この記事では元似顔絵描き経験者の筆者が、肖像画を描くコツを紹介するぞ♪
似顔絵描いてたんだ~、私も描いて描いて~♪
ここで書く肖像画のコツは、相手の顔をざっくり似せて描くということを前提に書いていきます。
Contents
似顔絵描きをしていた体験談
僕は2006年頃、とある縁で似顔絵師をやっていたことがある。
イベント、お祭り、お店などでお客さんを前にして似顔絵を描いていた。
その時は色紙に、鉛筆やパステルを使って似顔絵を描いた。
時間は一人だいたい20分~30分くらいで、似顔絵を1枚仕上げる。
この短時間でお客さんの顔の特徴をつかみ、似顔絵を仕上げなければならない。
ただ似顔絵を描くだけでなく、その間お客さんとコミュニケーションを取りながらすすめていく。
その時は、こんな感じの似顔絵を描いていた。
似顔絵を描く経験は、僕に良い影響を与えた。
短時間で人の顔の特徴をつかんで絵にする能力を養ってくれたのだ。
おかげで僕は今でも人の肖像画を描いたりする。
主に写真をもとに油絵で描くことが多い。
人の顔を描くというのは、面白い。
人間十人十色で、顔はみんな個性にあふれている。
そして僕はその人の顔を見ただけで、だいたいどんな感じの人なのか?というのが分かるようになってきた。
なんとなくの性格が、顔を一目見るとわかるようになったのだ。
何しろ似顔絵を描くときはじっくり相手の顔を見るので、感じるものがあったらしい。
ここでは筆者なりの肖像画を描くコツを紹介していこう。
肖像画を描くコツ1:初めにクロッキーをして手を慣らす
肖像画を描くコツは、その人の顔を描き始める前に手をならすことにある。
肖像画を描くために顔写真を受け取った時、まず僕はその人の顔を何度もクロッキーする。
クロッキーとは、短時間で全体像をざっくり描くこと。
なぜ人の顔をクロッキーするかというと、顔の感じを手になじませるため。
たくさんクロッキーをすることでだんだん、その肖像画を描くことに手がなじんでくる。
これで大丈夫と感じた時点で、キャンバスに絵の具で描きだす。
人によって顔が手になじむ具合が早かったり長かったりする。
顔をクロッキーすることに手がなじんでくると、スムーズに肖像画の制作は進む。
これをいきなりキャンバスに描きだしてしまうと、その人の顔の感覚がつかめるまでえらく時間がかかる。
手がなじむとは、その人の顔の微妙な特徴を脳に覚え込ませる段階を言うのかもしれない。
人の顔を似せるのは微妙なさじ加減が大切になってくる。
もし直に人の肖像画を描く人の場合は、本格的に描きだす前に、何枚かクロッキーを描かせてもらうといいかもしれない。
クロッキーで相手の顔を描くうちに、手が慣れてきたら本格的な肖像画の制作に入るのだ。
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肖像画を描くコツ2:顔のパーツの距離感や大きさに気をつける
肖像画を描くコツは、微妙なパーツのさじ加減をよく見て、似せて描くことにある。
例えば
●目と眉毛の位置や距離
●目じりから耳までの距離
●鼻孔の膨らみ加減
●両眼の距離感
あげだすと、いろいろある。
顔のパーツ同士の位置関係をよく観察して描くことで、似てくるように思う。
肖像画は顔パーツの微妙な位置のずれで、がらっと印象が変わる。
そのため目、鼻、眉毛、口、耳など、パーツ間の距離や、大きさなどを注意しながら描くのが、肖像画を描くコツといえる。
つまり肖像画を描くコツとは、下描きの時点でしっかりデッサンをとることにある。
絵の具で描いてしまった後で、微妙な違いに気づくと直すのが大変。
という僕もパーツの位置外れを油彩で描いた後に、気づくことがある。
油彩画は、描いた上からいくらでも描き直せるところはうれしい。
肖像画を描くコツは、顔のパーツ同士の位置関係や大きさを似せて描くことにあるのだ。
肖像画を描くコツ3:木を見て森を見ずはいけない
肖像画を描くコツは顔全体が似てるかを確認し、細部にとらわれないことにある。
肖像画を描いていると、どうしても顔パーツの細部にとらわれて、顔全体が見れなくなることが多い。
木を見て森を見ずという状況に陥りやすいのだ。
ぼくも肖像画の制作中、目を似せて描こうとするために顔全体を見ていないことがあった。
これだとたとえ目は似たとしても、全体の顔として見た時に違和感が生じる。
肖像画はいつも顔全体が似てるかを把握し、全体が調和するように部分を描くのがコツ。
つまり顔全体の雰囲気をおさえながら、バランスを崩さない程度に部分を描きこんでいく感じだ。
いくら顔の部分を似せることができても、全体との調和がなければ、部分が目立ってしまう。
特に目を描くときに、これが起こりやすい。
眼はその人を表わす大切な部分だからと必要以上に描きこんで、目の部分だけリアルになることが僕も度々あった。
肖像画や似顔絵を描くとき大切なことは、顔全体のバランスである。
顔全体で調和のとれた時点で、部分の描写の手をとめたほうが良いと思う。
もしさらに部分を描くのであれば、顔全体の描きこみもそれと比例して増やすといいだろう。
目の部分をより精密に描きたいのなら、他の部分もそれに合わせないと、目だけが目立ってしまう。
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肖像画を描くコツ4:色味を合わせる
肖像画を描くコツとして、顔全体の色味を合わせるようにしよう。
色味の強さを、顔全体で調和させるということだ。
例えば淡い色彩で肖像画が描かれているのに、唇の部分だけ過激な赤で塗られていたら、そこが目立ってしまう。
他の部分は淡い色調なのに、唇の赤が強いから、唇が飛び出たように見えてしまうのだ。
肖像画で注目させたいのは顔。
顔に目がいくように全体のバランスを見て色を置くのが、肖像画を描くコツといえる。
もちろん光があたってる場所と暗い場所では、明るさが異なるので色味は変わる。
しかし同じ光の場所なのに、ある一部分だけ色味が違うというのは、顔全体として見た時に目立つのだ。
顔の部分的なパーツを浮き立たせたいなら、周りと色味を変えて描くこともある。
しかし肖像画の色調を整えるなら、周りの色味と調和するように描くのがコツ。
色のトーンは光のかかり具合で変わる。
同じ光が当たっている場所は、周囲の色と色味を合わせることで、調和するのだ。
肖像画を描くコツ5:絵を見る距離を変えて似てるかを確認する
肖像画を制作する時は絵を遠くから見たり、近くから見たりを交互に繰り返して、顔が似てるかどうかを確認した方がいい。
肖像画で描かれる人の顔は、見る位置によって、見え方が変わることがある。
ずっと同じ距離から肖像画を描いていると、離れてみた時に、顔に違和感を感じることが筆者はたびたびあった。
同じ場所からずっと描いているので、客観的に肖像画を見る意識が消えてしまうことがあるのだ。
そんなとき一度離れて肖像画を見てみると、顔の違和感に気が付けるかもしれない。
印象派のモネの絵は、近くから見た時と離れてみた時の見え方が違うことがある。
見る距離によって、絵がどう見えるかを計算しながら描くからだろう。
肖像画を描くときは、近くからと離れてからの両方から見て、似ているかを意識するのがコツである。
肖像画を描くコツのまとめ
肖像画を似せて描くコツをまとめると以下である。
1:手をなじませるために、顔をクロッキーで描く
2:顔のパーツの距離感や大きさを観察し、似せて描く
3:肖像画の全体が似てるかを常に意識する
4:色味を肖像画全体で合わせる
5:肖像画は近くからと離れてから、両方の距離で観察し、似てるかを確認する
これらは肖像画を似せることに意識を置いた描き方である。
表現として絵を歪ませたり、突拍子もない色を置くという手段もあるだろう。
それはあなたの描き方によって違ってくる。
しかし人の顔をよく見てたくさん描くことで、肖像画を描くコツは見えてくるに違いない。
以下の記事では肖像画と似顔絵の違いについて解説しています
「人の顔を描いて、その人の魂をとらえる!」そんな思いを以下の記事で書いてるよ♪[