漫画アート芸術家

漫画とアートを組み合わせて創作を行う漫画アート芸術家が、漫画の描き方や芸術、創作活動について書いているブログです。

ネームの描き方

漫画ネームの描き方やコツを11のトピックにまとめた!

投稿日:2017年9月8日 更新日:

ネーム

 

どうも、漫画と絵画を組み合わせて創作活動を行う粕川です。
本日は漫画のネームの描き方、コツについて解説していきます。

 

漫画のネームって何?どうしてネームを描く必要があるの?という漫画のネームについて書いた記事はこちら!

 

今回の記事では漫画のネームを描く時に気を付ける事やネームを描くコツを細かく解説していくので、ネームを描きたいぜコノヤロ~!って方はどうぞお読み下さい!

 

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漫画ネームの描き方とコツ

1.ネームを描き始める前に

下描き

ネームは何も考えずにいきなり描き出すとページ数がどんどん増えていってしまう事があります。

 

漫画はページ内で物語をまとめる必要がある為ネームを描く時はプロットと照らし合わせ、ここからここまではこのページ内で収めるという計画を立てて描いていくのがコツ。

 

内容を詰め込み過ぎてもいけないので、そこはバランスを見ながらページ配分を考えていきましょう。

 

2.コマの形について

漫画のコマはそれ自体で表現力を持っています。

コマ割りの基本は横長のコマ。

 

縦に長いコマは


・高さを見せたいシーンで使う
・他のコマとの差別化を図り注目させる
・縦に視線が動くのでテンポやスピードアップの変化

のような効果を表わせます。

 

 

漫画は基本的に四角のコマでコマ割りを行います。
四角いコマが標準という前提があるから、変形コマなどが生きてくるのです。

 

変形コマはそれを使うにふさわしい時に使いましょう。
あまり変形コマを多用するといざ変形コマで目立たせたい時に効果が弱くなってしまいます。

ここぞと言う時はキャラクターをコマからはみ出させる事によって迫力を出してみましょう。

 

3.コマの数

漫画は1ページに対して4~6コマが基本の数と言われています。

迫力を出す為に大ゴマを使うのなら1ページにつき1~3コマが目安。

 

コマを配置する時のポイントは同じ大きさのコマや、同じ数のコマを連続させない事。

コマ割りはメリハリと変化をつけて割っていきましょう。

 

4.アップとロングの構図

 

漫画を描く時顔やバストアップの構図ばかり描いていると、キャラクターがどこで何をしているか?という状況が分からなくなりがち。

なので1ページに最低1コマくらいはカメラを引いてキャラクターや周囲の状況が分かるロングの絵を入れてみましょう。

 

顔アップの絵ばかり続くと退屈だし、いざ顔アップで表現したいシーンが来た時に効果が弱まるというデメリットにも繋がります。

 

以下の僕が描いた漫画を参考にアップとロングについて解説してみます。

天童大 囚人牢獄

 

先を歩くキャラクターと後ろを歩くキャラクターのシーン。

 

二人がどのくらい離れて歩いているか?の距離感を見せる為に3コマ目でフカンの構図を使っています。

フカン

フカンという上から見下ろす構図は全体の様子が分かるので、キャラクター同士の距離感や状況を伝える事が出来ます。

 

またフカンの構図は「キャラクターの孤独」を表わすのにも向いています。

一人キャラクターが泣き崩れて、しょぼんとしているフカン構図などがそうですね。

 

アオリとは下から見上げる構図の事を指します。

アオリの構図は対象が覆いかぶさるように演出出来るので、雄大さを表現するのに向いています。

コマ ロング アオリ

またアオリの構図は対象を強大な存在に感じさせる為、ホラー映画などでよく使われています。

ホラー映画をよく観ているとカメラを地面スレスレに構えたアオリの構図で、恐怖の対象をより強調して映している事がよくあります。

 

参考の漫画では
フカン構図でキャラクター同士の距離感を見せた後、次のコマはドアップで顔を見せる事により対比でインパクトを与えています。

天童大 囚人牢獄 アップ

 

このようにカメラを引いた構図からいきなりドアップの接写を用いる事で、読者に強い印象を与える事が出来ます。

 

アップからロング、ロングからアップのように構図にメリハリをつける事により読者を飽きさせない見せ方をする事が可能なのです。

 

引きのロング構図から極端なアップ構図という強烈な対比を用いた映画監督に黒澤明氏やセルジオ・レオーネ(名作マカロニウエスタン映画を沢山残したイタリアの監督)がいます。

セルジオ・レオーネの「夕日のガンマン」や「続・夕日のガンマン」を観てほしい!

 

カメラを引いたロング構図から次のシーンでは接写ドアップで顔を見せるという、セルジオ・レオーネの必殺カメラワークがかまされているのだ!

 

 

映画を観ていると分かりますがアップとロングの映像を使い分けて、視聴者を飽きさせない工夫が凝らされています。

 

映画を注意深く観る事で、アップとロングの使い分けの妙を体得する事が出来ます。

必要であればフカンやアオリの構図も含めて変化のある画面を作っていきましょう。

 

5.意味もなく画面を傾けない

漫画を描く時、何となく絵を傾けて描いてしまう事があります。

でもこれはよくありません。

 

なぜなら画面を傾けるというのはそれ自体で表現力を持つので、意図もなく使っているといざそれを用いた時のインパクトが弱くなってしまうからです。

 

画面を傾けると、読者からすると不安定な構図なので違和感が生まれます。

 

僕はイギリスの映画監督アルフレッド・ヒッチコックの映画が好きでほとんどの作品を観てきましたが、彼の映画は非常に巧妙に画面を傾けてきます。

ヒッチコックは視聴者のドキドキやサスペンスを盛り上げる為に意図的に画面を傾けているのです。

 

漫画を描く僕達も画面を傾けるのであれば、その効果が最大限生きる場面で使うべきなのです。

 

6.セリフは出来る限り省略する

セリフ ボリューム

 

漫画では長く説明的なセリフは避けた方が良いでしょう。

漫画は絵という情報源が使えるので、説明は出来る限り絵で行うべきなのです。

 

僕は漫画を読む時吹き出しぎゅうぎゅうに詰まったセリフを見ると、何となく読む気をなくします。

漫画のジャンルとして必要ならば長いセリフも良いですが、一般的にセリフは無駄に長く書くべきではありません。

 

説明すべき事は出来る限り絵で説明し、セリフは自然な会話になるように書いていきます。

もし吹き出し内の文字が多くなりそうならもう一つ吹き出しを作り、セリフを分けてしまいましょう。

 

 

7.演技をさせる

漫画では説明は出来る限り絵で行うと書きましたが、その代表的な方法が「キャラクターに演技をさせる事」。

 

セリフに頼らず仕草や表情、行動によって感情を伝えるのです。

 

キャラクターの演技のさせ方を勉強したければ名作映画を観て下さい。

 

・映画の中でキャラクターが感情を表現する時にどんな演技をしているのか?
・キャラクター同士が状況説明の会話をしている時、言葉だけでなくどんな行動をとっているのか?

 

これらの見本を観察し、自作の漫画に生かしていくのです。

映画は漫画で使える有益な表現が詰まっているので要チェックです!

 

8.場面転換

漫画の中で場面が変わる時はキャラクターがどこに移動したのかが分かるように移動した先の背景コマを1コマ入れると読者が分かりやすくなります。

 

移動した場所の背景コマを入れるだけで、どこへキャラクターが来たのかを伝える事が出来るのです。

 

以下僕の描いた参考漫画では1コマだけ工場背景のみのコマを入れる事で、猫のチッティがどこへ行ったのかが示されています。
チッティ 1ページ漫画

 

背景のみ コマ

 

背景コマを1つ差し入れる目的はキャラクターが場面移動した時のみではありません。

漫画の状況に適した背景のみのコマを差しはさむ事で情緒や、間、時間の経過などを読者に感じさせる事が出来るのです。

 

9.ページをめくらせる為の引きを意識する

ネームでコマを割る時は必ず見開き単位で画面を構成します。

 

見開きの中に配置されるコマには以下のような役割があります。

コマ 

 

漫画は見開き2ページで読みますが、以下赤枠「引きコマ」で読者に次のページをめくりたいと思わせるような展開を持ってくるのが鉄則です!

引きコマ

 

引きコマに次が気になる展開を置く事で、読者は思わずページをめくり漫画を読み進めてしまいます。

 

ページラストの引きでページをめくらせたら次のページ頭で見せゴマを入れるのです。


引きコマで興味を引きつけておいて、ページ初めに一等魅力的なコマを配置する事で読者にインパクトを与えられます。

 

「引きで読者の興味を引いてからの見せゴマ!」という手法を使う事で、読者が飽きずに漫画を読み進める事が出来るのです。

 

なお見開きページ左上のコマは一番目立つコマだと言われています。

目に入りやすいコマ

ここに魅力的な絵や重要なシーンを入れるとインパクトを増すことが出来るのです。

 

10.見開きの中にも起承転結を作る

起承転結とは物語を作る時の器みたいなもので、これに当てはめる事で物語らしくなります。

起で物語が始まり、承でその展開が広がり、転で驚きやインパクトを作り、結でまとめて終了する。

→起承転結についてはこちらの記事を!

 

漫画でネームを描く時は物語だけでなく、見開き単位で起承転結を当てはめていきます。

 

漫画はシーンの積み重ねで出来ています。
見開き単位で起承転結を当てはめるとは、例えば一つ一つのシーンを見開きページ内で収めるような感じです。

 

見開き内でシーンを演出する時に「起承転結」を当てはめて描くのです。

そして次のページからは別のシーンというように構成すると、漫画のテンポも良くなり読みやすくなります。

 

必ずしも見開きで1シーンを演出する必要はないですが、見開きにおいても起承転結は存在するという事は頭に入れておいて下さい。

 

11.プロの描いた漫画を参考にする

漫画を描いていてどうしてもコマ割りや先の展開が分からない時などは、プロが描いた漫画を参考にヒントを見つけるという方法もあります。
人の作品の展開などをそのまま使っては盗作になってしまうので、必要な技法を学び自作の漫画に生かす為の参考として活用しましょう。

 

12.一番大切なのは最後まで描き上げる事

バカオ

ネームを描く上で一番重要なのは最後まで描き上げる事にあります。
仮に描いてる途中で面白くないかもと思っても、面白い面白しろくないを判断するのは読者や出版社です。

 

そしてネームは何より完成させない事には読んでもらいようがなく、面白いかどうかの判断すらつきません。

 

またネームを途中で放棄する原因として人からの意見に左右されて自分の方向性を見失ってしまうという点が挙げられます。

 

人のアドバイスは大切ですが、意見に振り回される必要はないのです。

 

人の意見に惑わされて一番大切な自らの表現欲求を見失ったらそれが一番危険です。

なので人からのアドバイスは参考程度に受け止め、自らを信じて漫画を地道に描くようにして下さい。

 

例えそのネームが面白くなかったとしても、自分の漫画を一本描き上げたという現実は大きな自信に繋がります。

面白さは次回作に繋げていけば良いのです。

 

目の前にある一本一本の作品を確実に仕上げていくようにしましょう。

 

最後に

チッティ ネーム

ネームの描き方のコツについて色々と書いてきましたが、最後に言える事があります。

 

それは「ネームの描き方に答えはない」という事。

 

絵画でも漫画でも同じです。

 

どう作るかを決めるのはあなた。

 

初めはどのようにネームを描くのか分からないので、マニュアルに沿って行いますが徐々に自分らしい作り方を発見していくのです。

 

僕はネームの描き方の本を色々読んできましたが、そこには大体このような事が書かれています。

 

ネームを描く時のコツは「どうすればもっと漫画が読みやすくなるのか?」を考える事。

 

漫画は読者あってのモノなので読んでもらう為の努力の大切さが説かれていました。

 

まったくもはや漫画のネームは奥が深い!

僕も心身改めてネームに取り組み出そうと思います!

他にもこんなネームに関する記事を書いているのでどうぞ!

漫画のネームが描けない!と絶望した時に効く3つの秘薬

 

すず
今日もブログをお読み頂きありがとうございました!
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粕川裕康/漫画アート芸術家。漫画描きと油絵描きをしており、二つ合わせて漫画アート芸術家!/漫画とアートを組み合わせた創作活動をしています。

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