今回は漫画制作の全体像を、6つのステップに分けて説明しよう。
個々の漫画制作の詳細は別記事で詳しく書くので、漫画制作全体の流れに迫る。
Contents
漫画制作:1構想
僕は漫画を作る時、まず構想を練ることから始める。
「これからどんな漫画を作るのか?」の全体像を、ざっくりとでいいので決めるのだ。
●登場キャラクターは?
●ストーリーは?
●漫画のジャンルは?
●印象的なシーンは?
など、漫画を構成するあらゆる要素を書き出す。
漫画制作ステップ1の構想を行うとき、漫画のテーマも一緒に決めておくと良いだろう。
構想段階でキャラクターの外見や性格なども、わかる範囲で決めていきたい。
ぼくの場合構想は、移動中とか別のことをしている時に思いつくことが多い。
構想が浮かんだらメモを取ろう。
構想をして漫画の全体像が見えてきたら、次なる制作段階のプロットに入る。
構想は様々なアイデアを出し、作品として使える要素を選別していく作業といえる。
構想で出てきたアイデアを基に、プロットを作るのだ。
漫画制作:2プロット
プロットとは物語の筋で、重要な出来事をまとめて要約したもの。
構想の段階で出したアイデアを、話の筋としてまとめ上げる段階といえる。
●物語の流れは?
●伏線をどこに張る?
●キャラクターはどう絡む?
など、様々な要素を一つの物語にまとめていく。
プロットを作る時大切なのが、描こうとしているテーマ。
プロットの展開に迷ったら、漫画のテーマに立ち戻って考えてみよう。
漫画のテーマのなかに、プロットを書くヒントが眠っているものだ。
漫画の何ページ目にどのエピソードを入れるかなど、作品全体の流れをメモ書きしておくのも良いだろう。
プロットが出来る時は、パズルがうまい具合にハマっていく感じに似ている。
全ての要素が上手くはまる瞬間があるのだ。
プロットとネームの間には発想の飛躍が欲しい
漫画制作のステップで、プロットの後にシナリオを書く人もいる。
シナリオは、漫画のネームの流れを詳細に書いたものを指す。
人物のセリフや、登場シーン、背景の指定など、ネームで描くべき要素を文字で書いておく。
シナリオには漫画の内容が書いてあるので、ネームはシナリオを参考に描く。
漫画の原作と絵を描く人が別の場合、原作を担当している人がシナリオを書く。
僕は漫画制作のステップで、シナリオを書いたことはない。
プロットが出来た段階で、次の制作ステップであるネームに移る。
なぜならプロットからネームに移行する時の、発想の飛躍が大切だと思うから。
シナリオで細部まで漫画の内容を特定すると、ネームを描くときに発想の飛躍が活きなくなる。
プロットの内容をネームで漫画にする時に、面白い発想が浮かぶことがあるのだ。
プロットの内容にやや遊びを残しておき、ネームを描く時に良い発想が浮かんで、物語ができることが以前にもあった。
だからぼくはシナリオでネームの流れをキッチリ決めていない。
漫画が面白くなるのは、プロットからネームに移行する際の発想の飛躍にあると思っている。
プロットの段階では気づかなかった面白い要素が、ネームを描いている時に見つかる事がある。
ネームでキャラを動かしたときに、そのキャラの特徴がわかったりもする。
プロットの段階ではつかみ切れなかった面白さが、ネームを描くときに判明することがある
漫画ネームを描くときに、発想が飛躍する瞬間を見逃さないようにしよう。
シナリオでネームの細部まで固めず、ゆるみを作っておくことで、漫画が化けることがあるのだ。
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漫画制作:3ネーム
制作ステップのネームは、プロットの内容を漫画の形にしていく作業だ。
ネームではコマ割り、絵、構図、擬音やセリフなど漫画の要素を、完成原稿を想定してラフに描く。
ネームをもとに、漫画の完成原稿を仕上げるのだ。
だから、ネームの時点で漫画の面白さが決定するといえる。
ネームは漫画制作のなかで、一番クリエイティブな力が必要なところ。
漫画で絵を描くというのは、作業だ。
でもネームは、音楽制作で言うと作曲に近い。
ネームで作曲をし、作画で演奏するような感じだろう。
プロットで決めた内容が、ネームで漫画の形になる。
だからネームは、漫画制作のなかで一番頭を使う場所といえる。
絵は別の人が描いても、ネームを描いた人が漫画の作者と言われるのを見れば、制作の中でも根幹を成すことが分かる。
僕はネームを描くとき、勢いが大切だと思う。
良いアイデアは、流れるように降りてくる。
その流れをつかんで、ネームを描き切るのだ。
ネームを描くなら、タイミングを見つけよう。
「今ならネームを描けそう!」と感じたときに、一気に描くのがよいだろう。
ネームが完成したら何度も読み直して、修正して、面白いものに仕上げていく。
ネームで描く絵は、自分や制作関係者が分かればOK。
中にはネームを一切描かず、いきなり下描きをする人もいる。
僕がネームを描くときはA4の紙を半分に折り、見開き単位で描く。
同人誌など本の形で漫画を見せるなら、見開きの状態でどう見えるかを意識しながら、ネームを描くのが良いだろう。
漫画制作:4下描き
完成したネームをもとに原稿用紙に、下描きをする。
背景であれば透視図法を使い、擬音、吹き出し、キャラなどを丁寧に描く。
濃い目(2B~4B)の鉛筆やシャーペンなどを使い、うっすらと下描きをしよう。
最終的に下描きの線は、消しゴムで消すことになる。
下描きは、ペン入れをするための補助線である。
下描き状態の漫画は、うまく見えることが多い。
下描きとペン入れをした後の、絵のうまさが変わってしまうことがあるのだ。
これはペン入れをする筆記用具に慣れていないために起こる。
下描きをする筆記用具は使い慣れてても、つけペンを使いこなすのは慣れが必要。
そんなこともあり、下描き状態の漫画に満足してしまいかねない。
けど、最終的に残るのはペン入れされた絵。
漫画制作の下描きは、ペン入れのための予備線を引いてることを意識してほしい。
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漫画制作:5ペン入れ
下描きをした原稿に、つけペンとインクなどを使用してペン入れをする。
ペン入れの制作段階では主にGペン、丸ペン、さじペン、スクールペンなどを使用する。
人によってはつけペンではなく、コピックライナーなどでペン入れをする人もいるだろう。
僕は人物の輪郭線にはGペン、背景や効果線などは丸ペンを使用することが多い。
昔はさじペンやスクールペンなども使っていた。
しかしGペンと丸ペンが使えれば、あらゆるものが描ける。
なので現在は、Gペンと丸ペンをメインで使うようにしている。
ペン入れをする時のポイントは、丁寧に線を引くこと。
漫画の絵は丁寧に線を引くだけでも、かなり見栄えが変わる。
漫画は線の集合体で作られるのだ。
漫画の効果線やベタ塗りは、プロの漫画家であれば、アシスタントの人が描くことが多い。
しかし筆者は漫画制作を一人でしているので、効果線やベタ塗りはペン入れをする時に描いている。
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漫画のペン入れをするときは、カケアミやナワアミの技法を使うこともあるだろう。
かけアミやナワアミの描き方は以下の記事に載ってます♪
漫画制作:6仕上げ
漫画制作の仕上げでは主に以下のことを行う。
●消しゴムかけ
●ホワイト修正
●トーン貼り
●ホワイトとペンによる最後の加筆
●セリフ入れ
など
ペン入れが終わったら、消しゴムをかけて下描きの線を消す。
ペン入れではみ出した線などは、ホワイトを使って修正しよう。
必要であれば、スクリーントーンを貼る。
スクリーントーンは、中間色のグレーを表現する時に貼る画材だ。
スクリーントーンを使いたい大きさに切って、原稿の所定の位置に貼る。
小学校の図工の時間を思い出す作業だ。
トーンの上からペンやホワイトで効果をつける部分があれば、この時点で描く。
漫画制作のセリフ入れは、吹き出しのなかに文字を書く作業。
分からない漢字はちゃんと調べて書こう。
今は漫画制作用ソフトがあるので、そちらを使えばトーン貼りは簡単。
僕は昔トーンを切り貼りしてたけど、今ではクリップスタジオペイントEXというソフトを使っている。
以下の記事ではおすすめの漫画制作ソフトの紹介をしているぞ
制作の仕上げは漫画原稿にお化粧をしてあげるようなもの
僕は漫画制作の仕上げを、1ページ単位で行う。
仕上げは制作でごっちゃになった原稿用紙に、お化粧をしてキレイに整えてあげる作業だ。
ちゃんと人前に立てる漫画に、仕立て上げる過程といえるだろう。
まあざっと上のような感じで漫画の制作を行っている。
今回は、漫画制作全体の流れをざっと書いてみた。
制作のステップをしっかりこなしていくことで、漫画は作られる。
以下の記事ではアナログで漫画制作をする時に欠かせない道具について書いてあります♪