漫画アート芸術家

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ネームの描き方

漫画のネームとは何か?わざわざネームを切る目的について書く

投稿日:2017年5月11日 更新日:

ネーム 何

 

漫画を描く工程にネームという作業があります。

「ネームって何?」

「わざわざどうしてネームを描くの?」

 

と疑問を持つ方も多いでしょう。

 

ネームを作るという工程は漫画制作の中で最もクリエイティブな作業です。
なぜならネームは漫画の面白さを決める核となるからです。

 

本日は漫画と絵画を組み合わせて創作活動を行う粕川が漫画のネームとは何か?ネームを描く目的について書いていきます。

 

 

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ネームとは?

ネーム

 

ネームとは描こうとする漫画のアイデアを基に、キャラクターや物語をコマで割った絵やセリフ、モノローグの連続で描いたものを指します。

ネームを基にして下描きやペン入れを行うので、完成原稿の下地とも言えます。
これまで温めてきたプロットを基にコマ、構図、セリフ、キャラクターの絵や表情などをざっくり描いていくのがネームです。

 

漫画を制作する時の基本的な手順を書きます。

 

1.構想を練る(テーマを明確にしておく)

2.プロットを作る

3.ネームを作る

4.下描きをする

5.ペン入れ

6.仕上げを行う

 

 

この中でネームという作業は「構想とプロットを漫画の形にする」+「ペン入れ、仕上げの下地となる」という漫画制作の超重要な部分を担っています。
ネームがどうして重要かというと、制作しようとしている漫画の基盤そのものだからです。

ネームを描く前の段階で漫画のテーマ、構想、プロットを決めました。

 

これら漫画の元となるアイデアを漫画の形に移し替えていく作業がネームです。

 

プロの漫画家の方もネームは描いています。

 

プロの漫画家はネームを基にして編集者の人と作品の打ち合わせを行うからです。

ネームの段階でこれから描く漫画の完成系が見えます。

 

また業界用語ではネームを描くではなく「ネームを切る」と言います。

 

ネームは何度も描き直す

ネーム チッティ

 

漫画の下地がネームなら下描きと一緒に描いた方が効率が良いのでは?と考える方もいるでしょう。

 

下描きとネームは分けて考えた方が良いですね。

 

なぜならネームを描く時は何度も推敲してイメージ通りの漫画に近づけていく必要があるからです。

 

いきなり完成系のコマ、構図などが浮び修正せずに一発描きでネームが完成出来る方もいるでしょう。

しかし大半は描いては消してを繰り返し、微調整の末に完成ネームに近づけていく方が多いです。

 

なので下描きをする前にネームで漫画の全体像を形にしておく必要があるのです。

 

ネームの絵はざっくりとした絵で大丈夫

 

ネームでは下描きのようにカッチリ絵を描く必要はありません。

ネームは完成された漫画の状態が把握出来れば大丈夫です。

 

なのでネームを描く時は

・キャラクターは丸描いてチョンに名前や表情の目印を入れておくとか
・ざっくりとこの辺に擬音があるとか
・背景はどんな感じか文字で書いておくとか

でも大丈夫だという事です。

 

定規を使う必要はないし、紙でもノートでもチラシの裏でも好きな所に描いて大丈夫です。

要は後から見直した時にあなたがどこに何を描けばよいかが分かればネームは記号だってかまわないという事です。

 

ただし誰かにネームを読んでもらう必要がある時は、相手が分かるように字や絵や状況を描いておく必要があります。

 

ネームの段階から「人に読んでもらう」事を意識して描く事で自分の漫画を客観的な目で見る訓練にもなります。

ラフとは言えそれを読んだ人に漫画の内容が伝わる努力を行う事は大切です。

 

たくさんキャラクターがいる場面ならキャラの隣に名前を書いてみたり、背景や状況の説明を字で書いておくと、下描きを行う時忘れずにすみます。

 

ネームを描く時は字を丁寧に書くようにして下さい。

 

漫画が完成してネームに書かれたセリフを清書する時、何が書いてあるか分かるような状況が最適なのです。

 

ネームを描く密度は人により異なる

 

ネームをどの程度描き込むかは人によって異なります。

下描き並みに丁寧に絵を描く人もいれば、棒人間と記号で終わりという人もいます。

 

ちなみに漫画と絵画を組み合わせて創作を行う粕川はこんな感じで漫画のネームを描いています。

 

ネーム

 

僕はA4の紙を半分に折って見開き単位でネームを描きます。

 

印刷して本にする目的で漫画を描く人は必ず見開き単位でネームを描いて下さい。

 

本形式の漫画は見開き単位で読者は読みますから、2ページ含めてどう漫画が構成されているかが重要になります。

 

製本した時に本を閉じる側の部分をノドと言いいます。

漫画ではノドの位置に絵やセリフを入れると読者が見づらくなるので何も描いてはいけません。

 

ノド 小口

ネームを一枚ずつの紙に描くとどちら側がノドなのか分からなくなる危険があります。

なのでネームは見開き単位で描き、ノドと小口がどちらなのかを把握しておくと便利です。

 

ネームを描くまとめ

ネームを描く時は

 

・ちゃんと読める字で書く
・コマ割りを決める
・誰がどこで何をしているかが分かるようにしておく

 

以上の事が分かればネームの描き方はリアルな絵でも、落書きでも、記号でも大丈夫です。

 

ネームを描く時に大切な事はネームの段階でちゃんと漫画が面白いかどうか?という事です。

面白くないネームをいくら頑張って下描き、ペン入れをしても面白くはなりません。

 

このように漫画の面白さを左右するという点で漫画のネームは漫画制作における命!と言えます。

 

構想をコマに割り、どんなセリフを入れ、擬音や吹き出しはどこに入るのか?構図は?などアイデアを漫画の形に整えていくのがネームです。

 

だから漫画制作の中でネームは最も創造的な能力を必要とします。

 

ネーム以降の作業、下描きやペン入れなどは基本的にネームを基にして描いていきます。
一度ネームで確定しているものを、後から直そうとするとコマ割りなどの構成が崩れてしまうので、ネームを完璧にした状態で次の作業に移った方が効率が良いです。

 

ネームを描く目的

チッティ ネーム

 

ネームを描く目的は、自分が描きたいもの(主観的な演出)と読者が見たいもの(客観的な演出)をはっきり見分け、ネームを読んだ読者の反応を計算して描くことにあります。

 

「このネームを読んだ読者はここでこんな感情を持ち、あそこでこんな感情を持つだろう」と、自分が作ったネームで読者がどんな反応を示すかを意識して描く事が大切。

 

漫画には様々なキャラクターが登場し、起伏のある展開の中で読者の気持ちは揺れ動いていきます。

読者は漫画を読みながらある時は感動し、ある時はドキドキし、ある時はトキメキます。

 

漫画のネームを描く時どこにどんなエピソードを置くかで、読者の反応を誘導する事が出来るのです。

 

自分がネームで作り上げたプログラムを読者がどのように反応して読んでくれるかを計算しながら作る事が大切です。

 

自分の漫画を読んでくれた読者をどのように反応させたいのか?
この作者の気持ちが通じて予想通りに漫画を読んでもらえれば、そのネームは目的を果たしたと言えます。

 

ネームを描く時に一番大切な事

ネーム 少女

 

 

漫画制作の内でネームを描くというのは最もクリエイティブな工程であるという事を書きました。

ではここからネームを描く時に作者が行う事を書いていきます。

・コマ割り→コマの大きさ、配置を決める

・絵を描く→ラフで描くとしてどのキャラクターをどのタイミングでどんな構図で描くか?を決める

・キャラクターの表情→キャラの感情を的確な表情で指定することが望ましい

・セリフ→漫画では基本的に状況を文字やセリフで説明することは避けた方がよい。

絵で説明できることは絵で説明する。

また長いセリフは避け、コンパクトな印象に残る言葉を使うようにする。

・モノローグ→キャラクターの心の中の声を、的確な言葉で言わせること

・内部構成と外部構成を繋げる→キャラクターの内的感情と物語を連動させることで漫画にまとまりが生まれる

・主観的な演出と客観的な演出を繋げる→作者が表現したい事と読者が読みたいものをリンクさせる

 

ネームを作る為に必要な多くの要素を一発で描くにはそれなりの慣れや感覚が必要となります。

プロの漫画家でも集中力を要するネームを、まだ描き始めの人がやろうとすると失敗する可能性が高いでしょう。

ムダなコマが多かったり説明的なセリフの多い、バランスの良くないネームが出来てしまうかもしれません。

 

しかし漫画のネームを描く時に一番大切な事は

「まずネームを描き始め、最後まで描き切る」事にあります。

 

いくらネームの描き方を知識として知っていても、実践で一つも作った事がなければ永遠にネームを描けるようにはなりません。

 

ネームは描く中で考え、ネームを作る中で知識を吸収し、徐々に良いネームを作れるようになるのが最善です。

 

誰でも初めは技術などありません。

技術や知識は実践を積みながら学び続ける事で習得する事が可能です。

 

だからネームが描けるようになりたい人は、現時点のレベルでいいので一本のネームを描く事から始めて下さい。

 

あなたが漫画を描きたい人であるなら、くれぐれも知識だけはあるけどネームを描いた事がないという頭でっかちにならないようにして下さい。

まとめ

自分 漫画を描く

・ネームとは描こうとする漫画のアイデアを基に、キャラクターや物語をコマで割った絵やセリフ、モノローグの連続で描いたもの。

・ネームを描く際は絵はラフでOK

・ネームを描く目的は、自分が描きたいもの(主観的な演出)と読者が見たいもの(客観的な演出)をはっきり見分け、ネームを読んだ読者の反応を計算して描く事にある。

 

ネームというのはキャラクターや物語、コマ割りなどの展開全てを含めたものを言うので、まさに漫画における命です。

このネームが面白いかどうかでその漫画の命運が決まると言っても過言ではありません。

 

だからネームを描いたら何度も推敲を行い、色んな人に見てもらい、確かな面白さが確認出来た時点で下描きに入ると漫画が失敗に終わる事がありません。

 

僕はこれまで漫画を描いてきて、ペン入れなどの作画をしている時こんな思いを抱く事がありました。

「もっとネームの段階で推敲し、面白さやテンポの良さなどを磨いておけば良かった!」

 

こんな事を思ってもすでに作画を行っていたら修正するのは手間がかかります。

 

だからネームの段階で確実に面白い漫画になるまで磨いておく必要があるのです。

ネームは面白くなるまで何度でも推敲しましょう。

面倒くさがらずに納得のいくまで描き直すのです。

 

ここがネームのクリエイティブな点です。

 

もちろん面白さなんて関係ない、自分自身を漫画で表現出来ていれば十分だという人は自分の道を突っ走って下さい。

 

今回はネームとは何か?やネームを描く目的について解説してきました。

→具体的な漫画ネームの描き方やネームを描くコツについて書いた記事はこちら!

 

すず
今日もブログをお読み頂きありがとうございました!

 

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-ネームの描き方

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粕川裕康/漫画アート芸術家。漫画描きと油絵描きをしており、二つ合わせて漫画アート芸術家!/漫画とアートを組み合わせた創作活動をしています。

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