油絵を描く時に必要な画溶液の一つ、テレピン油!
油絵を描いていて起こる問題の一つに、「テレピン(揮発性油)がなくなっちまった~!」なんてことがあるかもしれません。
揮発性油(テレピンなど)は油絵描き始めの下塗りや下描き、その後も乾性油との調合で使うので使用機会の多い画溶液。
漫画とアートを組み合わせて創作を行う粕川は油絵画家活動もしており、いざって時に「テレピンがなくなってしまったー、どうしよ~!」って頭を抱えたこともあります。
テレピンなどよく使う画溶液は缶に入った1000mlを買っておくと便利だと分かりました!
これまで僕は小さな瓶に入ったテレピンを使っていたんですが、これだとすぐになくなってしまうのです。
「テレピンのようなよく使う画溶液は1000mlくらいのものを用意しておけば、いざって時になくなる危険を防げる」と考えた僕は、先日クサカベ社のテレピン1000mlを購入しました!
本日はクサカベのテレピン1000mlを実際に使ってみた感想と注意点を書いていきます!
Contents
【テレピン1000ml】テレピンなど揮発性油の効能
油絵を描く時に必要な揮発性油は以下のような効能を持っています。
●粘っこい油絵具を溶かし、濃度を調整してくれる
●比較的早く乾燥する
●乾性油と混ぜて使うことで油絵らしいツヤや美しさを出せる
●樹脂を溶かす力があるのでニスを自分で作るときにも使える
●ツヤがなくなる
テレピンなど揮発性油はそこらへんに放置しておくと、蒸発してなくなっていきます。
だからテレピンを使用したら硬くフタをしめて密閉しておくことが大切!
油絵を描くときに使う画溶液に乾性油があります。
乾性油は乾燥することで絵具に被膜を作って固まるのです。
ちなみに僕は現在乾性油ではこのポピーオイルを使用しています。
乾性油自体は割とドロドロしているので、テレピンなどを混ぜることによりサラサラした筆さばきで描けるようになります。
テレピンなど揮発性油は乾性油と違い、絵具をキャンバスなどに固着させておくことができません。
また揮発性油だけでは油絵特有のツヤが得られないので、乾性油やペインティングオイルと混ぜながら制作していくことになります。
ペインティングオイル(調合解き油)とは?
乾性油とペインティングオイル(調合解き油)の区別が分からないという方もいるでしょう。
ペインティングオイルとは、メーカー側で乾性油や揮発性油、樹脂や乾燥促進剤などの溶液を絶妙な分量で配合したオイルのこと。
油絵の初心者からすると、それぞれのオイルがバランス良く調合されているのでペインティングオイルは使いやすいでしょう。
油絵を描くことに慣れてきてオイルの調合具合を自分で操りたければ、ペインティングオイルは使わず自らオイルを調合するという方法もあります。
クサカベテレピン1000mlの使用法
油絵の下塗りや描き始めのときはテレピンなどの揮発性油で描いていきます。
油絵は基本的に揮発性油に乾性油、もしくはペインティングオイル(調合解き油)を混ぜたオイルを使って描いていきます。
絵具の層を徐々に積み重ねて油絵を描くのです。
油彩画には“Fat over lean”という言葉があり、絵の具の下層部よりも上層部の方に油分が多くなるように描くことを指します。
油分を多くするというのは、揮発性油よりも乾性油の割合を徐々に増やして描くという意味です。
こうすることで絵の具が支持体にキチンと固着し、油絵特有のツヤのある画面を作ることができます。
例えば油絵の描き始めを揮発性油100%で描いていれば~
揮発性油:乾性油(もしくは調合解き油)の割合を「6:4」⇒「5:5」⇒「4:6」⇒「3:7」⇒「2:3」…のように調整して描いていきます。
ここで注意点!
油ツボにオイルをいれたまま続けて制作をしている場合は、テレビンなど揮発性油は蒸発してしまうので、乾性油が濃い状態になっています。
油ツボを開けたままで揮発性油が蒸発しているなと感じたら、再度テレビン油などを入れて分量を調整する必要があります。
テレピンとぺトロールの違い
代表的な揮発性油にテレピンとぺトロールがあります。
僕はどちらも使用していますが、値段的に見るとややぺトロールの方が安い傾向にあります。
ただし絵具を溶かす溶解力の点ではテレピンの方が強いですね。
テレピンと比べるとぺトロールは絵の具の溶解力がやや弱い印象があります。
またぺトロールは石油が原材料に使われているので石油臭い匂いが発生します。
テレピンもそれなりに匂いはありますが…
テレピンとぺトロールでは使い方に違いはないので、普通に揮発性油として使用してOK。
またテレピンとぺトロールは混ぜて使用しても大丈夫です。
僕の見解としては経済的に余裕があればテレピンの方が良いし、そうでなければぺトロールを主に使用するという感じですね。
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【テレピン1000ml】クサカベとは?
クサカベは1928年(昭和3年)に創業した有名な絵の具メーカー。
絵具や顔料、画溶液などの製造と販売を行っている会社です。
僕が18歳のころ生まれて初めて油絵を描いたときに使った絵具がクサカベでした。
今現在僕が使っている絵具はクサカベとホルベインが多数で、その他別メーカーのものが少し混じっています。
オールマイティで使いやすい、画材といえばクサカベという感があります。
クサカベのテレピン1000mlのフタを開けてみる
それでは購入したクサカベのテレピン1000mlを使ってみたいと思います。
まず初めに、フタが硬くて開かない!
どうしよう…
粕川!もっとふんばって力を込めろ~!
やっぱりフタが開かないので、グーグル検索をして調べました。
するとフタについているプラスチックのものを外してからフタを開けるとのこと。
プラスチックのやつを外してみます。
ぐいっぐいっとプラスチックの奴を引っこ抜く漫画アート芸術家。
プラスチックの奴が外れました!
さあ、お次はテレピン1000mlの蓋を開けにかかります!
オンドリャー!
ふんばれ!ふんばれ粕川~!
やった!開きました、テレピン1000mlのフタが開いたのです!
うひゃー!
ではドキドキしながら中フタも開けてみましょう…一体何が出てくるのやら?
開きました!
テレピン1000mlの缶の中には、たっぷりとテレピン油が入っていたのです!
当たり前でござるよ!
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クサカベのテレピン1000mlでキャンバスの下塗りをしてみる
それではテレピン1000mlを使って漫画アート芸術家がキャンバスの下塗りをしてみたいと思います。
粕川が愛用しているパレットを用意していきます。
上の写真の左上にある3つの油つぼの内、一番左側にテレピン1000mlを入れていきます!
ここで注意!
テレピン1000mlの缶を油ツボに注ぐとき、気を付けないとせっかくのテレピンがこぼれてしまい、もったいない!
油壷は口が小さいのでテレピン1000ml缶から注ぐのは入れずらいのです。
こんな時は一度別の容器にテレピン1000mlを注いでおくのが良いかもしれません。
例えば一度コップにテレピン1000mlを入れて、コップから油壷に入れてみるとか。
ムリに油壷にテレピンを入れる必要もないので、テレピン1000ml缶から入れやすい容器があれば、それに入れたまま使うのもいいかも!
今回油絵の下塗りはF4 のキャンバスを使います。
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[/wc_column][/wc_row]
そしてテレピン1000mlで下塗りをする絵具はこのマースイエローを使います!
僕は基本的に油絵の下塗りをする時はイエローオーカーやマースイエローなどの黄土色系の絵の具を使っています。
さあ、テレピン1000mlにつけて、油絵の下塗りを行うぞ~!
お、俺もテレピン1000mlで塗らせてくれ~!
こうしてF4 キャンバスにテレピン1000mlでの下塗りが完成しました!
クサカベテレピン1000mlを使ってみた感想
やはりテレピンは絵の具を溶かす力が強いので、絵の具の伸びが良く、気持ちよく下塗りを行う事が出来ました!
乾性油やペインティングオイルと混ぜ合わせたりなど、テレピンは油絵を描くうえで欠かせない必須アイテムですね。
ただしテレピン1000ml缶から油壷にテレピンを注ぐときは気を付けましょう!
最後に
テレピンなどの揮発性油は油絵を描くとき、一番使用することの多い画溶液でもあります。
絵具の溶解度が強い、揮発性油の代表格ともいえるテレピン。
かつてフィンセント・ファン・ゴッホがサンレミの精神病院に収容されていたとき、ゴッホが精神錯乱に襲われてテレピンを一気飲みしたみたいなことを伝記で読んだことがあります。
マジで!
いや、テレピンは飲むものじゃないのです!
テレピンはよく使う画溶液だからこそ、いざ制作中になくなってしまうと困りますよね。
テレピンのような画材は小さなビンを個別に買うよりも、1000ml缶で購入しておくと助かるということが分かりました。
テレピン1000ml缶を用意して、心おきなく油絵を描く楽しみを満喫しましょう!
テレピン1000mlを購入予定の方は以下のリンクからどうぞ!
以下の記事では油絵の下塗りをする意味ややり方について紹介しています!