進氏は、このとき初めて特撮ヒーロー作品の制作に関わったという。
そのため、吉川氏は、通常の人間ドラマを描く感覚で人造人間キカイダーの制作を行った。
これが、人造人間キカイダーのストーリーの面白さにつながったのだ!
子供向け番組に人間ドラマ要素を濃く入れることで、他の特撮モノとは一線を画す作風が生まれた!
しかし続編の「キカイダー01」では、人間ドラマに偏りすぎた前作に反省して、子どもウケするヒーロー路線がとられている。
だからキカイダー01は、人造人間キカイダーよりも、人間ドラマ要素が薄い。
後年吉川氏は、キカイダー01で作風を変更したことに疑問を感じると、コメントされたことがあるらしい。
吉川氏にとっては人造人間キカイダーの方が、作品としての満足度が高かったようだ。
ぼくも、そう思う。
ぼくは人造人間キカイダーを観たあとにキカイダー01を見たので、よく分かるのだ。
キカイダー01ではアクションシーンが増え、子供ウケするヒーローもの路線が強い。
ぼくはキカイダー01も好きだけど、人造人間キカイダーと微妙に方向性が変わってしまったことに、悲しさを感じた。
人造人間キカイダーもキカイダー01も、特撮テレビドラマ史上の大傑作だ!
しかしこのシリーズの最大のうまみは、間違いなく人造人間キカイダーにあったのだ!
人造人間キカイダーの、父をたずねて三千里的なストーリーにあったのだ!
人造人間キカイダーのストーリーの素晴らしさの最期に
人造人間キカイダーのすばらしいストーリー性について書いてきた。
僕が人造人間キカイダーを観て毎回しんみり感動を覚えたのは、「父を訪ねて三千里」的なストーリー要素にあった。
いなくなった父を探して旅するミツ子、マサル、ジローたちのけなげな姿が、胸を打ったのだ!
そこにサイボーグであるジローの「善と悪のはざまで悩む葛藤のストーリー」が入る。
ミツ子がサイボーグのジローに恋をするストーリーも、すばらしかった!
このようにさまざまな要素が重なって、人造人間キカイダーのストーリーは面白くなったのだと思う。
人造人間キカイダーは仮面ライダーのように、孤独に戦うサイボーグの姿が胸を打つストーリーだ。
僕は人造人間キカイダーのジローの運命に、強烈な共感を感じていた!
●姉弟は父と会えそうになるけど、あと一歩の所ですれ違うストーリーの切なさ
●ダークに邪魔されながらも、父を探して旅する子供たちの涙ぐましい姿
●さりげなくはさまれる、ミツ子のジローに対する恋。
これらのストーリーの魅力が、何度でも人造人間キカイダーを観たい気持ちにさせてくれる!
人造人間キカイダーには、仮面ライダーにない独自の魅力があるのだ!
ぼくは人造人間キカイダーは、特撮テレビ番組史上の大傑作だと感じている!
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